レッド・ティーチ

昔懐かし怖いハナシ

文字の大きさ
32 / 37
2第目、生活

星たち

しおりを挟む
 しばらく空を見つめていた。
「ここに座ったら?」
ラッシュはいつの間にか無地のシートを敷いていた。
「ありがとう。」
その上に腰掛け、上を再び見た。ラッシュは横でお菓子を取り出していた。
「これも食べなさい。他の先生が作ってくれたんだ。」
「うん。いただきます。」
それを口の中に入れる。優しい甘みが全身を駆け巡った。
「これ美味しい。」
羅針の世界とは全く違う甘さだった。この味は、すごく好きだった。

「ここに私の星、あるかな…。」
空を見て羅針はそう呟いた。
「あるよ。届きそうなくらい近くに。」
ラッシュはそう答えてくれた。
 羅針は、少し悲しくなった。涙が溢れ落ちそうだった。それを横目で見たラッシュは何も言わず、シートの上に仰向けで寝た。羅針は、そのまま上を見ていた。

「そろそろ行こうか。」
ラッシュは、そうきりだした。羅針は、
「うん。」
そう答えた。
「そうか。」
ラッシュは一人で片付けを始め、羅針は空をまだ眺めていた。
 目をこすり、羅針はラッシュを見た。
「帰ろう。」
「もういいのか?」
「十分。希望が見えたんだ。」
「それは良かった。」
ラッシュは微笑み、手を差し伸べた。羅針は、強く握った。
「走るよ。」
来た道をラッシュ達はまた、走り下った。
 一つの明かりが山を駆け下りるのが、街から見えた。それを、街で酔って座っていたローカルが見ていた。
「帰りたい?自分の星に。」
ラッシュはふとそう聞いた。
「うん…。」
「…。僕も助けるから、安心して。」
優しい言葉だった。その時羅針は、不思議とラッシュが親に見えた。

 気がつくと、自分のベッドで寝ていた。疲れていて、すぐに寝ていたのだった。空はまだ暗く、星が小さく瞬いていた。
 もう一度寝ることにした。その時、自分の部屋のある二階から物音が聞こえた。
 しかし、とても眠たかった為、意識がとんでしまっていた。

「ラッシュ。」
一階で寝ていたラッシュは、家に来たローカルに起こされた。
「全然学校に来ないから来た。それにしても、この有様は?」
ベッドから起き上がると、物が散乱していた。
「分からない。頭が…クラクラする。」
毒なのか?
「あれ?羅針は?」
「二階にいないのか?」
「さっき、一応探したけど誰もいない。窓が割れていた。」
「本当に?まさか、アイツラに?」
「それは大変だ。今すぐ、校長先生に。」
それから二人は、急いで学校へと向かった。

「…。それは大変だ。」
校長室には花が置いてあり、紅く咲いていた。
「でもなぜ、羅針が?」
「分からない。それに、今までの生徒と同様に助けることは難しい。」
校長先生は、頭を抱えこんでいた。
「私が行きます。」
ラッシュは、一人校長室を飛び出して行った。校長先生が止める暇もなく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

処理中です...