ユメモのガタリ

昔懐かし怖いハナシ

文字の大きさ
4 / 9
夢に出てきたバク

なのか?

しおりを挟む
 その夜。夜九時半、つまり風呂に入った後、源気のスマホには非通知着信がきていた。
「もしもし。」
源気は、上半身裸だった。だから、部屋へ戻りながら、電話に出た。
「あの、奏斗の母ですが…」
あどうも、と源気は謙虚に話した。なにせ、初めて話すため、少し緊張していた。
「奏斗がまだ帰ってないんです。なにか、知りませんか?」
奏斗が?
「いや、今日は普通に帰ったと思いますけど。確か、転校生と一緒だったと思います。」
「転校生?」
母は、漠の事は知らなかったそうだった。
「中学生の時から、恋人だったらしいですけど。」
「…漠。すみません。学校の事を、あの子は話さないものですから。
 でも、おかしいですね。そんな子は、居なかったと思いますけど。
 卒業アルバムにも…見当たりませんね」
そうですか、とだけ答えた。
 もし、奏斗から、知らせが来たら教えて下さいとだけ、伝えられて電話を切った。

「もしかしたら、せいまや蓮斗にも連絡来ているかもしれない。」
 メールアプリを開き、話し合った。しかし、誰も奏斗の事は知らなかったし、何も分からなかった。


~次の日
 今日は、久しぶりの雨。ここ最近、雨など降らなかったので、雨傘は久しぶりだった。
「君たち、ちょっと来なさい。」
先生に言われて、クラスに一番近い会議室に連れてこられた、三人。
 多分、奏斗の事だろう。彼は、今日は来ていない。どこに行ったのだろう。
「奏斗の事なんだけど、多分昨日お母さんから聞かれたと思う。
 詳しく、話してくれ。昨日の出来事。」
代表して、せいまが話した。
 漠と奏斗は恋人同士だったこと。その後には、二人は正門で待ち合わせをした事。漠は奏斗が中学生の頃に、何故か居なかった事。
「そんな事があったのか。でも、小山が中学校にいなかったのは、不思議だな。奏斗は、中学生の頃に会っていたと言ったのに。」
 その後、先生に言われ、クラスに戻った。
 何も進展はしなかった。
 ただ、先生に話すこと忘れた事が一つ。
「せいま。なんで昨日、漠の家が無かったこと、言わなかったのか?」
蓮斗は、帰り際に行った。廊下には、沢山の生徒が通っていた。三人だけは、明らかに暗い雰囲気だった。
「それを言ったら、絶対にややこしくなる。それは、言わなくても…」
その時、漠も先生に呼び出されたらしい、廊下ですれ違った。
 蓮斗は、彼女を睨んだ。しかし、彼女は蓮斗達を見て笑っていた。他人事のように。

その日は、漠には話せなかった。家が無かったことを。どこに住んでいるのか、諸々の質問。彼女には、“人”とは違うなにかを感じた。
 ただ、
 「先生。昨日の住所は合ってますよね。」
「あぁ。あっているはず。登録された、住所通りに教えたからね。
 あれ?持っていってくれたよね?」
個人情報の事は気にする余裕はなかった。
「大丈夫ですよ。」
源気は、笑顔を作って見せた。


 三人は、困った。漠は、何者なのか?悪いけど、奏斗の心配よりも、漠の存在が気になっていた。
「おい、どうする?」 
「どうしようにも、ないだろ。警察に頼んで、見つけてもらおう。」
「信用、出来ない。」
その考えは、満場一致だった。今回は、どうしても警察では頼りない気がする。

「おいおい。この街で、殺人事件が複数起きている事、知っているか?」
「朝、ニュースでみたよ。不思議だよね。だって、全員殺人の事を、覚えてないんだから。
 なんかみんな、夢の中の女に騙されたって言っているんだって。」
「夢と現実をわきまえてほしいよな。怖いな。」
 そんな会話が、クラスで聞こえてきた。三人は、ハッとした。もしかしたらそれも、漠が関わっているのではないか。
「夢の中の、漠。」
せいまは、ぼそっと言った。
「やっぱり、あの夢だよ。夢の中の漠。なにか関係があるかもしれない。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

きさらぎ駅

水野華奈
ホラー
親友から電話があった。 きさらぎ駅という場所にいるらしい… 日常の中の小さな恐怖が今始まる。 触れてしまったが最後。 二度と戻れない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

処理中です...