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2第目、生活

8章 危機

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 ラッシュが、敵と交戦中、グルンは。明らかに雰囲気が重苦しくなっていた。集団から、遅れて来たのだろうか、ゆっくり歩いて来ている。
 グルンは、石の壁を敵の前に出した。すごく厚く、大きい。しかし、それは敵の赤い光線によって崩れさる。これは、危険な相手だ。
 敵の足が止まった。両手を前に出した。すると、その手から四方八方に赤い光線が発した。周りの木が、赤く燃え始め、めちゃくちゃになっていた。グルンは、その光線を避けつつ、後退していた。羅針は、いつの間にかローカルにおんぶされて逃げていた。
「危ないから、離れるよ。」
「ラッシュは、どうするんだよ。あの先生も大丈夫なのか?」
すごく心配だった。相手の雰囲気がいつもよりも違ったからだ。
「安心して。簡単にやられるような鍛え方は私達はしていない。」
ローカルは、すごい速さで逃げてきたようだった。もう、あんな遠くに煙が見えている。遠くからでも、戦闘の激しさがわかる。


~ラッシュの所では~
 敵が、例の鉄の塊を地面に投げつけた。すると、勢いよくその中から、毒の霧が溢れ出てきた。敵は、すぐに口元に何かつけた。ガスマスクらしきものだった。
 ラッシュは、すぐに空気の塊を自身の体を覆った。そして、風をおこして霧を晴らそうとした。
 しかし、敵は余裕だった。どこからともなくラッシュめがけて、鉄の塊を飛ばしてきた。それは、太長く先に穴が空いていた。それが、五つ、背後左右から飛ばしてきた。なので、避けきる暇がなかった。
 ラッシュは、とっさに、壁を作った。決して大きくないが、一つの鉄の塊に正方形の壁を作った。だから、全部で五つ作った。
「だろうね!!そうなると、予想はついていたよ。」
高笑いしている敵は、ラッシュを怒らせた。
「馬鹿にするなよ。」
敵の後ろに人影が一つ。それは、ラッシュが作った、空気人間。しっかり厚みも形も人と同じ。ただ、顔がないだけだった。それは、敵の腰ら辺を捉え、思いっきり吹き飛ばした。
 ラッシュは、笑いかけた。さっきまで余裕だった人が、簡単に倒す事が出来たなんて。しかし、敵も負けられまいと立ち上がった。体力はあまりなさそうだった。
「調子乗るなよ。」
服の胸ポケットあたりを押した。すると、さっきの鉄の塊の穴から毒ガスの塊が飛んできた。なにせ、それは空気の壁にめり込んでいたままであった為、穴はラッシュに向けられていたままであった。
「く!!」
ラッシュは、悔しそうに舌打ちをした。毒の全てが、体を覆っている空気膜を打ち破り、ラッシュを毒ガスが覆った。
 ラッシュは、倒れた。もちろん、毒霧はまだ、漂っていた為、このままでは、命が危ない。でも、近くには、誰もいない。グルンは、交戦中だ。
 その敵は、近くに仲間を忍ばせておいたようだった。
「よし!帰るぞ。」
十人ほど武器を持っていた仲間を呼び、すうと、消えていった。仲間も姿を消した。
 静寂な森の中であった。

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