竜とRPGと乙女と

紙縞コウキ

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はじまりはじまり。

早くも秘密兵器投入。

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 皇国が初心者用としているダンジョン前には、人が溢れていた。
「増えてる?」
「騎士見習いも参加するんだよ」
 リンフィスはラグフォードと手を繋いだまま周囲を見回す。
 これまでに体験学習で脱落した筈の令嬢達もいるのは、竜族の番に手出しさせないために敢えて危険な目に遭わせようと考えた竜皇帝以下皇国有志の所為。
 王国からの派兵は第一王子の後押しかな。報告の義務があるから、親が馬鹿な真似しないようにとの牽制か。国の恥は出来るだけ抑えたいものね。
 参加者には漏れ無く防具の着用を厳命している。防具の質は各自にお任せ。
 私兵の同行は3人まで。
 今回の為に特別に傭兵や冒険者達が雇われているようだ。
 ちなみにリンフィスはアラクネ製のドレスアーマーを、ラグフォードも同じくアラクネ製のアーマーコートを羽織っている。護衛は二人。
「いや、どっちかだけでも過剰戦力だろ」
 リュートが半眼で指摘するも、軽鎧のルティーヤーと執事服のアスタロトは笑って何も言わなかった。
 そもそも執事服で参加するなと言いたい。
「ルティ、アスタ。此処は初心者用ダンジョンだってこと忘れないでね?」
「勿論だ」
 うっかりで魔物殲滅、なんてことをやらかしそうで心配だ。

「姫」
「あ、おはよー」
 冒険者の一人が片手を上げて近付いて来る。
 彼もだが、何人かの高ランク冒険者はギルドを通して竜皇帝からある依頼を受ける形となる。
「今回は冒険者達のランク査定も兼ねてるって本当か?」
「仕事をこなしつつ、Dランク以下の指導も頑張ってね!」
 そう。体験学習という名目で欲深かで煩い連中を黙らせること、騎士見習いに魔物討伐の経験をさせること、そして冒険者ギルドの査定と低ランク冒険者の指導。今回は一石二鳥どころかそれ以上の成果を目指している。
「ワガママ貴族のお守りだけでも大変なんだが」
「大丈夫、我が国の秘密兵器投入するから」
 直後、周囲が騒めきだす。
 来たかな?

「勇者様だ!」

 人垣が割れ、壮年の男性が姿を見せる。
 彼はよく似た顔立ちの男を連れ、竜皇帝の下へと向かっていた。

「ああ、確かにアトレ王国の秘密兵器だね」
「タケル・アヤセが動いたのか」
 ラグフォードは納得し、目の前の冒険者は思わず声を上げる。
 勇者が動けばある程度の抑止力にはなる筈だ。何せ英雄、息子も連れて来ているようだ。
 多分、騎士見習いに孫も紛れてる。

 さて、不穏な輩は何処で仕掛けてくるだろうか。
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