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キッカケ
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ある街はずれの古びたアパートに、一人の大学生の女の子が荷物を持って入っていた。
そのアパートの近くは山で、人通りは少なく、安かった。
段ボールが積み上げられた玄関は狭く感じられ、シンプルな部屋に女の子はカラフルな服を掛けていく。そして写真も置き、殺風景だった部屋が段ボールを片付けていくうちに女の子らしい部屋へと変わっていった。隅にポツンと置いてあった木の板は、邪魔らしく四つとも押し入れの中へとしまい込んだ。
すると、ふと廊下の方を見た。何か視線を感じるらしかった。笑い声も少し聴こえてくる。だが、その部屋には誰もいるはずがない。声は近くからだろう。そう不気味に感じるのは、壁が赤いからだろう。
そう女の子は思った。
がちゃ…リ。
廊下の奥にある玄関のドアが、開いた。笑顔だった女の子の顔は真っ青になり、やがて見なくなった。いろんな笑い声がその部屋にだけ、響いていた。
大学生になりたて、シュウがアパートに住み始めた。街から遠いが、静かな場所だった。山は近く、人通りは少ないが近所の人は優しい。
シュウは片付けをしていた。
「手伝いに来てやったぞ。」
そういい、玄関のドアを勝手に開ける山都。シュウが呼んだのだった。
「ありがとう。」
部屋に入ってくるなり、袋に入ったお菓子を机に置いた。
「あれ?この壁。」
山都はあることに気がついた。一枚の壁だけが、赤かったのだった。
「赤いでしょ。不気味なんだ。でも、安いから文句言えないし。」
「それにここの横の部屋、この壁の向こうの部屋よ。最近、失踪した部屋らしいよ。」
「え?マジで。」
シュウはその事を知らなかった。
「なにかあるんじゃね?」
山都は、そうからかった。シュウは少し気になったが、手を動かすことに気を取られた。
「ここが、シュウ君の部屋かぁ。」
もうひとり、玄関から勝手に入ってきた人がいた。
「なんで引越し先知ってるの?」
その人は、シュウの友達。レモンだった。
「俺が教えた。」
「やめてよ。」
山都は笑い、レモンと話し始めた。
「…手伝わないのかよ。」
シュウはボソッと呟いた。
「あれ、レモンは旅行でも行くの?玄関に大きなスーツケーツ置いてるけど。」
「まぁそんなとこ。それより、私も手伝うよ。」
するとレモンは、持ってきた手袋をはめた。
「準備がいいね。じゃあ、ここの棚を…。」
シュウはレモンと二人で配置を変えていった。山都は、ずっと段ボールの中をいじっていたが。
やがて夕方になり、三人で夜飯を食べに行くことになった。
「ねぇ、これ見て。」
シュウはポケットの中から、小さな木の板を二個取り出した。
「棚のそばに置いてあったんだけど。」
「何これ?わからないな。前の人の忘れ物とか。」
「捨てれば?」
シュウは、レモンの言葉を信じ、近くのゴミ捨て場に捨てた。
それから、長い夜は始まった。
そのアパートの近くは山で、人通りは少なく、安かった。
段ボールが積み上げられた玄関は狭く感じられ、シンプルな部屋に女の子はカラフルな服を掛けていく。そして写真も置き、殺風景だった部屋が段ボールを片付けていくうちに女の子らしい部屋へと変わっていった。隅にポツンと置いてあった木の板は、邪魔らしく四つとも押し入れの中へとしまい込んだ。
すると、ふと廊下の方を見た。何か視線を感じるらしかった。笑い声も少し聴こえてくる。だが、その部屋には誰もいるはずがない。声は近くからだろう。そう不気味に感じるのは、壁が赤いからだろう。
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「ありがとう。」
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「赤いでしょ。不気味なんだ。でも、安いから文句言えないし。」
「それにここの横の部屋、この壁の向こうの部屋よ。最近、失踪した部屋らしいよ。」
「え?マジで。」
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山都は、そうからかった。シュウは少し気になったが、手を動かすことに気を取られた。
「ここが、シュウ君の部屋かぁ。」
もうひとり、玄関から勝手に入ってきた人がいた。
「なんで引越し先知ってるの?」
その人は、シュウの友達。レモンだった。
「俺が教えた。」
「やめてよ。」
山都は笑い、レモンと話し始めた。
「…手伝わないのかよ。」
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「あれ、レモンは旅行でも行くの?玄関に大きなスーツケーツ置いてるけど。」
「まぁそんなとこ。それより、私も手伝うよ。」
するとレモンは、持ってきた手袋をはめた。
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