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今度は俺が
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俺たちは小さい頃から何をするのも一緒だった。
そんなある日一度だけあいつに言われたことがある。
「僕、君の事好きだよ!」
その時、俺の中で1番の親友だと思ってたあいつにそう言われて純粋に嬉しかった。
それから随分時間が経ち大人になった俺たち。
相変わらず俺の隣にはあいつがいる。
お互い仕事で忙しくしてるものの、暇さえあればいつも一緒だ。
そんなある日、俺は気づいてしまった。
俺はあいつのことが恋愛的に好きなこと。
気づいてしまった日からどうしても意識してしまう。
何をするにも一緒にいるだけでドキドキしてしまいそれを隠そうと素っ気なくなってしまう。
そんな日々を過ごすうちに、あいつにもそれが伝わってしまったのか、あまり会わなくなってしまった。
このままではダメだと思い俺はあいつを呼び出した。
少し気まずさが漂う部屋の中、俺は話し出した。
もうこの際嫌われても良いやという思いと勘違いして欲しくないという思いで気づいたら全て話していた。
そんな俺の話を静かに聞いてくれていたあいつはそっと口を開く。
「そうだったんだ」
そう言った表情は何を考えているのかよくわからなかった。
ただ、気持ち悪がられたと思った俺は
「ごめん、きもいよね、忘れて」
と、少し早口で言った。
するとあいつは驚いたような少し悲しそうな表情を浮かべながら
「ううん、そんなことない、むしろその逆。俺、お前のこと小さい時からずっと好きだったよ。俺の初恋はお前。今も変わらない」
そう言ってきた。意外だった。
俺がお前のことを好きになるよりずっと前から俺のこと好きだったことを知って嬉しかったと同時にそれに気付けなかった自分に嫌気がさした。
「ごめん、今まで気付けなくて」
そういう俺にお前は
「お前が謝る必要ないよ、俺が勝手に好きになっただけだから。それに、男同士だから気持ち悪がられると思って俺も言えなかった」
少し笑いながらも悲しそうな顔でそう言った。
その顔はすごく辛そうだった。
好きな人にこんな顔して欲しくないのに、そうさせたのは間違いなく俺だった。
これからは俺が幸せにする。
そう誓った。
だから、今度は俺が
「俺、お前のこと好きだよ」
その日から俺たちはただの幼なじみという関係から恋人へと昇格した。
そんなある日一度だけあいつに言われたことがある。
「僕、君の事好きだよ!」
その時、俺の中で1番の親友だと思ってたあいつにそう言われて純粋に嬉しかった。
それから随分時間が経ち大人になった俺たち。
相変わらず俺の隣にはあいつがいる。
お互い仕事で忙しくしてるものの、暇さえあればいつも一緒だ。
そんなある日、俺は気づいてしまった。
俺はあいつのことが恋愛的に好きなこと。
気づいてしまった日からどうしても意識してしまう。
何をするにも一緒にいるだけでドキドキしてしまいそれを隠そうと素っ気なくなってしまう。
そんな日々を過ごすうちに、あいつにもそれが伝わってしまったのか、あまり会わなくなってしまった。
このままではダメだと思い俺はあいつを呼び出した。
少し気まずさが漂う部屋の中、俺は話し出した。
もうこの際嫌われても良いやという思いと勘違いして欲しくないという思いで気づいたら全て話していた。
そんな俺の話を静かに聞いてくれていたあいつはそっと口を開く。
「そうだったんだ」
そう言った表情は何を考えているのかよくわからなかった。
ただ、気持ち悪がられたと思った俺は
「ごめん、きもいよね、忘れて」
と、少し早口で言った。
するとあいつは驚いたような少し悲しそうな表情を浮かべながら
「ううん、そんなことない、むしろその逆。俺、お前のこと小さい時からずっと好きだったよ。俺の初恋はお前。今も変わらない」
そう言ってきた。意外だった。
俺がお前のことを好きになるよりずっと前から俺のこと好きだったことを知って嬉しかったと同時にそれに気付けなかった自分に嫌気がさした。
「ごめん、今まで気付けなくて」
そういう俺にお前は
「お前が謝る必要ないよ、俺が勝手に好きになっただけだから。それに、男同士だから気持ち悪がられると思って俺も言えなかった」
少し笑いながらも悲しそうな顔でそう言った。
その顔はすごく辛そうだった。
好きな人にこんな顔して欲しくないのに、そうさせたのは間違いなく俺だった。
これからは俺が幸せにする。
そう誓った。
だから、今度は俺が
「俺、お前のこと好きだよ」
その日から俺たちはただの幼なじみという関係から恋人へと昇格した。
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