話し相手

糸子(イトコ)

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ままごと

子供の風

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「なにこれ」
「人形屋?なんそれ?」
「さぁ?入ってみよ。」

ロマンの戦い
ふたりの男の子が来店した。
「「「いらっしゃ~い!」」」
入った瞬間は動かなかった人形たちが、扉を閉め切った途端大声の歓迎をしてくれた。
ふたりは扉にもたれかかり、
「「え…」」
とギリギリの声が漏れた。
「いらっしゃい。急にごめんね。こいつら喋るんだ。」
「イェ~イ。」
男の子たちは理解が追いついてないようだった。
「ワン!」
「「あ!…」」
「ワンワン!」
「「…」」
「かわいい。」
「え?」
「理解が追いついてきたようだね。」
「あー…えと…喋る人形店?ってこと?」
「そう。最近は手足が動く人形も作ってる。」
「…ぇぇええまじですか!」
「まじで。」
「早く立て!」
「お…おう…」
犬をかわいいと言った方の子が、店長にすぐ駆け寄り、
「この辺のやつ、動く?」

「いや、今棚にいるのは基本喋るやつだけ。」
そう言って店長は2回手拍子をした。すると、いくつかの人形が棚から降りてきた。
「今降りたのが動くやつ。」
「すげぇ…すげえ、すげえ!」
男の子はすごく興奮していた。
「あ…オーダーメイドできる?」
「ゲームキャラでもね。」
男の子はすぐにまだ腰抜けた方の子に近寄り、
「やべぇよ…ここまじでめっちゃやべぇよ!」
と言っていた。
「お…おう…」
いまだ状況についていけず、それしか言えなかった。
「あっ!いくら?」
「動くタイプは2200円」
「…頑張れば買えるレベル。なんなら今持ってる。あの…人形に指示ってできますか?成長ってします?人形の種類って指定できます?備品って作れます?作れたとしていくら?」
「できる。精神なら成長可能。指定できる。作れるしセットなら無料。」
「このゲームキャラでお願いします。」
「オッケー。君は?」
「え…あ………よし。わかりました。えっと…俺はこれで。」
「わかった。合計で8時間はかかる。その後取りに来て。君たちくらいなら夜は無理だろうから、明日とか。」
「わかった。帰ろう。」
「おう。」

「あの…」
「なに?」
「今日より6人増えてない?」
「…増えてる。」
「やーめーろー!つーつーくーなー!」
「すげぇ…まじで喋ってる…」
「どうなってんのこいつら…」
「これだからガキは嫌いよ!ガキは!」
「んだとババア!」
「あら!だれがババアかしら!」
「「お前だよ。かぶんなよ!」」
「…仲良くなってる…」
「それで、店長さん。例の。」
「はいはい。この子でいい?」
「…お前が…私を作るように命じた者か。」
「は…ぁ…ありが…とう…」
「な!なんだ急に!倒れ込んで拝むみたいに…」
「すげえ!動いてる!」
「な…なんだこいつら!」
「まぁまぁ。仲良くしてあげて。ご主人みたいなものなんだから。」
「ご主人…か…どいつが?」
「この拝んでる子。」
「こいつが…」
「…ぁぁ…ごめんね。少し興奮しちゃって…」
「だ…大丈夫なのか?私。」
「多分。」
「俺も!俺もこれ作って!」
「2200円からだよ。」
「じゃあ俺も!」
「6人分作るなら2日かけるから、2日後取りに来てね。」
「「「「「「わかった!」」」」」」
「そういや俺が頼んだのは?」
「ああ。それならもう君のカバンの中だ。」
「え!」
「ハーロー!」
「(マンチカン(とあるゲーム、ネコズのキャラクターの1人)が…ここに…)」
「声に出てない~に~…」
「(喋り方も…そのままだ…)」
「だから出てない~に~!」
「かわいい…」
「!て…照れる~…」
「…」
「黒蜜が倒れた!」
「僕が裏に持って行っとくよ。」
「こ…こいつどうした~に~?」
「そんしだよ。」
「そんし?」
「知らなくていいよ。」
「気になる~に~!」
「すげぇだろ!ここ!すげぇだろ!」
「「「「「「やべぇな」」」」」」
「こいつら俺達よりうるさくね?」
「あの歌の先生に教えてやりてーよ。」
「歌の?」
「名前なんだっけ?」
「知らん。結構綺麗だったのは覚えてる。」
「多分それうちの音楽教師だ。最近いい人形を買ったとか言ってたし。」
「…世間って、狭いな。」
「他のやつに教えてやるか。」
「ちょっときついな。」
「いいじゃん!」
「まぁその分払ってくれるならね。」
「そのれその時のやつ次第だな。」
「前払いだから。」
「そうなの?」
「うん。」
「まぁとりあえずわかった。君たち6人分は2日後に取りに来て。作っとく。」
「「「「「「は~い。」」」」」」
「はぁ~残業だな。」
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