暗愚う家で逝く

昔懐かし怖いハナシ

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現れる魂

3節

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「もう嫌だ!!」
音を上げたのは、北君だった。そう言って、出口の方へ駆け出していった。もちろん、二人は置いて…
「待て、話聞いてなかったか?一人は危ない」
二人は、彼を追いかけた。
 そして、家に入って来たドアの側まで来た。もちろん、ドアは開かない。ドアを開ければ、すぐ外なのに出られない。
「なんだよ一体!あれ見たか?人間技じゃないぜ。俺たちは、南風みたいに殺されるんだ。もう、無理だよ。」
座り込んだ。
「さっきの意気込みはどこ行ったんだよ!みんな、同じ気持ちなんだ。冷静になれよ。」
東君は、北君の肩を掴みながら言った。
「そうだよ!ここからじゃ出られない。どうしても、封印しなければならない。だから、諦められないんだ。」
南風君は、立ちながら、少し低めに言った。
「俺はあの時、お前に早く封印しろと言ったよな。でも、それでもあの人形はあいつを離さなかった。だから、あいつは死んだ。そう、俺のせいで。」
北君は、下を向きながら喋っていた。二人も黙っていた。
「でもさ、ここからじゃ出られないじゃない?だったら、もう一度立ち向かうんだ。あの見えないクソどもに。もう今度は、一人であんな無茶はさせない。三人一緒だと怖くない。」
怒りあらわに、東君は言った。
「分かったよ。」
北君は、立ち上がった。しかし、顔は下を向いたまま。もしかしたら、二人に泣き顔を見られたくなかったかもしれない。
~~
「一回、このドア開けてみない?」
西野君は、こう言った。そうして、どこから持ってきたのか、入って来たドア目がけて、木の椅子を投げつけた。
「おい!西野どこ行ったんだよ。返事しろ。」
一瞬の事だった。椅子の足がドアに触れる時に、椅子にひびが入り、粉々になった。周りは、木の破片が散らばっていた。
 しかし、それに気を取られて、西野君は消えた。明るい光が西野君を消した。
「みんな、来てくれ。早く!」
「おいおい、どこに居るんだ。」
北君は、声のする方へ視線を動かした。
「さっきの、大広間だよ。早く!」
彼は、さっきと違って冷静だった。
急いで二人は向かった

「どうして、すぐに移動したんだ?」
「分からない。眩しい光が現れてすぐに、目を閉じたんだ。でも、居たのは大広間だった。瞬間移動ってやつか?」
不思議だな。それより…
「これは、南風君じゃないのか?」
 例の鉄の頭を持つ人形に、頭を挟まれている男の子。そう、服装からして、南風君だった。しかし、指一つ動いてなかった。
「気絶しているのかな?でも、生きてて良かった~。どこも体のパーツ、奪われてないじゃん。」
西野君は、ホッとした。二人も、良かったと思った。
 西野君の周りを囲んで、彼が起きるのを何分か待った。彼を一人に出来なかった。そして、待てなくなった東君は、肩をたたいてみた。
「おい、大丈夫か?そろそろ、」
三人は驚いた。
 肩をたたいた衝撃で、体全体が動いた。しかし、彼の胴体には、頭いや、顔が無かった。まるで、人形に首ごと引きちぎられたようだった。
「!!」
空気がガラッと、重くなった。そして、血の生臭さが、ほんのり漂ってきた。その場で、誰も指一つ動かせなかった。恐怖で…
 人形の頭にある歯には、血はそんなに付いてなかった。だから、多分引きちぎられたわけではなさそうだ。
 この短い間に彼の身体に何が起こったのだろうか?頭だけ、消えたのだろうか。

 それ以上、彼の身体を見る人はいなかった。そして、その人形も。
 大広間の何処か隅には、今でも誰のか分からない骨が横たわっている。その上には、ジャケットが被せてあるそうだ。
 しかし例の人形は、その後どこに消えたのか知らない。誰も、そこから動かしていないのに。
 
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