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第6章
第108話
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「リーダー、フェアタイディゲンがアルセカーナの町に到着した模様です。機体反応ロスト。町の自警団の施していると思われるジャミングでレーダーでは探知できなくなりました。どうしますか?」
セリアさんが、これからの指針をミケさんに尋《たず》ねる。
「当然、追い掛けて町に入って、しらみつぶしに町内を探索して、見付けてブッ潰《つぶ》すッ!」
強気に言《い》い放《はな》つミケさん。
「アルセカーナって、一度、私たちが町の自警団のFGを強奪したところだし、私たちが入ったら自警団たちに目の敵にされて攻撃されるんじゃないの?」
ユリンさんが、大丈夫なの?と、言外にミケさんに尋《たず》ねる。
「だよなぁ……。流石《さすが》に雑魚《ざこ》の集まりの自警団たちでも、あのG²を相手にしながら挟撃《きょうげき》されたら最悪じゃないですか、姐《あね》さん?」
ケビンさんも続いてミケさんに聞く。
ちょッ⁉ あんな化け物みたいに強いG²と戦う上に、町の自警団にも襲われるとか、マジ勘弁なんだけどッ⁉
「マカロニが、さっき言った、町のGショップを襲ってパーツを漁って自己修復しとるっちゅう推測《すいそく》は、多分、合っとるやろう。で、それやったら、町の連中からしても、あのG²は敵や。それをわざわざ倒したるんやから、町の連中からしたら、うちらがあのG²と戦う分には渡りに船のはずや。ホンマやったら、せっかくやから町の自警団のG倉庫のFGを強奪とかしたいところやけど、今回は、こっちも向こうも見逃しや。前に、あの町の自警団を襲ったのを差し引いても、町を荒らすG²いう驚異《きょうい》に、町の不甲斐ない自警団の代わりに戦ってやるんや。喜ばれこそすれ、攻撃される事はないやろ。仮に、前の時の恨みが、まだ残っとったとしても、G²に町を襲われてテンヤワンヤの所で、一度負かされたうちらに攻撃してくる余裕があるとも思えんしな。そやから、町ん中に入って、あのG²を探すでッ! 町に入ったら、みんなで出撃やッ‼」
と、ミケさんが、意外に冷静な分析をし、述べる。
ああ、なるほど。確かに、そういう状況なら、自警団も、オイラたちを攻撃しないかもだね。
でも、あの化け物G²と戦うのは、回避不可の模様……。
それだけでも涙がチョチョ切れるんですけど……。
「まっ仕方ないですね。了解しましたよ、姐《あね》さん!」
「リーダーは、言い出したら聞かないし、仕方ないよね。こっちもOKよ。」
「メカニックとしてはムダな損害は極力避けたいのですけどね。まあ、こちらも了解ですよ。」
「ホントは、こんな野良試合なんてほっといて、奴《やっこ》さんに、直ぐにでも合流しなきゃ行けねぇんだが、幸い、あれから奴《やっこ》さんからの催促《さいそく》もねぇし、まあ、うちの姫さんは癇癪《かんしゃく》を起したら聞かねぇからな。仕方ねぇ。リッド、ソルファージュ、アルセカーナに向けて、全速前進だ!」
バーダック艦長が操舵《そうだ》のリッドさんに指示を出す。
「了解です! ソルファージュ、全速前進!」
と、小気味良《こきみよ》く答《こた》えるリッドさん。
全速で死地に向かうソルファージュ。
嫌な予感がするので、ダメ元《もと》で言っとこう。
「あの~……。前の、G²との戦闘で分かると思うんスけど、オイラが出ても……」
と、ミケさんにオイラの無力さを伝えようとするが、ビキビキッ!と音が鳴りそうなキレギレの鋭い目でミケさんが睨みつけてくる。
「……何とかするしかないんスよね……。ああ……あの化け物G²と再戦とか死亡フラグとしか思えない……。」
嘆《なげ》くオイラ……。
てか、これ、何て罰ゲームなのッ⁉
オイラが戦々恐々としていると、
「まあ、あのG²がヤベェ相手なのは分かってっからフォローは入れてやんよ。」
ケビンさんが小声でフォローの声を掛けてくれる。
「今のリーダーは何を言ってもダメだしね。まあ、機体の修理と補給は任せてよ。」
ユリンさんも小声ながら、親指を立て、にこやかに話してくれる。
「フェアタイディゲンの性能はボクらも分かっていますからね。ロクスリー君が撃墜されそうにならないようにできるだけフォローしますよ。」
マカロニさんも、優しい声を掛けてくれる。
「皆さん、感謝っス!」
嬉し涙を浮かべつつ、オイラも出来るだけの笑顔で皆さんに返す。
セリアさんが、これからの指針をミケさんに尋《たず》ねる。
「当然、追い掛けて町に入って、しらみつぶしに町内を探索して、見付けてブッ潰《つぶ》すッ!」
強気に言《い》い放《はな》つミケさん。
「アルセカーナって、一度、私たちが町の自警団のFGを強奪したところだし、私たちが入ったら自警団たちに目の敵にされて攻撃されるんじゃないの?」
ユリンさんが、大丈夫なの?と、言外にミケさんに尋《たず》ねる。
「だよなぁ……。流石《さすが》に雑魚《ざこ》の集まりの自警団たちでも、あのG²を相手にしながら挟撃《きょうげき》されたら最悪じゃないですか、姐《あね》さん?」
ケビンさんも続いてミケさんに聞く。
ちょッ⁉ あんな化け物みたいに強いG²と戦う上に、町の自警団にも襲われるとか、マジ勘弁なんだけどッ⁉
「マカロニが、さっき言った、町のGショップを襲ってパーツを漁って自己修復しとるっちゅう推測《すいそく》は、多分、合っとるやろう。で、それやったら、町の連中からしても、あのG²は敵や。それをわざわざ倒したるんやから、町の連中からしたら、うちらがあのG²と戦う分には渡りに船のはずや。ホンマやったら、せっかくやから町の自警団のG倉庫のFGを強奪とかしたいところやけど、今回は、こっちも向こうも見逃しや。前に、あの町の自警団を襲ったのを差し引いても、町を荒らすG²いう驚異《きょうい》に、町の不甲斐ない自警団の代わりに戦ってやるんや。喜ばれこそすれ、攻撃される事はないやろ。仮に、前の時の恨みが、まだ残っとったとしても、G²に町を襲われてテンヤワンヤの所で、一度負かされたうちらに攻撃してくる余裕があるとも思えんしな。そやから、町ん中に入って、あのG²を探すでッ! 町に入ったら、みんなで出撃やッ‼」
と、ミケさんが、意外に冷静な分析をし、述べる。
ああ、なるほど。確かに、そういう状況なら、自警団も、オイラたちを攻撃しないかもだね。
でも、あの化け物G²と戦うのは、回避不可の模様……。
それだけでも涙がチョチョ切れるんですけど……。
「まっ仕方ないですね。了解しましたよ、姐《あね》さん!」
「リーダーは、言い出したら聞かないし、仕方ないよね。こっちもOKよ。」
「メカニックとしてはムダな損害は極力避けたいのですけどね。まあ、こちらも了解ですよ。」
「ホントは、こんな野良試合なんてほっといて、奴《やっこ》さんに、直ぐにでも合流しなきゃ行けねぇんだが、幸い、あれから奴《やっこ》さんからの催促《さいそく》もねぇし、まあ、うちの姫さんは癇癪《かんしゃく》を起したら聞かねぇからな。仕方ねぇ。リッド、ソルファージュ、アルセカーナに向けて、全速前進だ!」
バーダック艦長が操舵《そうだ》のリッドさんに指示を出す。
「了解です! ソルファージュ、全速前進!」
と、小気味良《こきみよ》く答《こた》えるリッドさん。
全速で死地に向かうソルファージュ。
嫌な予感がするので、ダメ元《もと》で言っとこう。
「あの~……。前の、G²との戦闘で分かると思うんスけど、オイラが出ても……」
と、ミケさんにオイラの無力さを伝えようとするが、ビキビキッ!と音が鳴りそうなキレギレの鋭い目でミケさんが睨みつけてくる。
「……何とかするしかないんスよね……。ああ……あの化け物G²と再戦とか死亡フラグとしか思えない……。」
嘆《なげ》くオイラ……。
てか、これ、何て罰ゲームなのッ⁉
オイラが戦々恐々としていると、
「まあ、あのG²がヤベェ相手なのは分かってっからフォローは入れてやんよ。」
ケビンさんが小声でフォローの声を掛けてくれる。
「今のリーダーは何を言ってもダメだしね。まあ、機体の修理と補給は任せてよ。」
ユリンさんも小声ながら、親指を立て、にこやかに話してくれる。
「フェアタイディゲンの性能はボクらも分かっていますからね。ロクスリー君が撃墜されそうにならないようにできるだけフォローしますよ。」
マカロニさんも、優しい声を掛けてくれる。
「皆さん、感謝っス!」
嬉し涙を浮かべつつ、オイラも出来るだけの笑顔で皆さんに返す。
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