暗愚う家で逝く

好奇心からの恐怖心

真実ー２

　突然、コッコッ!と、窓から音が聞こえたことに気がついた。
「おい!何してる!?そこで。大丈夫か？全員、生きているか?他に、誰もいないか?」
それは、遊園地の従業員だった。
「助かった。助けてくれ!!」
「死体があった。警察を呼んでくれ」
「どうにかして、ここから出してくれ。」
「お願い。助けてくれ。」
みんな、バラバラに助けを求めていた。恐い思いをした為、ここからいち早く逃げたかった。
「分かった。少し待っててくれ。おい!誰か、園長呼んでくれ。早く!!お前たちは、部屋の奥には行くな。窓近くに居ろよ。」
スタッフがたくさん、集まってきた。しかし、その家に近づく人は一人もいなかった。
　どうやら、何かすぐに助けられない理由があるのだろうか。無いなら、窓を割ったりして助けてくれるのに。思っていた対応とは違っていた為、四人は少し不安になっていた。
「大丈夫かな?僕たち、無事に帰れるのかな？」
「大丈夫だと思うよ。みんな、助けてくれると思う。でも、なんか事情があるみたい。」
　スタッフが家の周りで待っている間に、親に連絡を取ろうとした。しかし、何度やっても、かからない。ましてや、なんか気味の悪い音声が、さっきメールが来た同じ人から送られてくる。みんなだ。四通とも、聞き取れない歳のとっている男の声だ。
　突然、外が騒がしくなった。園長らしいおじいさんが、二人の若い僧を連れて、来ていた。
「大変だ。これは、だめだ。おい、君たち!中から、開けられるか?」
おじいさんは、車椅子に乗っていた。
「いいえ。全くです。窓もドアも開きません。助けてください。」
北くんは、代表して言った。だいぶ、落ち着いていた。
「すまんが、そっちから開かなければ、こちらからも開けられない。なにせ、これは入ってはならない建物なんだ。特に、子供。これは、まずいことになった。おい!みんなは、この家から、離れていろ。」
すると、二人の僧を除くスタッフみんな離れていった。
「どうして、入ってはいけないんですか?」
北くんは、ソワソワし始めた。
「それは、昔に戻る話だ。ここには、我が一族が住み続けていた。」
窓越しで、みんな静かに聞き始めた。
「園長!早くしないと、手遅れになってしまいます。子供達も、危険です。」
「分かった。手短に話そう。」
日はまだ上がっているが、雨雲が近づいてきた。