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その後。
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「大丈夫か。どうしたんだ?」
下から見ていた山都は、二階の廊下で動けなくなっていたシュウにそう聞いた。
「実は…。」
起こったことを伝えようとしたその時、ドアの向こうから悲鳴が聴こえてきたのだった。
「タス、ケテ。タスケテ。アツイ…。モエルヨ。」
何人もの悲痛な叫びだった。
ドアの隙間から、焦げるような臭いがした。決していいものではなかった。
シュウはドアを開けることが出来なかったが、その向こうであの影が燃えているのだと思った。
しばらく経った時、消防車のサイレンが近づいてきた。誰かが連絡したのだろう。シュウはその後何も覚えていない。
レストランで、山都とシュウは会った。シュウは少し疲れていたようだった。
「シュウ大丈夫か?」
不思議で不気味な事は、あの部屋に住んでいた時以来起こってない。
「今は、別の所に引っ越した。お坊さんは、まだ見つかってない。隣の部屋の子のように。
何故か、ぼくの部屋には火はまわって来なかった。あの部屋だけだったんだ。火の原因は分かってない。」
「でも、お前はわかっているんだろう?」
「…うん。あの壁だよ。あの事件以降、赤い壁は燃え尽きたらしい。」
「良かったな。もう二度と被害者がいなくなって。」
「そう…だね。」
「黒い影も、もうこの世に来ないだろう。」
「あぁ。神様もだけど。あの人が助けてくれたんだ。今度、神社行かないとな。」
「そうだったんだ。一緒今度に行こうか。
とりあえず、今日は楽しもうや。また、引っ越した部屋行っていいか?何か買ってきてやるよ。」
「今日は一人にしてほしい。」
「そうか、分かった。
にしても、またレモンは旅行にでも行ってんのかね。最近見ないけど。」
その後の山都の面白い話で、シュウは少し明るくなった。本当に良い友達だと思った。
しかし、夜まで街で遊んだ二人は、すっかりいつもの元気を取り戻した。
「じゃあね。」
二人は電灯一つしかない暗い道で別れた。今度の部屋は少し小さく家賃は高いが、前の部屋よりかは良かった。
シュウの部屋は、まだ散らかっていた。片付けはまだまだだった。
すると、ガチャリとドアの扉は開いた。
「コンバンワ。」
レモンだった。あの大きなスーツケースを持っていた。
「よくぼくの部屋知ってるね。
旅行の帰り?」
「山都に教えてもらったんだ。旅行のお土産渡そうと思ってね。
また、引っ越したんだ。山都から大体のことは聞いたよ。大変だったね。」
「まあね。これでやっと、落ち着いて暮らせるよ。」
レモンは、近くにあった置物を触ったり見ていた。
「ねぇ。シュウ?」
「何?」
「隣の部屋に住んでいた女の子、西宮って名前なんだって。」
「西宮?同じ高校だった人だ。でも、どうして…。」
「あの子ね、シュウと同じクラスだった頃から、好きだったらしいよ。」
「なぜ、それ知ってるの?失踪する前、本人から聞いたの?」
レモンは、首を振った。
「ずっと前に聞いたの。今ねあの子、生きてるよ。ただ、元気じゃないんだ。だから、あなた連れて行ったら元気になるんじゃないかと思ってね。」
「何言ってるんだ?」
不気味な笑い声をする、レモンにシュウは怖くなった。すると、レモンは手に手袋をはめていた。何か布を持っていた。
「まぁ、あの子は私のところにいるから、想いはその時伝えてよね。」
そう言うと、力強く床に押しつけられ、口に布をあてられた。レモンは、柔道をしていた。並の人では勝てなかった。シュウもその一人だ。
「これから三人で生きていこうね。そうすれば、誰も寂しい思いはしなくてすむからね。」
そう言う時には、シュウの意識はなかった。
レモンは静かな部屋から、大きなスーツケースを持って外へ出た。そして、しっかり鍵をかけた。
「ねぇ山都、これ見てよ。二週間前、たまたま宝くじ当てたんだ。二万だけど。」
レモンは、笑ってそう言った。
「へぇ、すごいなぁ。
それよりも、シュウは最近見かけないな。家にも帰ってないようだし。何かあったのかな。」
レモンは、ジュースを飲みながら言った。
「さぁね。でも、神様がいれば助けてくれると思うよ。」
「神様?」
「私のこの二万は、神様のおかげ。」
そう言って、二万はをひらひらと山都に見せた。山都は、苦笑いだった。
下から見ていた山都は、二階の廊下で動けなくなっていたシュウにそう聞いた。
「実は…。」
起こったことを伝えようとしたその時、ドアの向こうから悲鳴が聴こえてきたのだった。
「タス、ケテ。タスケテ。アツイ…。モエルヨ。」
何人もの悲痛な叫びだった。
ドアの隙間から、焦げるような臭いがした。決していいものではなかった。
シュウはドアを開けることが出来なかったが、その向こうであの影が燃えているのだと思った。
しばらく経った時、消防車のサイレンが近づいてきた。誰かが連絡したのだろう。シュウはその後何も覚えていない。
レストランで、山都とシュウは会った。シュウは少し疲れていたようだった。
「シュウ大丈夫か?」
不思議で不気味な事は、あの部屋に住んでいた時以来起こってない。
「今は、別の所に引っ越した。お坊さんは、まだ見つかってない。隣の部屋の子のように。
何故か、ぼくの部屋には火はまわって来なかった。あの部屋だけだったんだ。火の原因は分かってない。」
「でも、お前はわかっているんだろう?」
「…うん。あの壁だよ。あの事件以降、赤い壁は燃え尽きたらしい。」
「良かったな。もう二度と被害者がいなくなって。」
「そう…だね。」
「黒い影も、もうこの世に来ないだろう。」
「あぁ。神様もだけど。あの人が助けてくれたんだ。今度、神社行かないとな。」
「そうだったんだ。一緒今度に行こうか。
とりあえず、今日は楽しもうや。また、引っ越した部屋行っていいか?何か買ってきてやるよ。」
「今日は一人にしてほしい。」
「そうか、分かった。
にしても、またレモンは旅行にでも行ってんのかね。最近見ないけど。」
その後の山都の面白い話で、シュウは少し明るくなった。本当に良い友達だと思った。
しかし、夜まで街で遊んだ二人は、すっかりいつもの元気を取り戻した。
「じゃあね。」
二人は電灯一つしかない暗い道で別れた。今度の部屋は少し小さく家賃は高いが、前の部屋よりかは良かった。
シュウの部屋は、まだ散らかっていた。片付けはまだまだだった。
すると、ガチャリとドアの扉は開いた。
「コンバンワ。」
レモンだった。あの大きなスーツケースを持っていた。
「よくぼくの部屋知ってるね。
旅行の帰り?」
「山都に教えてもらったんだ。旅行のお土産渡そうと思ってね。
また、引っ越したんだ。山都から大体のことは聞いたよ。大変だったね。」
「まあね。これでやっと、落ち着いて暮らせるよ。」
レモンは、近くにあった置物を触ったり見ていた。
「ねぇ。シュウ?」
「何?」
「隣の部屋に住んでいた女の子、西宮って名前なんだって。」
「西宮?同じ高校だった人だ。でも、どうして…。」
「あの子ね、シュウと同じクラスだった頃から、好きだったらしいよ。」
「なぜ、それ知ってるの?失踪する前、本人から聞いたの?」
レモンは、首を振った。
「ずっと前に聞いたの。今ねあの子、生きてるよ。ただ、元気じゃないんだ。だから、あなた連れて行ったら元気になるんじゃないかと思ってね。」
「何言ってるんだ?」
不気味な笑い声をする、レモンにシュウは怖くなった。すると、レモンは手に手袋をはめていた。何か布を持っていた。
「まぁ、あの子は私のところにいるから、想いはその時伝えてよね。」
そう言うと、力強く床に押しつけられ、口に布をあてられた。レモンは、柔道をしていた。並の人では勝てなかった。シュウもその一人だ。
「これから三人で生きていこうね。そうすれば、誰も寂しい思いはしなくてすむからね。」
そう言う時には、シュウの意識はなかった。
レモンは静かな部屋から、大きなスーツケースを持って外へ出た。そして、しっかり鍵をかけた。
「ねぇ山都、これ見てよ。二週間前、たまたま宝くじ当てたんだ。二万だけど。」
レモンは、笑ってそう言った。
「へぇ、すごいなぁ。
それよりも、シュウは最近見かけないな。家にも帰ってないようだし。何かあったのかな。」
レモンは、ジュースを飲みながら言った。
「さぁね。でも、神様がいれば助けてくれると思うよ。」
「神様?」
「私のこの二万は、神様のおかげ。」
そう言って、二万はをひらひらと山都に見せた。山都は、苦笑いだった。
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