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次の日
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次の日シュウは、山都と二人でアパートへと戻った。
恐る恐る、ドアを開けるとそこは悲惨な状況だった。
鏡は割れ、そのヒビの間から黒い汁が出ていた。タンスの戸は開けられ、中身が飛び出していた。窓は、開いていた。カーテンは引きちぎられていた。
「強盗じゃないよな?」
山都は聞いた。
「そんなことはない。鍵だってかけておいた。盗まれたものはない。」
「やっぱりこの壁が原因なのか。」
札板を見た。それは、赤黒くなっていた。
「あのお坊さんに見てもらわないと。助けてもらわなきゃ、俺達は何もできない。」
二人は、近くの寺へと行った。
「御札の効果はない?そんなはずはないと思う。」
お坊さんは、否定した。
「今まで、そんなことは一度もない。効果がないはずはない。もっと他に原因があるはず。」
すると、その時お坊さんの電話が鳴った。スマホを片手に立ち上がり、部屋の外で応答をしていた。
「…。何?まさか。」
急いで部屋へと戻ってきて、二人には一緒に来るよう言われた。
三人が向かったのはシュウの住んでいるアパートだった。しかし、何か違った。大家さんと救急車が来ていたのだった。
「お坊さん。実は、変死体で入居者が発見されたんです。目から、黒いものが…。」
どうやら、一階に住んでいた(シュウの真下の部屋)男の人が死んでいたらしいかった。
「分かりました。調べてみます。」
「あの、壁ですか?」
「いえ。心配しないでください。」
大家さんの不安をなだめ、シュウはお坊さんと一緒に部屋へと向かった。
部屋はあの散らかったままだ。壁へと向かうと、お坊さんは手に御札を持ち、お経をよんだ。そして、釘で壁に打ち付けたのだった。そうすることで、二度とはずれないよう、誰も被害が及ばないようにすることができる。
すると、隣の部屋から物音がした。ラジオの音だった。なぜあるのか分からないが。また、その後笑い声が聴こえてきた。
「御札は打ち付けたはずなのに。神様が、隣の部屋にいらっしゃるのか。ちょっと見てこよう。」
お坊さんは、すぐさま隣の部屋へとかけつけた。シュウは、その後を追った。
玄関の扉を開けると、そこは女の子らしい部屋だった。あの失踪した時の部屋のままであった。
「実はここにも、札は置いてあるんだ。両方から封印しなければ意味ないから。でも、誰もこの部屋には入ってないはずなのに、どうして…」
壁の近くに台座があり、その上に大切そうに御札が置いてあったはずだった。だが今は、畳の上に散乱していた。
「この部屋に住んでいた女の子が失踪した理由って、本当に壁のせいですか?」
シュウはなんとなくそう聞いた。
「異変が起こるのは封印が外されてから、数日なんだ。でも、女の子は引っ越したその日に失踪したらしい。御札もその日に外されたから、壁のせいではないと思う。
でももしかしたら、ずっと封印され続けていたから、外した直後から異変が起こるようになっているかもしれない。」
そう言い、札を台座の上に戻そうとした時だった。
急に壁から、骨張った手が数本出てきたのだった。その手は、お坊さんの服や首を掴み、力強く引きずりこもうとした。
「ギャァァァ。」
悲鳴と共に、あっという間に引きずられてしまった。シュウは足がすくみ、壁を見つめていた。
「オイデ。オいデ。オイ出。」
何人もの低い声が部屋の中に響いた。
すると、黒いくねくねした細長いものが壁からヌルっと現れたかと思うと、その体からあの手が出てきたのだった。
シュウは立てなかった。這いつくばりながら、また目をそれから離さず、ゆっくりと下がった。
しかし、二人の間は縮まる一方だった。ついに、シュウは玄関まで辿り着き、ドアノブに手をかけたその時だった。
黒い影は勢いよくくねくねしたかと思うと、スピードを上げてこちらへ来たのだった。もうダメだった。驚きで、力が入らなかったのだ。
と、その時。
ドアは何故か勢いよく開き、そのままシュウの身体は外へと出ていた。そして、扉はバタンと強く閉まった。
暫く、シュウは立てなかった。外にいた山都の耳には、笑い声が残っていた。
恐る恐る、ドアを開けるとそこは悲惨な状況だった。
鏡は割れ、そのヒビの間から黒い汁が出ていた。タンスの戸は開けられ、中身が飛び出していた。窓は、開いていた。カーテンは引きちぎられていた。
「強盗じゃないよな?」
山都は聞いた。
「そんなことはない。鍵だってかけておいた。盗まれたものはない。」
「やっぱりこの壁が原因なのか。」
札板を見た。それは、赤黒くなっていた。
「あのお坊さんに見てもらわないと。助けてもらわなきゃ、俺達は何もできない。」
二人は、近くの寺へと行った。
「御札の効果はない?そんなはずはないと思う。」
お坊さんは、否定した。
「今まで、そんなことは一度もない。効果がないはずはない。もっと他に原因があるはず。」
すると、その時お坊さんの電話が鳴った。スマホを片手に立ち上がり、部屋の外で応答をしていた。
「…。何?まさか。」
急いで部屋へと戻ってきて、二人には一緒に来るよう言われた。
三人が向かったのはシュウの住んでいるアパートだった。しかし、何か違った。大家さんと救急車が来ていたのだった。
「お坊さん。実は、変死体で入居者が発見されたんです。目から、黒いものが…。」
どうやら、一階に住んでいた(シュウの真下の部屋)男の人が死んでいたらしいかった。
「分かりました。調べてみます。」
「あの、壁ですか?」
「いえ。心配しないでください。」
大家さんの不安をなだめ、シュウはお坊さんと一緒に部屋へと向かった。
部屋はあの散らかったままだ。壁へと向かうと、お坊さんは手に御札を持ち、お経をよんだ。そして、釘で壁に打ち付けたのだった。そうすることで、二度とはずれないよう、誰も被害が及ばないようにすることができる。
すると、隣の部屋から物音がした。ラジオの音だった。なぜあるのか分からないが。また、その後笑い声が聴こえてきた。
「御札は打ち付けたはずなのに。神様が、隣の部屋にいらっしゃるのか。ちょっと見てこよう。」
お坊さんは、すぐさま隣の部屋へとかけつけた。シュウは、その後を追った。
玄関の扉を開けると、そこは女の子らしい部屋だった。あの失踪した時の部屋のままであった。
「実はここにも、札は置いてあるんだ。両方から封印しなければ意味ないから。でも、誰もこの部屋には入ってないはずなのに、どうして…」
壁の近くに台座があり、その上に大切そうに御札が置いてあったはずだった。だが今は、畳の上に散乱していた。
「この部屋に住んでいた女の子が失踪した理由って、本当に壁のせいですか?」
シュウはなんとなくそう聞いた。
「異変が起こるのは封印が外されてから、数日なんだ。でも、女の子は引っ越したその日に失踪したらしい。御札もその日に外されたから、壁のせいではないと思う。
でももしかしたら、ずっと封印され続けていたから、外した直後から異変が起こるようになっているかもしれない。」
そう言い、札を台座の上に戻そうとした時だった。
急に壁から、骨張った手が数本出てきたのだった。その手は、お坊さんの服や首を掴み、力強く引きずりこもうとした。
「ギャァァァ。」
悲鳴と共に、あっという間に引きずられてしまった。シュウは足がすくみ、壁を見つめていた。
「オイデ。オいデ。オイ出。」
何人もの低い声が部屋の中に響いた。
すると、黒いくねくねした細長いものが壁からヌルっと現れたかと思うと、その体からあの手が出てきたのだった。
シュウは立てなかった。這いつくばりながら、また目をそれから離さず、ゆっくりと下がった。
しかし、二人の間は縮まる一方だった。ついに、シュウは玄関まで辿り着き、ドアノブに手をかけたその時だった。
黒い影は勢いよくくねくねしたかと思うと、スピードを上げてこちらへ来たのだった。もうダメだった。驚きで、力が入らなかったのだ。
と、その時。
ドアは何故か勢いよく開き、そのままシュウの身体は外へと出ていた。そして、扉はバタンと強く閉まった。
暫く、シュウは立てなかった。外にいた山都の耳には、笑い声が残っていた。
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