公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

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61 公爵令嬢は再び改革する 1

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さあ、再び領地改革を進めていきたいところなんだけど、私が就任して直ぐの時と何が一番違うのかっていうと、現在圧倒的人手不足。

伊達に就職率国内最高を誇るだけあって、領民の誰もかれもが忙しい。

でも、しなきゃいけないことは山ほどあるのだ。



先ずは戸籍表を作って、正確な人口と適正な税を把握しておかなきゃいけない。

ケンと同じく頭のいい男爵邸の使用人は、文官として財務と領民管理をしてもらうことになった。

男爵邸使用人カッツカツである。

ケンは文官達と各地区を周り、領内に住む全ての領民の年齢と家族構成、職業と収入を確認して回る。

そして、嘘偽りがないか雇い主にも確認をとって、一人ひとりの適正な税を伝える。

そう、来年もしてもらうんだよ。

まあ、来年以降はもっと楽になると思うけど。

だから悲鳴をあげないでよ。


次に施設建築…と言いたいところだけど、こども園建設に手を回せるほどの人の余裕がなかった。

…この手は使いたくなかったのだが、仕方がない。

出でよ、こども園。

ズドーン。

はい、錬金魔法で建てました。

ついでに介助施設も用意しておきましたよ。

予算から建築費用頂いておくからね。

「相変わらずチートだよな、フランの錬金魔法。
本当に魔力量4レベルなのか?」

流石に週7では無理だったみたいけど、週3で遊びに来ているロナウド王子が私に言った。

これまで私はどれだけのモノを作ってきたと思ってんの。

魔法が使えるようになって直ぐ魔力限界まで重曹とクエン酸を毎日作らされて、1年経った頃には半鐘台3棟と体重計14台、グラウンド3か所に陸上競技場を作ってるのよ。

こんだけやって魔法が上達しない方がおかしいでしょうが。


建物が用意できたので、次は職員の雇用。

こども園の保育士は子供を預けるお母さん達、介護士は介助施設利用者のご家族。

それ以外にもう、人がいない…

半ば強制的なところもあったけど、働けるようになったお母さん達やご家族達は喜んでくれた。

介助施設の利用者も、外に出て交流が出来る事が嬉しいようだ。


順番がずれるけど、先に介助施設の方を片付けておきましょう。

私が用意したのは、レクリエーション用のボードゲーム。

オセロ、チェス、囲碁、将棋、麻雀、モノポリー、双六、貝殻合わせしんけいすいじゃく等。

頭脳戦や駆け引きが必要なものもあれば、頭を使わずただ運に任せて遊べるような物まで、各施設へ色々と渡しておいた。

貝殻合わせの貝は、お祭りで使ったアサリやハマグリの殻を取っておいたもの。

この地域らしい遊びでしょう?

大ヒット。

介助が必要だったはずの施設利用者がだんだん元気になっていった。

介護士にチェスやオセロで勝つ老人が多発。

ボードゲームの地区代表大会まで行われるようになった。

こうなっちゃうと、他の領民達もやりたくなっちゃうよね。

作りましたよ、私が。

欲しい人へは、私が売りました。

どんどん潤っていく、私のへそくり。

てか、こんなどうでもいいもの、今する事じゃないでしょうが!

一旦生産中止。

領民から大クレームが起きた。

…そうですよね、働き詰めの皆さん、娯楽が欲しいですよね、どうでもよくないですね。

但し、購入できるのは一人いずれか一つだけだよ!

生産再開。

双六とモノポリーのシート以外は私の錬金魔法でバンバン作っていく。

そのシートも、錬金魔法で凸版を作り、インクを付けて紙に刷るだけ。

問題は売る方、一人で売るのしんどい。

ロナウド王子と、一緒に遊びにきたセシル様が、ボードゲームを売るのを手伝ってくれた。

国の第三王子と騎士団長の息子、美少年二人がボードゲームを売ってくれるのだ。

皆んなキャアキャア言って買っていく。

あっという間に販売終了、2人とも本当にありがとう!

「あ、当たり前だろっ、俺は、フランが困った時に助ける、…勇者なんだからっ…」

あの時の言葉を、今でも覚えててくれたんだ、嬉しいねえ。

「勿論ですよ、フランさんの辛そうなお顔は見たくないですから。
僕は貴女に、いつでも可愛い笑顔で笑っていて欲しいのですよ。」

またこの子はこんなこと言って、この幼さでもう女ったらしかい。

そしてなぜロナウド王子はちょっと拗ねる?



一旦問題解決したところで、本来の目的を進めていこう。

こども園の保育士は確保できた。

あとは教師を探さないといけないのだけど、この領内にはいない。

まず、字が読めない人が先生出来るわけない。

うーん、困った…

「学童院から先生何人か連れてくれば?」

そんなことして、大丈夫なの?

「生徒ですごい頭の良い子いたから、そいつに先生させれば良いじゃん。
てか、俺先生やるよ?」

「そういうことなら、僕もお手伝いさせていただきますよ。」

ほ、本当に大丈夫なの?

親御さん、何も言わない?

たまたま視察で来ていた国王様が即答でオッケー出した。

てか、視察ついでにボードゲーム催促しに来てたよ。

ルールを教えて、チェスを1戦だけ。

前世で俺は一度もチェスで負けた事なかったから結構自信あったんだけど、流石国王様、ギリギリで勝てなかった。

「フランドール嬢、強いな…
儂、ちょっと自信無くしたわ。」

セシル様のお父様、騎士団長にも了承の確認が取れた。

じゃあ、久しぶりにフィアンマ公爵領に帰って、学童院に顔を出しましょう。



久しぶりの我が家は、やっぱり大きい。

お母様とも男爵領で別れて以来久しぶりに会った。

「しっかりと領主をやっているようね。
母は安心しましたよ。」

そりゃもう、頑張ってますから!

「何やら異臭問題や娯楽道具の事で、領民の方々にご迷惑をおかけした事もあったようだけど。」

…そうですね、そういう事もありましたね。

お父様はなんだかんだ男爵領にちょくちょく顔出してるから、ただいまの挨拶だけでいっか。

「魚醤とウスターソースをお土産に持ってきてくれたようだね。」

なぜそれを知っている?

はい、夕食に振る舞いましたよ、豚骨ラーメンと豚玉お好み焼き。

「何っ⁉︎男爵領で食べたのは、透明なスープのラーメンだったぞ!
この白く濁ったスープのラーメンは、初めてだ!
これを」

「ブリキッド商会では出しませんよ。」

父ショボーン。

「このラーメンという食べ物、すごく濃厚なスープが硬めの麺にしっかりと絡み付いて、口に入れた途端味が溢れ出すわ!
それにこのお好み焼きという食べ物は、上にかかったソースの甘みとマヨネーズの酸味、たっぷりキャベツと豚肉が入った食べ応えのある生地が一体化して、信じられない程奥深い味になるのね!」

「お母様、この料理のどちらにも、魚を塩で半年間漬け込んで作った調味料を使っているのですよ。」

「え…食べてしまったわ…
私、明日生きていられるかしら…」

大袈裟すぎるって…



翌朝、学童院へロナウド王子とセシル様の3人で向かった。

ロナウド王子の言っていた、めちゃくちゃ頭のいい生徒って誰だろう?

「フランちゃん先生‼︎
帰って来てたんだね‼︎」

「あ、あいつだよ、すごい頭のいい奴ってのは。」

ポスカ君!君だったのか!

勢い良く走ってきたポスカ君は、その勢いのまま私に抱きついてきた。

「やっと会えた!
ずっとこの日を待ってたんだよ!」

こらこら、校舎の中では走っちゃダメだぞ?

しかし、いまだに私より小さいままだとは…相変わらず可愛いヤツめ。

「おいぃ⁉︎ 何フランに抱きついてんだ、お前⁉︎」

「そうですよ、いきなり女性に抱きつくなんて、失礼ですよ。」

「大丈夫!
ポスカ君、私がいた時からこんな感じだったし。」

「なっ⁉︎
やっぱこいつ先生にするの、やめようぜ!」

「奇遇ですね、僕もそう思います。」

なんなんだよ、あんたら…



ポスカ君のお父さんからも了承が得られたので、晴れて子供先生4人(私含む)が誕生。

残りは結局学童院の先生を1人引き抜いた。
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