話し相手

処方

専用の

助けて助けて助けて～
ハスビノが…グノプスがぁ～！

出張医師
朝7時。一人の女の子が道を走っていた。
「エラシ～！エラシさ～ん！」
「なになに？！どうしたどうした！？あとエラシやめて！塩藍紫だから！せめてエンシとかにして！」
「いいからいいから！グノプスとハスビノが～！」
「わかった！落ち着け！ちょっと待って！」
「うぅ…」
「妖精用の医療キットは…あれか。」
「いって！速すぎた…」
「もう！何してるの～！」
「あぁ…もうわかったから。ほら行くよ！分身！頼んだぞ！」
（かしこまりました。）
…
「はぁ…はぁ…」
「この辺に住んでたんだな。」
「そんなのいいから～！」
「あぁわかってるよ。…」
「頭がズキズキする…」
「これは…普通の妖精によくある、風邪みたいなもんだ。安静にしてたらすぐ治るよ。」
「良かった～…」
「あ…ありがとな…ヂャルナ…先輩…呼んでくれて…」
「ハスビノー！うぅぅぅぅ！」
「泣くなら…えほっ！えほっ！…なんか…食えるもんほしいな…」
「わかった…わかったよ～…だから死なないでくれよ～…」
「死なね～から…落ち着いてな…」
「ゔん…」
「私もついていくよ。無理に動くなよ。2人。」
「「はい…」」
…
「この辺に来てたんだな。」
「20年くらい前だよ～…ひぐっ！」
「ヂャルナの泣き虫は変わらないんだな…」
「だってだって！ここ40年は風邪なんか引かなかった2人なんだよ～！心配にもなるよ～…」
「偉い子だな。」
「もう！私はもう大人の妖精だよ～！」
「今は何してるんだ？」
「農家さんの…お手伝い…」
「あ～…「大妖精農園　みかんの里」か？」
「そう…あの二人は…「大妖精生命管理所植物科　バランティー」で植物の繁栄と進化、絶滅の管理員やってるよ～」
「結構すごいとこ行ってるな～…」
「すごいよ…ほんと…」
「そういや、なんでここに住み始めたんだ？妖界でも良かったろうに。」
「先輩たちのいる土地だからね～…憧れだから。」
「そんな…照れるな。ん？たち？他にもいるのか？」
「知らないの～？アリスさんとシレラさんとアトンさんと…他2人くらいいるよ～。」
「あいつらが…今度遊びに行ってみるか。」
「できた！ありがと～！」
「うん。食べさせよう。妖精に関しては私も即治療は無理だ。ゆっくりさせとくんだぞ。」
「わかってるよ～。」
「…あ…あぁ…飯の匂い…味うすそうだけど…」
「腹減ってやべ～…」
「ほら。くいな。味蕾を刺激する専用の魔法がある。味は濃いめだ。」
「ありがとうございます…」
「じゃ、私はもう帰るよ。この薬は置いておく。寝る前に飲みな。」
「わかり…ました～。」
「ほんとにありがとうだよ～！」
「うん。それじゃ。」