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第一部 二人の囚人
第6話 最初の記憶
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この物語の主人公、ナナシが
マチミヤの脱獄計画に協力するか、否かの決断を下す前に,読者の皆さんには是非知っていてもらいたい。
いや,知って貰わなければならない。
それは、彼の過去の物語。
それは、『勇者』との因縁が始まった、あの時の物語。
時は巻き戻って,約6年前。
全てが始まったのは、はしゃぐ一人の女の子の声からだった。
*******
6年前。トチの森のテントにて。
「……ああ、みんな!
この人、目を覚ましたよ!」
——うるさいな。何なんだ一体。
青年はそんな感情を抱きながら、意識を覚醒させ,起き上がった。
どうやらベッドに寝かされていたようであり、白いパジャマのようなものを着せられていた。
青年はキョロキョロと周りを見渡す。
床には絹で出来たカラフルな模様の絨毯が敷き詰められており、壁も木ではなく、布で出来ている。
ここがテントの中であるらしい事は、容易に想像できた。
ふと、幾つもの視線を感じた彼はその方向を見てみると、いつのまにかベッドの周りには取り囲むようにして数人の子供たちが好奇の目でこちらを眺めていた。
やがて我慢できなくなったのか、その中のとびきり幼い女の子が、青年に向かってこう言った。
「ねぇねぇ、あなた誰?
インバダ王国に住んでる人?」
——インバダ王国?
初めて聞くその言葉に、青年は思わず首を傾げた。
そして頭の中の記憶を探ってみようとするが,何も思い浮かばない。
本当に、何も。
その時、青年は初めて自分にはここまでの記憶が無い事に気が付いたのであった。
——なにが、どうなっているんだ?
と、その時。
「おい、セナ。
離れなさい! まだ素性が分からないんだぞ!」
突然、テントの入り口から怒鳴り声が聞こえてきた。
見るとそこにはこちらに警戒の目を向けた男性と、怯えた様子で彼にピッタリとくっ付く、女性の姿があった。
「お前たち、早くこっちに来なさい!
何度もあれほど、ベッドには近づくなと言っていたのに……」
どうやらこの二人は、今現在青年のベッドを取り囲んでいる子供達の育ての親らしい。
子供達をこちらから守るようにして手で包み込むと、再びキッとした警戒の目を向けた。
——どうやら、あまり良い印象は抱かれていないようだな。
青年はひとまず、誤解を解く為にも交流を図る事にした。
もしかしたら、そこから自分の正体も分かるかもしれない。
「す、すみません。
なんだか、ベッドに寝かせて頂いたみたいで。
本当にありがとうございます。
…………あの、ここは一体?」
しかし青年の問いに、彼らは答えてくれなかった。
「……あんた、インバダ王国の者か?」
——はは、こっちの質問は無視か。
心の中で、力無く青年は笑った。
先程から聞く、インバダ王国という単語。
王国、というくらいなのだから地名なのだろうか。
しかし答えたくとも、分からないのだ。
ただでさえ、自分がなんの記憶も持っていない事に気付いてしまった為、動揺している。
思わず、青年は頭を抱えた。
そんな彼をフォローしてくれたのだろうか。
先程の女の子が、横から父親に向かってこう言った。
「ううん違うよ、父ちゃん。
インバダ王国の人間なら腕に動物のタトゥーが彫られているはずだもの。
でも、そこのお兄ちゃんにはそれがなかった」
——タトゥー?
それを聞いた青年は、慌てて白いシャツの袖をめくりあげた。
確かに、腕にはタトゥーなど無い。
それは、もう片方の腕を見ても同じ。
それを見た入り口にいた両親も、安心したようだった。
青年への警戒をようやく解くと、申し訳なさそうに握手を求めてこちらへ手を伸ばす。
「いや、すまなかったな。
あんたはインバダの人間じゃなかったみたいだ。
警戒してしまって本当に申し訳ない。
ここは、インバダ王国から遠く離れた北にある
『トチの森』だ
…………俺の名はジョセフ。
そして俺の妻のニーナだ」
青年は、その握手に応じた。
横に立っていた綺麗な女性は、こちらに向かってニッコリ笑うと、ペコリとこちらに頭を下げた。
そして今度は紹介が子供たちへと移る。
「そしてこいつらは俺たちの子供だ。
右からイナ、マナ、セナ。
三つ子ってヤツだ。
今の時代、珍しいだろう?」
——その今の時代の記憶がないんだけどな。
青年は心の中で、そんな皮肉を呟いた。
しかしもちろん、そんな事は表に出さずに彼らに合わせる風にうなづいておく。
それにしても流石は三つ子である。
イナ、マナ、セナの3人は、まるで区別がつかなかった。
皆、リンゴのように赤いほっぺが印象的の可愛らしい女の子。
年は、10歳くらいだろうか。
そう青年は予想を立てた。
「あたし、セナ!
歳は6歳! よろしくね!」
—————外れたか。
父親のマネをしたい年頃なのか、同じように手を差し出して来たセナと、青年は握手を交わす。
どうやらセナが、この中で一番好奇心が旺盛で、それでいて人懐っこい性格をしているらしい。
残りのイナとマナはまだ母親の足に隠れて、怯えた様子でこちらを見上げていた。
そんな三つ子を眺めていると、椅子を持ってきてベッドの近くに座った父親のジョセフが、話を切り出してきた。
「さぁ、自己紹介も終わったことだ。
そろそろお互いのことをもっと知ろうじゃないか。
…………アンタ。
俺が魚を取り行こうと川に行ったら、上から流れ着いたみたいに倒れていたんだぞ。
低体温症で、身体中が真っ青だった。
急いで温めなければ、死んでいただろうな。
一体何があったんだ?
それに、どこからアンタはやってきた?」
青年はうつむいた。
何度も言うが,答えたくとも答えられないのだ。
なので、ジョセフには本当の事を話す事にする。
「分からないんです。
僕の初めての記憶は、そこにいるセナちゃんの声が聞こえたところから始まったんです。
分からない。 思い出せないんです。
俺の名前は? 年齢は? どこから来た?
…………分からないんです、何も」
テント内に、重い空気が流れ始めた。
ジョセフも、その妻ニーナも、そして子供達も、そんな青年に同情したのか、皆うつむきだす。
不意に、ジョセフが青年の方に手を置いた。
そしてニッコリと、優しさ溢れる笑顔で、青年に向かってこう語り掛ける。
「……そうか、つまり記憶喪失というわけだな。
幸い、この森は豊富だ。
食べ物には困らないだろう。
君はインバダの者ではないようだし、好きなだけここにいてくれていい。
まぁ、働いてもらうがな。
どうだ? 君さえ良ければなんだが」
それを聞いて、セナが飛び跳ね始めた。
「賛成! 賛成!
セナはお兄ちゃんが一緒に住むのに賛成!」
そしてセナがトコトコとベッドに向かって駆けて来ると、青年の手をギュッと握りしめた。
「ねぇ、ねぇ!
イイでしょ! お兄ちゃん!」
「私も賛成です。
是非、ここにいて下さいな。
これから季節は秋。
そろそろ冬ごもりの準備をしなければなりません。
木の実の採集や魚取りと、やる事は山ほどです。
手伝って頂ければ、こちらも助かりますわ」
そう言って、妻のニーナも賛成する。
そんな彼らの優しさに触れて、青年は目頭が熱くなってくるのを感じた。
——見ず知らずの俺にここまでしてくれるなんて。
青年は無論、何度も何度もうなづいて快諾した。
それを見たジョセフは、満足げに笑顔を浮かべる。
「そうか。
じゃあ、ここに住むからには名前が無いとな。
呼ぶ時に困っちまう。
そうだな、お前の名前は『ナナシ』だ。
まぁ名前がわからない、名無しだからな。
とりあえずは、それで行こう。
それでいいか、ナナシ?」
———————ナナシ、か。
「……ハイ」
こうしてトチの森に住む一家のテントは、今日から青年、いやナナシにとっての『居場所』となった。
冬ごもりに備えた食料集めを行う毎日。
年月は放たれた矢の如く、あっという間に過ぎていった。
その間、ナナシは自分の素性については全くと言っていいほど、思い出す事は出来なかった。
だが,生活は最高に充実していたし、別に二度と思い出さなくてもいいのかもしれないとナナシは思った。
家族であるジョセフ、ニーナ、イナ、マナ、セナがいる。
それだけで十分じゃないか。
他に何を望むというのか。
しかし、ナナシはまだ知らない。
この幸せな日々がある日突然、切り裂かれてしまう事を。
『勇者』の手によって。
マチミヤの脱獄計画に協力するか、否かの決断を下す前に,読者の皆さんには是非知っていてもらいたい。
いや,知って貰わなければならない。
それは、彼の過去の物語。
それは、『勇者』との因縁が始まった、あの時の物語。
時は巻き戻って,約6年前。
全てが始まったのは、はしゃぐ一人の女の子の声からだった。
*******
6年前。トチの森のテントにて。
「……ああ、みんな!
この人、目を覚ましたよ!」
——うるさいな。何なんだ一体。
青年はそんな感情を抱きながら、意識を覚醒させ,起き上がった。
どうやらベッドに寝かされていたようであり、白いパジャマのようなものを着せられていた。
青年はキョロキョロと周りを見渡す。
床には絹で出来たカラフルな模様の絨毯が敷き詰められており、壁も木ではなく、布で出来ている。
ここがテントの中であるらしい事は、容易に想像できた。
ふと、幾つもの視線を感じた彼はその方向を見てみると、いつのまにかベッドの周りには取り囲むようにして数人の子供たちが好奇の目でこちらを眺めていた。
やがて我慢できなくなったのか、その中のとびきり幼い女の子が、青年に向かってこう言った。
「ねぇねぇ、あなた誰?
インバダ王国に住んでる人?」
——インバダ王国?
初めて聞くその言葉に、青年は思わず首を傾げた。
そして頭の中の記憶を探ってみようとするが,何も思い浮かばない。
本当に、何も。
その時、青年は初めて自分にはここまでの記憶が無い事に気が付いたのであった。
——なにが、どうなっているんだ?
と、その時。
「おい、セナ。
離れなさい! まだ素性が分からないんだぞ!」
突然、テントの入り口から怒鳴り声が聞こえてきた。
見るとそこにはこちらに警戒の目を向けた男性と、怯えた様子で彼にピッタリとくっ付く、女性の姿があった。
「お前たち、早くこっちに来なさい!
何度もあれほど、ベッドには近づくなと言っていたのに……」
どうやらこの二人は、今現在青年のベッドを取り囲んでいる子供達の育ての親らしい。
子供達をこちらから守るようにして手で包み込むと、再びキッとした警戒の目を向けた。
——どうやら、あまり良い印象は抱かれていないようだな。
青年はひとまず、誤解を解く為にも交流を図る事にした。
もしかしたら、そこから自分の正体も分かるかもしれない。
「す、すみません。
なんだか、ベッドに寝かせて頂いたみたいで。
本当にありがとうございます。
…………あの、ここは一体?」
しかし青年の問いに、彼らは答えてくれなかった。
「……あんた、インバダ王国の者か?」
——はは、こっちの質問は無視か。
心の中で、力無く青年は笑った。
先程から聞く、インバダ王国という単語。
王国、というくらいなのだから地名なのだろうか。
しかし答えたくとも、分からないのだ。
ただでさえ、自分がなんの記憶も持っていない事に気付いてしまった為、動揺している。
思わず、青年は頭を抱えた。
そんな彼をフォローしてくれたのだろうか。
先程の女の子が、横から父親に向かってこう言った。
「ううん違うよ、父ちゃん。
インバダ王国の人間なら腕に動物のタトゥーが彫られているはずだもの。
でも、そこのお兄ちゃんにはそれがなかった」
——タトゥー?
それを聞いた青年は、慌てて白いシャツの袖をめくりあげた。
確かに、腕にはタトゥーなど無い。
それは、もう片方の腕を見ても同じ。
それを見た入り口にいた両親も、安心したようだった。
青年への警戒をようやく解くと、申し訳なさそうに握手を求めてこちらへ手を伸ばす。
「いや、すまなかったな。
あんたはインバダの人間じゃなかったみたいだ。
警戒してしまって本当に申し訳ない。
ここは、インバダ王国から遠く離れた北にある
『トチの森』だ
…………俺の名はジョセフ。
そして俺の妻のニーナだ」
青年は、その握手に応じた。
横に立っていた綺麗な女性は、こちらに向かってニッコリ笑うと、ペコリとこちらに頭を下げた。
そして今度は紹介が子供たちへと移る。
「そしてこいつらは俺たちの子供だ。
右からイナ、マナ、セナ。
三つ子ってヤツだ。
今の時代、珍しいだろう?」
——その今の時代の記憶がないんだけどな。
青年は心の中で、そんな皮肉を呟いた。
しかしもちろん、そんな事は表に出さずに彼らに合わせる風にうなづいておく。
それにしても流石は三つ子である。
イナ、マナ、セナの3人は、まるで区別がつかなかった。
皆、リンゴのように赤いほっぺが印象的の可愛らしい女の子。
年は、10歳くらいだろうか。
そう青年は予想を立てた。
「あたし、セナ!
歳は6歳! よろしくね!」
—————外れたか。
父親のマネをしたい年頃なのか、同じように手を差し出して来たセナと、青年は握手を交わす。
どうやらセナが、この中で一番好奇心が旺盛で、それでいて人懐っこい性格をしているらしい。
残りのイナとマナはまだ母親の足に隠れて、怯えた様子でこちらを見上げていた。
そんな三つ子を眺めていると、椅子を持ってきてベッドの近くに座った父親のジョセフが、話を切り出してきた。
「さぁ、自己紹介も終わったことだ。
そろそろお互いのことをもっと知ろうじゃないか。
…………アンタ。
俺が魚を取り行こうと川に行ったら、上から流れ着いたみたいに倒れていたんだぞ。
低体温症で、身体中が真っ青だった。
急いで温めなければ、死んでいただろうな。
一体何があったんだ?
それに、どこからアンタはやってきた?」
青年はうつむいた。
何度も言うが,答えたくとも答えられないのだ。
なので、ジョセフには本当の事を話す事にする。
「分からないんです。
僕の初めての記憶は、そこにいるセナちゃんの声が聞こえたところから始まったんです。
分からない。 思い出せないんです。
俺の名前は? 年齢は? どこから来た?
…………分からないんです、何も」
テント内に、重い空気が流れ始めた。
ジョセフも、その妻ニーナも、そして子供達も、そんな青年に同情したのか、皆うつむきだす。
不意に、ジョセフが青年の方に手を置いた。
そしてニッコリと、優しさ溢れる笑顔で、青年に向かってこう語り掛ける。
「……そうか、つまり記憶喪失というわけだな。
幸い、この森は豊富だ。
食べ物には困らないだろう。
君はインバダの者ではないようだし、好きなだけここにいてくれていい。
まぁ、働いてもらうがな。
どうだ? 君さえ良ければなんだが」
それを聞いて、セナが飛び跳ね始めた。
「賛成! 賛成!
セナはお兄ちゃんが一緒に住むのに賛成!」
そしてセナがトコトコとベッドに向かって駆けて来ると、青年の手をギュッと握りしめた。
「ねぇ、ねぇ!
イイでしょ! お兄ちゃん!」
「私も賛成です。
是非、ここにいて下さいな。
これから季節は秋。
そろそろ冬ごもりの準備をしなければなりません。
木の実の採集や魚取りと、やる事は山ほどです。
手伝って頂ければ、こちらも助かりますわ」
そう言って、妻のニーナも賛成する。
そんな彼らの優しさに触れて、青年は目頭が熱くなってくるのを感じた。
——見ず知らずの俺にここまでしてくれるなんて。
青年は無論、何度も何度もうなづいて快諾した。
それを見たジョセフは、満足げに笑顔を浮かべる。
「そうか。
じゃあ、ここに住むからには名前が無いとな。
呼ぶ時に困っちまう。
そうだな、お前の名前は『ナナシ』だ。
まぁ名前がわからない、名無しだからな。
とりあえずは、それで行こう。
それでいいか、ナナシ?」
———————ナナシ、か。
「……ハイ」
こうしてトチの森に住む一家のテントは、今日から青年、いやナナシにとっての『居場所』となった。
冬ごもりに備えた食料集めを行う毎日。
年月は放たれた矢の如く、あっという間に過ぎていった。
その間、ナナシは自分の素性については全くと言っていいほど、思い出す事は出来なかった。
だが,生活は最高に充実していたし、別に二度と思い出さなくてもいいのかもしれないとナナシは思った。
家族であるジョセフ、ニーナ、イナ、マナ、セナがいる。
それだけで十分じゃないか。
他に何を望むというのか。
しかし、ナナシはまだ知らない。
この幸せな日々がある日突然、切り裂かれてしまう事を。
『勇者』の手によって。
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