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第2章
第54話
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「さて、見目麗しいお嬢様方と別れるのは忍びないですが、私は、旅に戻ります。」
レナスさんが、名残惜《なごりお》しそうにミケさんに言う。
「兄ちゃん、補給や応急修理くらい受けて行ったらどうや?」
と、ミケさんが提案するが、
「いえ、私のウンターザーゲンは、どこかの町に着けば、そこで整備します。それも修行の一環《いっかん》です。」
レナスさんが断《ことわ》りの意を述べる。
「ウンター…ザーゲン? ザヌスじゃないんスか?」
至極《しごく》、当然の疑問をぶつけてみる。
いや、アレ、どこからどう見てもザヌスじゃねッ?
「ザヌスではない。それ以上、凡夫《ぼんぷ》ごときが知る必要は無い。」
レナスさんが、険《けわ》しい顔で言う。
あ~、多分、この人…。
「まあまあ、ちょい、そのウンターザーゲンいうFG、気になるから、ちょい説明お願いできんかな?」
と、ミケさんが聞く。
「分かりました、お嬢様。ウンターザーゲンは、御師様《おしさま》が私の為に用意したFGです。ザヌスの外見をしていますが、MDTSというGコックピット内で操者《パイロット》が行った動き通りにGが動くという装置が付いています。他にアライン流は、闘気という俗に気合と呼ばれるモノを扱うのですが、このウンターザーゲンは、その闘気をGの剣に伝わせ、出力を強化する事ができます。」
「ふぇ~。ミケさんのタイニーダンサーもトンデモ装置満載だと思ったっスけど、レナスさんのウンターザーゲンも凄いっスね。」
「なかなか面白そうな機体やね。」
ミケさんが興味津々という感じで目を輝かせる。
「メカニックとして、非常に興味深いですね。」
マカロニさんが、メガネを光らせつつ、メガネを中指でクイッと上げる。
「また、このウンターザーゲンは、ワザと鈍重に作られており、この機体を十全《じゅうぜん》に扱える様にする事も修行の一環であるとの御師様《おしさま》の命であります。」
「なるほどね。だから、明らかに重装甲っぽいGなのに、格闘戦をしていたのね。」
ユリンさんが、ウンウンと頷く。
「では、お嬢様方、私はこれで。お嬢様方に精霊の御加護《ごかご》がありますように。男共は命を賭《と》してでもお嬢様方をお守りしろ!」
そう言って、レナスさんがウンターザーゲンのブースターを噴《ふ》かせてダッシュで離れていった。
「何か、男性と女性とで、扱いが極端に違う、変わった人っしたね。ああいうの、フェミニストって言うんスかね?」
誰に聞くともなく、オイラが言うと、
「まあ、言わんとする事は分りますけど、フェミニストというのは、元々は男女両権《だんじょりょうけん》を唱《とな》える人の事で、レナスさんのは、男尊女卑《だんそんじょひ》の反対の、女尊男卑《じょそんだんぴ》と言う方が正しいでしょうね。」
と、マカロニさんが解説してくれる。
「まあ、極端な兄ちゃんやったけど、助けてくれたんは確かやし、悪い人やないと思うよ。」
ミケさんが、そういって締めくくる。
「よし! アイツへのうちの報告の作業はパパっと手早く済ます! シュタイガーンバオアーは、早《は》よ修理せなあかんけど、やっぱし、せっかくなんやし、まずは、仕事の達成祝いとロクスリー君の入団祝いを兼《か》ねて、パーっと行くで!」
その、ザインさんたちに追われていた時には見れなかった、再びのニコニコ笑顔に、まあ、こんなのも良いよね、と思ってしまうオイラだった。
レナスさんが、名残惜《なごりお》しそうにミケさんに言う。
「兄ちゃん、補給や応急修理くらい受けて行ったらどうや?」
と、ミケさんが提案するが、
「いえ、私のウンターザーゲンは、どこかの町に着けば、そこで整備します。それも修行の一環《いっかん》です。」
レナスさんが断《ことわ》りの意を述べる。
「ウンター…ザーゲン? ザヌスじゃないんスか?」
至極《しごく》、当然の疑問をぶつけてみる。
いや、アレ、どこからどう見てもザヌスじゃねッ?
「ザヌスではない。それ以上、凡夫《ぼんぷ》ごときが知る必要は無い。」
レナスさんが、険《けわ》しい顔で言う。
あ~、多分、この人…。
「まあまあ、ちょい、そのウンターザーゲンいうFG、気になるから、ちょい説明お願いできんかな?」
と、ミケさんが聞く。
「分かりました、お嬢様。ウンターザーゲンは、御師様《おしさま》が私の為に用意したFGです。ザヌスの外見をしていますが、MDTSというGコックピット内で操者《パイロット》が行った動き通りにGが動くという装置が付いています。他にアライン流は、闘気という俗に気合と呼ばれるモノを扱うのですが、このウンターザーゲンは、その闘気をGの剣に伝わせ、出力を強化する事ができます。」
「ふぇ~。ミケさんのタイニーダンサーもトンデモ装置満載だと思ったっスけど、レナスさんのウンターザーゲンも凄いっスね。」
「なかなか面白そうな機体やね。」
ミケさんが興味津々という感じで目を輝かせる。
「メカニックとして、非常に興味深いですね。」
マカロニさんが、メガネを光らせつつ、メガネを中指でクイッと上げる。
「また、このウンターザーゲンは、ワザと鈍重に作られており、この機体を十全《じゅうぜん》に扱える様にする事も修行の一環であるとの御師様《おしさま》の命であります。」
「なるほどね。だから、明らかに重装甲っぽいGなのに、格闘戦をしていたのね。」
ユリンさんが、ウンウンと頷く。
「では、お嬢様方、私はこれで。お嬢様方に精霊の御加護《ごかご》がありますように。男共は命を賭《と》してでもお嬢様方をお守りしろ!」
そう言って、レナスさんがウンターザーゲンのブースターを噴《ふ》かせてダッシュで離れていった。
「何か、男性と女性とで、扱いが極端に違う、変わった人っしたね。ああいうの、フェミニストって言うんスかね?」
誰に聞くともなく、オイラが言うと、
「まあ、言わんとする事は分りますけど、フェミニストというのは、元々は男女両権《だんじょりょうけん》を唱《とな》える人の事で、レナスさんのは、男尊女卑《だんそんじょひ》の反対の、女尊男卑《じょそんだんぴ》と言う方が正しいでしょうね。」
と、マカロニさんが解説してくれる。
「まあ、極端な兄ちゃんやったけど、助けてくれたんは確かやし、悪い人やないと思うよ。」
ミケさんが、そういって締めくくる。
「よし! アイツへのうちの報告の作業はパパっと手早く済ます! シュタイガーンバオアーは、早《は》よ修理せなあかんけど、やっぱし、せっかくなんやし、まずは、仕事の達成祝いとロクスリー君の入団祝いを兼《か》ねて、パーっと行くで!」
その、ザインさんたちに追われていた時には見れなかった、再びのニコニコ笑顔に、まあ、こんなのも良いよね、と思ってしまうオイラだった。
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