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次の日
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次の日、ヤマトとシュウは一緒に大学へ向かっていた。だが、昨日通った道を目の前にすると、二人は口を合わせて別の道を通ろうとした。
シュウは、昨日の体験を話した。すると、ヤマトも昨日バイトの帰り道での奇妙な体験も話した。
「俺もさ、昨日バイト帰りにこの道を通ったらさ、見たことのない大きな石が道の真ん中置いてあったんだ。なんでここにあるのか分からなかったんだけど、その石からなんか声がしていることに気がついてさ。最初は小さくて車の音であまり聞き取れなかったんだけど、段々と大きくなって、それが女の悲鳴だってことが分かったんだ。それを聞くとなんだか寒気がして、すごく怖くなってその場から走って逃げてきたんだ。」
「その石って、なんだか夜泣石みたいだね。」
「何それ?」
「あれ、知らない?ぼくたちが住んでいた掛川で有名な怪談話だよ。ある女の人が行く途中、不運なことにある男の人に山刀で殺されたらしい。それからというものその女の霊が石に乗り移り、毎晩のように悲鳴を上げたらしいんだ。その石を里の人は『夜泣石』って恐れたんだってさ。だから、もしかしたら僕が見たあの女の声じゃないかな。」
「へー、初めて知った。でもそれがホントだったら、あの女は何者なんだろうか。」
「分からない。とりあえず、この道を通るのはやめよう。」
「そうだな。帰り道はできるだけ気を付けなきゃ。」
奇妙な体験をしてから三日経った。もうすっかり恐怖心は無くなり、あの女が気になっていた。
「あ、久しぶり、リン。俺たち不思議な体験したんだぜ。」
シュウとヤマトは昼休み、食堂でリンと出会った。リンは、手にうどんとサラダを乗せたトレーを持って、二人の前に座った。
「何?どうしたの。」
「夜に帰り道でさ、道の真ん中にあった大きな石から女の悲鳴が聞こえたんだ。シュウは、その女らしき人が角に立っていたのを見たらしいんだ。」
「え、それマジ?それは怖いな。なんだが夜泣石みたいだね。」
「知ってるの?」
「もちろん、地元の怪談話だからね。誰からか聞いたことある。」
「そうだったんだ。でさ、その時からあの女の人が気になって。」
「どんな人だった?」
リンは長い髪を耳にかけ、箸でうどんをすすりながら聞いた。
「長い黒い髪が顔にかかっていて、表情は見えなかった。両手にはなんか紐が絡まっていた。」
それを聞くとリンは、興味ありそうにシュウを見た。
「それ怨霊じゃないかな。見たことのある人だった?」
「いや、怖くてよく見てない。てか、ほんとに幽霊だったの?」
「よくわかんないけど、ふつうの人じゃないでしょ。それに、ヤマトの話と関係ある気がするし。」
「そうだよな、俺もそう思った。」
ヤマトはそんな経験をしたことを誇りに思っているみたいだった。が、シュウだけは気になっている様子だった。
「あのさ、リン。わこは最近どうしてるか分かる?」
「わこ?さあ、最近会ってないけどね。多分、忙しいんじゃない?」
「そうなんだ。」
「何?わこのこと、好きなの?」
「い、いや。違うよ。」
「へえ、そうなんだ。でもわこ、最近好きな人できたんじゃない?だから、最近見かけないんじゃない。」
「確かに。俺たち大学生だし、そういう事もあるかもな。」
それを聞くとシュウは、残念そうな顔をした。それを見たリン微笑んで言った。
「本人に聞かないと分かんないけどね。」
「そうだよ、シュウ。まだ分かんないし。」
ヤマトはそうフォローして、時計を見た。
「ヤベッ。そろそろ次の講義始まるから、俺行かないと。今日また帰ろうぜ。」
「あ、うん。またいつもの場所で。」
ヤマトは皿を乗せたトレーを持ち、駆け足で食堂を出て行った。
ちょうどリンは食べ終わり、ごちそうさまと手を合わせた。
「ねえ、今日五時くらいに私の家来てくれない?大事な話があるの。」
「大事な話って?今じゃダメ?」
「ダメ。二人きりでシュウに伝えたいことあるんだ。」
「まあ、いいよ。ヤマトには用事があるって言っておく。それに、今日の講義はもうないから、とりあえず家に帰るよ。」
「よろしくね。私も講義ないから、家に帰って待ってる。」
リンは右手を振って、その場を後にした。
「なんだろう。話って。」
そう疑問に思いつつも、スマホを取り出し、
『今日用事ができたから、先帰るから。』
そう文字を打つとすぐ、
『分かった。でも、今日は夜シュウのとこ行くからな。』
講義中のはずなのに返事が来た。
「ヤマト、いつも真面目に講義受けてんのかな。」
そう独り言を言って、笑った。
家に帰る前にスーパーへ寄り、夕飯の食材とヤマトの好きなアイスを買って帰った。その後、シャワーを浴びた。もうそろそろ夏が始まり本格的になり始めたこの蒸し暑さで、帰宅した後汗だくになったからだ。
エアコンをつけ、アイスを食べながらテレビをつけた。番組では夏祭りの特集をしていた。
「祭り、か。今年は誰か一緒に行きたいな。受験で去年は行くことができなかったし。」
そうつぶやきながらもシュウは、わこのことを思ってしまい胸が苦しくなった。思わずアイスにかぶりつき、頭がキーンと痛くなり苦しんだ。しかし、いつまでもわこのことを忘れられないでいた。
しばらく天井を見てボーっとしていると、リンのことを思い出し時間を見た。
「あ、遅れる。」
パッと立ち上がり、服を着て急いで部屋を出た。リンの家は少し遠いため、バスで行かなければならない。
駆け足で行くと、二人が奇妙な体験をしたある道の前まで来た。バス停まで行くにはこの道が近道である。バスが来るまで数分しかないため、この道を通るしかなかった。
「行くしかないな。まだ空は明るいし、あの女はいない。」
シュウは走って通り過ぎようとした。あの女と出会った角や道には、誰もいなかった。しかし、角を曲がるとその先に大きな石が行く手を阻んでいた。その石はシュウの腰まであるほど大きく、ゴツゴツとした岩のようだった。
「なに・・これ。」
一瞬困惑したが、冷静をとりもどしその脇を通り過ぎようとした。すると、
「来るな、来るな、来るな、来る・・」
と何度もその石が不気味な声で言い始めた。あの女の声と全く同じだった。
次第に早口になると、その石はゴリゴリとアスファルトをこするように動き始めた。
「く、来るなよ。」
シュウは無我夢中で走ってその道を戻った。遠いけど別の道を選び、バス停へ向かうことにした。とりあえず人の多い所へ行きたかった。が、その道も石がいつの間にか先回りして塞いでいた。心なしか大きくなっている気がした。
「来るなあ、来るなあ、来るなああ、来るあ・・」
「分かったから、分かったから来ないで。」
シュウは家へ走って帰った。走っている間もずっと、あの女の声とゴリゴリと移動しているような耳障りな音響いていた。
「ハア、あいつはなんだ。」
カギを閉め、玄関で息を整えて考えた。すると、部屋の奥からスーッとひんやりとした空気が漂ってきた。
「だ、誰がいるの?」
誰かに見られている気がしてならなかった。あんな体験をした矢先で、気のせいだと疑う余裕はなかった。
恐る恐るリビングを覗く。そこには誰もいなかった。あの女も石もいなかった。だが、あのひんやりとした空気はこの部屋からだった。
「エアコン?つけっぱなしだったか。」
慌てて家を出たため、エアコンをとめるのを忘れていた。しかし、あの恐怖から逃げることができたと思うと、安心した気持ちになった。
あの出来事で今日リンの家に行くことはできそうになかった。
『ごめん、風邪気味で行けそうにない。また今度誘って。』
手汗でまともに文字を打てなかったが、なんとか時間をかけて送った。待ち受け画面の高校の部活の集合写真を眺めているとようやく落ち着くことができた。
「そういえばこの時、いきなりリンはぼくと隣同士で肩を組みたいって言ったな。楽しかった。」
写真内ではシュウとリンは肩を組み、お互いの肩からピースサインをしていた。わこはリンの横でおとなしそうに微笑んでいた。
「ほんとは最後、わこと隣同士で撮りたかったなぁ。」
しばらく眺めていると、なんだか涙が出てきた。あの頃に戻りたい、言えなかったことを言いたい。恐怖を感じた後、ますますその気持ちは強まっていた。
そうしていると、一つ通知が来た。
『風邪ねえ。また、エアコン付けっぱなしだったからじゃないの。気を付けなさいね。今日は言いたいことがあったけど、近いうちまた私の家に誘って話すから。その時までに風邪を治すのよ。お大事に。』
「優しいな、あいつ。」
リンはなんだかんだ言ってシュウ想いだった。困ったことがあったら、積極的に相談に乗ってくれたりしてくれた。シュウは、リンもなんだか好きに思えてきた。
夕食は冷凍チャーハンで済ました。その後、リンリンという家のチャイム音が聞こえてきた。一瞬ドキッとしたが、ドアののぞき窓を見るとヤマトだった。
「こんばんは、用事ってなんだった?」
「とりあえず、入って早く。」
「お、おう。どうしたんだ。」
シュウはヤマトを中に入れると、急いでカギを閉めた。その様子を不審に思ったヤマトは、畳の上に座るとすぐ聞いた。
「それが・・」
シュウは起こったこと全て話した。
「へえ、俺が見たあの夜泣石が動いたのか。怖かったな。」
「多分、ヤマトが見たものと同じだと思う。なんか『来るな』って言いながら追いかけてきて。なんでぼくなのかな。」
「分かんない。あの女、ホントに知らないのか?」
「ほんとに知らない。今思えば、すごくがりがりで痩せていたと思う。顔見たらわかるかもしれないけど、髪で隠れていたから。」
「そっか、気を付けろよ。でも、なんだか熱くね。クーラーつけろよ。」
「あ、ごめん。しばらく暑くなかったから。今つけるよ。あ、アイスも買ってきたんだ、ヤマトの好きなやつ。」
「あ、マジ?サンキュー。俺も、おまえが好きなジュースを買ってきた。二リットルのやつだから一週間はもつだろ。」
「三日だね。とりあえずコップも持ってくる。」
二人は、面白い番組を見ながらアイスとジュースで楽しんだ。ヤマトが来てから一気にシュウの部屋は和やかになった。
シュウは、昨日の体験を話した。すると、ヤマトも昨日バイトの帰り道での奇妙な体験も話した。
「俺もさ、昨日バイト帰りにこの道を通ったらさ、見たことのない大きな石が道の真ん中置いてあったんだ。なんでここにあるのか分からなかったんだけど、その石からなんか声がしていることに気がついてさ。最初は小さくて車の音であまり聞き取れなかったんだけど、段々と大きくなって、それが女の悲鳴だってことが分かったんだ。それを聞くとなんだか寒気がして、すごく怖くなってその場から走って逃げてきたんだ。」
「その石って、なんだか夜泣石みたいだね。」
「何それ?」
「あれ、知らない?ぼくたちが住んでいた掛川で有名な怪談話だよ。ある女の人が行く途中、不運なことにある男の人に山刀で殺されたらしい。それからというものその女の霊が石に乗り移り、毎晩のように悲鳴を上げたらしいんだ。その石を里の人は『夜泣石』って恐れたんだってさ。だから、もしかしたら僕が見たあの女の声じゃないかな。」
「へー、初めて知った。でもそれがホントだったら、あの女は何者なんだろうか。」
「分からない。とりあえず、この道を通るのはやめよう。」
「そうだな。帰り道はできるだけ気を付けなきゃ。」
奇妙な体験をしてから三日経った。もうすっかり恐怖心は無くなり、あの女が気になっていた。
「あ、久しぶり、リン。俺たち不思議な体験したんだぜ。」
シュウとヤマトは昼休み、食堂でリンと出会った。リンは、手にうどんとサラダを乗せたトレーを持って、二人の前に座った。
「何?どうしたの。」
「夜に帰り道でさ、道の真ん中にあった大きな石から女の悲鳴が聞こえたんだ。シュウは、その女らしき人が角に立っていたのを見たらしいんだ。」
「え、それマジ?それは怖いな。なんだが夜泣石みたいだね。」
「知ってるの?」
「もちろん、地元の怪談話だからね。誰からか聞いたことある。」
「そうだったんだ。でさ、その時からあの女の人が気になって。」
「どんな人だった?」
リンは長い髪を耳にかけ、箸でうどんをすすりながら聞いた。
「長い黒い髪が顔にかかっていて、表情は見えなかった。両手にはなんか紐が絡まっていた。」
それを聞くとリンは、興味ありそうにシュウを見た。
「それ怨霊じゃないかな。見たことのある人だった?」
「いや、怖くてよく見てない。てか、ほんとに幽霊だったの?」
「よくわかんないけど、ふつうの人じゃないでしょ。それに、ヤマトの話と関係ある気がするし。」
「そうだよな、俺もそう思った。」
ヤマトはそんな経験をしたことを誇りに思っているみたいだった。が、シュウだけは気になっている様子だった。
「あのさ、リン。わこは最近どうしてるか分かる?」
「わこ?さあ、最近会ってないけどね。多分、忙しいんじゃない?」
「そうなんだ。」
「何?わこのこと、好きなの?」
「い、いや。違うよ。」
「へえ、そうなんだ。でもわこ、最近好きな人できたんじゃない?だから、最近見かけないんじゃない。」
「確かに。俺たち大学生だし、そういう事もあるかもな。」
それを聞くとシュウは、残念そうな顔をした。それを見たリン微笑んで言った。
「本人に聞かないと分かんないけどね。」
「そうだよ、シュウ。まだ分かんないし。」
ヤマトはそうフォローして、時計を見た。
「ヤベッ。そろそろ次の講義始まるから、俺行かないと。今日また帰ろうぜ。」
「あ、うん。またいつもの場所で。」
ヤマトは皿を乗せたトレーを持ち、駆け足で食堂を出て行った。
ちょうどリンは食べ終わり、ごちそうさまと手を合わせた。
「ねえ、今日五時くらいに私の家来てくれない?大事な話があるの。」
「大事な話って?今じゃダメ?」
「ダメ。二人きりでシュウに伝えたいことあるんだ。」
「まあ、いいよ。ヤマトには用事があるって言っておく。それに、今日の講義はもうないから、とりあえず家に帰るよ。」
「よろしくね。私も講義ないから、家に帰って待ってる。」
リンは右手を振って、その場を後にした。
「なんだろう。話って。」
そう疑問に思いつつも、スマホを取り出し、
『今日用事ができたから、先帰るから。』
そう文字を打つとすぐ、
『分かった。でも、今日は夜シュウのとこ行くからな。』
講義中のはずなのに返事が来た。
「ヤマト、いつも真面目に講義受けてんのかな。」
そう独り言を言って、笑った。
家に帰る前にスーパーへ寄り、夕飯の食材とヤマトの好きなアイスを買って帰った。その後、シャワーを浴びた。もうそろそろ夏が始まり本格的になり始めたこの蒸し暑さで、帰宅した後汗だくになったからだ。
エアコンをつけ、アイスを食べながらテレビをつけた。番組では夏祭りの特集をしていた。
「祭り、か。今年は誰か一緒に行きたいな。受験で去年は行くことができなかったし。」
そうつぶやきながらもシュウは、わこのことを思ってしまい胸が苦しくなった。思わずアイスにかぶりつき、頭がキーンと痛くなり苦しんだ。しかし、いつまでもわこのことを忘れられないでいた。
しばらく天井を見てボーっとしていると、リンのことを思い出し時間を見た。
「あ、遅れる。」
パッと立ち上がり、服を着て急いで部屋を出た。リンの家は少し遠いため、バスで行かなければならない。
駆け足で行くと、二人が奇妙な体験をしたある道の前まで来た。バス停まで行くにはこの道が近道である。バスが来るまで数分しかないため、この道を通るしかなかった。
「行くしかないな。まだ空は明るいし、あの女はいない。」
シュウは走って通り過ぎようとした。あの女と出会った角や道には、誰もいなかった。しかし、角を曲がるとその先に大きな石が行く手を阻んでいた。その石はシュウの腰まであるほど大きく、ゴツゴツとした岩のようだった。
「なに・・これ。」
一瞬困惑したが、冷静をとりもどしその脇を通り過ぎようとした。すると、
「来るな、来るな、来るな、来る・・」
と何度もその石が不気味な声で言い始めた。あの女の声と全く同じだった。
次第に早口になると、その石はゴリゴリとアスファルトをこするように動き始めた。
「く、来るなよ。」
シュウは無我夢中で走ってその道を戻った。遠いけど別の道を選び、バス停へ向かうことにした。とりあえず人の多い所へ行きたかった。が、その道も石がいつの間にか先回りして塞いでいた。心なしか大きくなっている気がした。
「来るなあ、来るなあ、来るなああ、来るあ・・」
「分かったから、分かったから来ないで。」
シュウは家へ走って帰った。走っている間もずっと、あの女の声とゴリゴリと移動しているような耳障りな音響いていた。
「ハア、あいつはなんだ。」
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「だ、誰がいるの?」
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恐る恐るリビングを覗く。そこには誰もいなかった。あの女も石もいなかった。だが、あのひんやりとした空気はこの部屋からだった。
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慌てて家を出たため、エアコンをとめるのを忘れていた。しかし、あの恐怖から逃げることができたと思うと、安心した気持ちになった。
あの出来事で今日リンの家に行くことはできそうになかった。
『ごめん、風邪気味で行けそうにない。また今度誘って。』
手汗でまともに文字を打てなかったが、なんとか時間をかけて送った。待ち受け画面の高校の部活の集合写真を眺めているとようやく落ち着くことができた。
「そういえばこの時、いきなりリンはぼくと隣同士で肩を組みたいって言ったな。楽しかった。」
写真内ではシュウとリンは肩を組み、お互いの肩からピースサインをしていた。わこはリンの横でおとなしそうに微笑んでいた。
「ほんとは最後、わこと隣同士で撮りたかったなぁ。」
しばらく眺めていると、なんだか涙が出てきた。あの頃に戻りたい、言えなかったことを言いたい。恐怖を感じた後、ますますその気持ちは強まっていた。
そうしていると、一つ通知が来た。
『風邪ねえ。また、エアコン付けっぱなしだったからじゃないの。気を付けなさいね。今日は言いたいことがあったけど、近いうちまた私の家に誘って話すから。その時までに風邪を治すのよ。お大事に。』
「優しいな、あいつ。」
リンはなんだかんだ言ってシュウ想いだった。困ったことがあったら、積極的に相談に乗ってくれたりしてくれた。シュウは、リンもなんだか好きに思えてきた。
夕食は冷凍チャーハンで済ました。その後、リンリンという家のチャイム音が聞こえてきた。一瞬ドキッとしたが、ドアののぞき窓を見るとヤマトだった。
「こんばんは、用事ってなんだった?」
「とりあえず、入って早く。」
「お、おう。どうしたんだ。」
シュウはヤマトを中に入れると、急いでカギを閉めた。その様子を不審に思ったヤマトは、畳の上に座るとすぐ聞いた。
「それが・・」
シュウは起こったこと全て話した。
「へえ、俺が見たあの夜泣石が動いたのか。怖かったな。」
「多分、ヤマトが見たものと同じだと思う。なんか『来るな』って言いながら追いかけてきて。なんでぼくなのかな。」
「分かんない。あの女、ホントに知らないのか?」
「ほんとに知らない。今思えば、すごくがりがりで痩せていたと思う。顔見たらわかるかもしれないけど、髪で隠れていたから。」
「そっか、気を付けろよ。でも、なんだか熱くね。クーラーつけろよ。」
「あ、ごめん。しばらく暑くなかったから。今つけるよ。あ、アイスも買ってきたんだ、ヤマトの好きなやつ。」
「あ、マジ?サンキュー。俺も、おまえが好きなジュースを買ってきた。二リットルのやつだから一週間はもつだろ。」
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