レッド・ティーチ

昔懐かし怖いハナシ

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2第目、生活

今夜

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 ラッシュは背中に大きなカバンを背負い、手にランタンを持っていた。中の火がゆらゆらと左右に揺れていた。
「さあ行くか。」
「うん。」
羅針は家を出た。外は、賑やかだった。学校にいた、先生達が歩いていたり、店に入っていったりとそれぞれ夜を楽しんでいた。
「お、ラッシュどこへ出かける?」
ローカルが木のグラスを持って現れた。
「また飲んでいるのか?発酵酒もほどほどにしなさいって。」
「酔ってない。それより…。」
そう一点張りだったが、
「あの山さ。」
そうラッシュは言うと、納得した様だった。
「羅針、あそこは良い。特にこんな夜にはね。まぁ、楽しんで。」
そう言うと、多少壁伝いに歩いて行った。空を見ると、街の灯りで空は暗闇になっていた。
「じゃあ行くか。僕の手を握っていて。」
「え?」
羅針は不安に思ったが、いいからと促され、手を握った。
「行くよ。」
そう掛け声と共に、ラッシュは走り出した。羅針も足を動かしついて行った。
 これが不思議だった。
 二人の周りの風景は、すごいスピードで前から後ろへと流れていく。羅針はそんなスピードについていけていたのだった。
「なぜ、こんなに早く走れるの?」
前を走るラッシュにそう聞いた。そんな間でも、ラッシュはランタンを持つ手を前に差し出し、人と建物を避けていた。街の灯りは段々と薄れゆく。
「僕の力さ。」
その言葉は、今の羅針にとって理解し難い言葉では無くなっていた。
 人工物を抜け、森へと入って行った。小道、草原を走り抜け、いつの間にか坂を走っていた。景色は高速バスに乗っているみたいに移れゆく。
 すると、山の頂上に来ていた。山というより、丘だった。木は生えておらず芝生だけが爽やかな風になびいていた。
 その時、羅針は全く疲れていなかった。
「ここだよ。来たかったのは。」
何もない場所に一つ、石が建ててあった。そこらへんにある石と変わらなかった。
「ここは、僕の妻の墓だよ。」
「え?結婚していたの?」
羅針はすごく驚いた。独身だと思っていたのに…。少しがっかりした。
「結婚とは?」
「あ、そういう風習ないのか。好きな人と一生を共にすること。それを始める為に行うのが、結婚式。」
「なるほど。」
こんな人に、愛する人が居たのはまだ信じられない。
「この人は、子供を守るために死んだ。悔いはなかった。そういう所に惚れたんだからね。」
「先生だったの?」
「そう。川で、生き物に襲われそうな子供を助けて…。
 不思議な能力を持ってて、移動する力だった。」
「ワープみたいな?」
「そう。一瞬で移動出来る。」
「いい人だったみたいだね。」
ラッシュはコクリとうなずいた。すると、カバンから一つグラスを取り出し、水を入れた。
 その時、温かい風がその場を取り巻いた。おそらくラッシュが無意識に起こしたのだろう。
 しばらく無音が続いた。葉が揺れる音だけ。
「これを見せたかったんじゃないんだ。空みてみて。」
羅針は下から上に視点を変えた。
「わぁ。なにこれ。」
宇宙は広かった。いろんな大きさの星、いろんな色の星。それが集まり、寂しい空を彩っていた。それに圧倒され感動を隠せなかった。街で見るものより、ずっと綺麗に光っていた。


   
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