2人で奏でる異世界デュエット

琢也

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初LIVE

初LIVE1

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バンドを結成した日からもうすぐ3ヶ月が経とうとしていた。ガロンが予告した大会の1週間前である。


「キッド! ギター走ってるわよ? ちゃんと周りに合わせようとして!」

「わりい…」

「ま、まぁ、エレナ少し落ち着いて」

「分かってるけど、大会まで後1週間しか無いのよ? エレナも、もう少し自分のギター主張して欲しい。キッドと私の音に消されてる」

「すいません……」

「エバも心全然篭ってないよ?それじゃあ観客には伝わらない。」

「ごめん」

「ちょっと休憩にしましょう……私飲み物買ってくるわね」


 そう言って演奏室から出て行ったエレナ。順調に滑り出したと思われたTDIMだったが、ここ最近は毎日ピリピリとした空気が漂ってる。


「エレナさんここ最近毎日ピリピリしてますね」

「あいつは苦労してきた分見返してやりてえって気持ちが強いんだろ」

「分からなくも無いけど、少し怖いよね」

「私達このままで大会で結果を残せるんでしょうか……」

「ここまで来たらやるしかねえだろ」

「そうよ!やるしか無いのよ!」

「エレナ……」


 毎回飲み物を買って帰って来ると目の下を赤く腫らしたエレナに気付いていたアメリが心配そうな声で名前を呼ぶ。


「さーて! もうひと頑張りしましょう!」



 大会3日前。


「何回も言うようだけど、キッドはギター走り過ぎだって! 何で合わせようとしてくれないのよ!そんなに1人で弾きたいなら1人でやれば良いじゃない!」

「エレナ!」

「あ?」


 慌てて止めたアメリだが、一歩遅かったようだ。今まで我慢していたキッドだが、さすがにエレナの一言に今までの不満が爆発した。


「合わせろ合わせろってお前はどうなんだよ!毎回毎回上から目線で偉そうに文句ばっかりじゃねーかよ!1人でやりたいなら1人でやれだと?だったらそうしてやるよ!」

「キッド! いくらなんでも言い過ぎだよ……」

「ちっ……ドンッ!」

「待ってキッド!」


 舌打ちをして演奏室から出て行ってしまったキッドとその後を追うエバ。演奏室には何も話さないアメリとエレナが残った。


「はぁ……やっちゃったわ。キッドに酷いこと言っちゃったわね……」

「エレナ……」


 目頭を赤くして、涙がこぼれないように上を向くエレナにアメリが近寄った。



「最近大会で結果を残す事しか考えてなくて、みんなにキツくなってたわね、アメリもごめんね?」

「私は良いんです……ただ、ここ最近エレナがとても辛そうに見えて」

「辛かったわね。みんなに言い過ぎてるなって、毎日後悔してるんだけど、やっぱりムキになっちゃうのよね。私だって全然満足のいくパフォーマンス出来てないのに」

「1人で抱え過ぎるのは良くないですよ? 何の為に私が居るんですか」

「アメリ……」

「私達同じバンドメンバーなんですから、ちゃんと話し合いましょう! 言いづらい事なら私にだけでも相談してください!いつでも相談に乗りますから」

「ありがとう……アメリ。ひっ……ひっぐ……」


 今まで我慢していたものが溢れ出るかの様に泣き出したエレナ。


「我慢する必要なんて無いですよ? 思いっきり泣いてスッキリして下さい」


 そう言ってエレナを優しく抱きかかえたアメリ。アメリの優しさにしばらく甘えていてエレナが落ち着きを取り戻すのは少し時間がかかった。


「落ち着きましたか?」

「ええ。ありがとうね」

「いつでも歓迎です!とりあえずキッドに謝って今後のこと話し会いませんか?」

「そうね。キッド達帰ってくるかしらね」

「必ず帰ってきますよ」


 そう言ってキッド達の帰りを待つアメリとエレナであった。

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