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第1章第3話 かそキャン△どうでしょう
*3*
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???
「ギャオォォォォ!!!」
詩乃
「でぇぇぇぇ!!!???」
驚きと恐怖で謎の発狂をする私。
な、なんじゃこりゃ!?
丸々太ったとんでもない大きさの巨大魚登場に、思わず釣竿を握る手が緩む。
噛まれたら一溜りも無さそうな牙で釣り糸を噛んだまま、赤と青の尾びれを翻し釣り竿ごと白波の中に消えて行った。
しばらく放心状態の私。
まるで何事も無かったかのように静かな湖畔に戻る。
春一
「おいー、お前俺の釣竿どうしてくれんだよ」
詩乃
「……へ?え?まずそこじゃなくない!?な、何なの今の!
魚のサイズじゃなくない?シャチくらいじゃない?いやもっと?
クジラ?クジラか!?てか魚じゃないよねっ!?」
アワアワする私とは真逆で、春一はものすごく冷静だ。
春一
「だから言っただろ、魚以外のもんが釣れる可能性があるって」
詩乃
「でも普通あんな化け物が釣れるなんて思わないじゃない!
常識的に考えて!」
春一
「あのなぁここはファンタジー世界な訳。
お前の常識はここじゃ通用しねぇの。
あんま普通だの常識だの囚われんなよ」
そうか、ここは異世界。
ありえない事が起きても当たり前な世界なんだ。
湖から化け物が出てきて釣竿を持ってかれるなんて、ここじゃ逆に常識な訳ね。
私が1人納得していると、水面がぼわーんと光った。
と思ったら紫色の波紋が広がり、同じく紫色の光と共に湖の底から人が出てきた。
???
「ごきげんよう~!」
銀髪のロングヘアを揺らし、にこやかに手を振る謎のグラマラスな美女。
青いヴェールを身にまとい、頭に緑のビーズと中央に赤い宝石が付いている飾りが乗っかっている。
詩乃
「え、ああ、どうも」
春一
「ちわーっす」
私達の塩対応に美女は少し拍子抜けする。
???
「あ、あら?私が出てくるとみんなビックリ仰天腰抜かしちゃうのだけれど……」
春一
「あんな化け物の後じゃ驚きが薄れちまうだろ」
私も春一に同意し、うんうんと頷く。
あ、綺麗なお姉さん出てきたーくらいな感じだった。
ファンタジー世界だもん、湖から人くらい普通に出てくるよね。
???
「くっ、アイツめ……!まあ良いわ。ゴホン、気を取り直して……」
仕切り直しという事で彼女は初めの笑顔に戻った。
???
「私は湖の女神、貴女が落としたのはこの金の釣竿?
それとも銀の釣竿?」
女神と名乗った彼女は、両手にそれぞれ金と銀の釣竿を持って聞いてきた。
あれ、この話どっかで……。
春一
「お!じゃあ金の方で!」
私は瞬時に春一の口を押さえた。
詩乃
「だぁ!め、女神様!違う違う!今のは違う、取り消し!!タンマッ!!」
私は女神様に背を向け、春一を連れて少し離れた場所に行く。
春一
「何だよ……どうせだったら金って言っといた方が良くね?」
詩乃
「春一バカだな!バカだな春一!
ここでウソついたら、持ってかれた釣竿も金と銀の釣竿も全部手に入らないんだよ!?」
春一
「それって童話の中の話だろ?しかも斧だし。
つーかバカバカ言い過ぎ!」
詩乃
「斧だろうが釣竿だろうが、こういうのは正直に言った方が良いの!
正直者は報われるのがおとぎ話のセオリーなんだから!」
私は女神様に向き直り、水際に近寄る。
そして満面の笑みで質問に答える。
詩乃
「女神様、私が落としたのは金の釣竿でも銀の釣竿でもありません!
春一が買ったただの普通のショボい釣竿です!」
春一
「ショボくねぇし!」
女神
「まあ、貴女はなんて正直者なのかしらぁ!」
春一
「それは何?アンタもショボいって思ってるって事?」
女神
「では、こちらの金と銀の釣竿を差し上げましょう」
詩乃
「わぁ!ありがとうございます!」
感謝を言ってから私は後方の春一に振り向き、得意気な顔をした。
詩乃
「ね?だから言ったでしょ?
正直に言ったら元の釣竿も金も銀も手に入るのよ!」
そう言って私が笑うと、春一は肩を竦めた。
女神
「あのー、大変申しづらいのですけどぉ……。
まだお渡しする訳にいかないんですよねぇ」
詩乃
「はい?」
すっかり貰える気になっていた私は、思わぬセリフに振り返る。
詩乃
「え?だって今差し上げるって!」
女神
「ああ、それはあの化け物から釣竿を取ってきたらの話ですよぉ!」
詩乃
「なんじゃそりゃ!!」
完全にぬか喜びさせられた私。
何その後出しジャンケンみたいなのは!
詩乃
「女神様なんだから釣竿取り返すくらい簡単じゃないんですか!?
だって神様なんだから!」
女神
「こんな廃れた湖のしがない女神にそんな力ありませんよぉ~!
それに怖いしぃ……!」
体をうねらせる女神。
えぇ、じゃあアイツ倒さないとどの釣竿も手に入らないって事かぁ。
春一
「じゃあ元々の釣竿いらねぇからさ、その2つだけくれよ!」
女神
「無理ですよぉ~!元の釣竿とセットでのお渡しなんですからぁ!」
春一
「チッ、神のくせしてケチだな」
春一のボソッと発したひと言は女神様に届いていたようで、こめかみの血管がピクっと引きつった。
女神
「私だってねぇ……意地悪であげないって言ってる訳じゃないのよ!
いきなり現れたあの化け物のせいでこっちだって迷惑してるんだから!
私の金の道具シリーズ欲しさにこの湖は活気溢れてたのにぱったりと全然人来なくなったし!
『あの化け物を倒して道具持って帰って来たらあげますよ~』って言ってるのに『あ、怖いんでやめときます』って言われるんだから!
おかげで道具の在庫全然捌けなくて家中ダンボールで溢れ返ってんの!
汚いお部屋は彼氏に呆れられそうだし、振られそうで怖いし!
人が集まらないから掃除も忘れられて荒れ放題な感じになってきたし!
今まで当番制で来てくれてたのにどうなってんのよ!
それもこれもみんな、あの化け物のせいよっっ!!」
ゼェハァと、肩で息をする女神様。
随分と溜まってたんだな、鬱憤。
あと、金の道具ってダンボールに入ってるんだ。
女神
「……という訳で、化け物退治してくれると女神とっても嬉しいなっ!」
何が『という訳で』なのか分からないけど、私達は頷くしかなかった。
私達はひとまず2人の所に戻り、事情説明。
そして2人を連れてここにまた戻って来た。
クロード
「事情は聞かせてもらった。
その化け物を討伐し、取られた釣竿を持ち帰れば釣竿は頂けるのだな?」
クロードの言葉に女神様は両手を合わせて喜ぶ。
女神
「まあ!倒してくださるのですね!逞しい殿方、素敵!
……乗り換えちゃおうかしら……」
最後のひと言にルイスさんの眉間に皺が寄る。
ルイス
「倒さなくて良いんじゃない?釣竿なんてどこでも買えるし。
金の道具って言ったってどうせ金メッキでしょ?」
女神
「ハァ!?言い掛かりはやめてくださいー!」
ルイスさんを睨んだ直後、上目遣いでクロードに近寄る。
と言っても水際までで、決して陸には上がってこない。
女神
「女神の事、助けてくださいますよね、旦那様ぁ?」
女神様の言葉でゴングの音が聞こえたような気がした。
ルイス
「ちょっと!クロードさんの事気軽に旦那様だなんて呼ばないでよ!
この尻軽女!」
女神
「何ですって!
女神に対して無礼な言動とは……天罰下すわよ!」
ルイス
「やってご覧なさいよ!
金の道具渡すしか脳が無い女神のくせに!」
女神
「渡すだけじゃありませんー!
発注もしてますぅー!」
ルイス
「ただの業者頼みじゃないのよ!
とにかくクロードさんは渡さないわっ!」
女神
「別にアンタの物じゃないでしょ!」
2人の女(?)に板挟み状態のクロードは困ったように私を見た。
私に聞かれても……と苦笑いを返す。
春一
「ルイス、ちょっと来い」
女神様とギャーギャー言い争っていたルイスさんは春一に呼ばれ、側に寄る。
春一はコソッと話す。
春一
「アイツがあんな女になびくと思うか?」
ルイス
「思わないけど……」
春一
「だろ?だったらもっと自信持って堂々としてろよ。
ここでやっぱやめるってなったらクロードのメンツ丸潰れじゃねぇか。
好きな男立ててやるくらいの余裕見せつけろ」
ルイス
「な、なるほど!」
ルイスさんはいそいそとクロードに寄る。
ルイス
「クロードさんの手に掛かればそんな怪物瞬殺よねぇ?」
クロード
「瞬殺かどうかは分からないが、やるだけの事はやるつもりだが?
どうやらお困りのようだしな」
ルイス
「もう!ホント優しい~!誰にでも優しいんだから~!
こんな見ず知らずの女相手にも!」
ニッコニコの笑顔から瞬時に女神様をグッと睨む。
ルイス
「だから十二分に感謝なさい!」
女神
「ええそうねぇ、クロード様には感謝致しますわ、クロード様にはっ!」
笑顔だけどこめかみの血管は完全に浮き上がっている。
怖すぎる……2人の間にはバチバチと火花が散っているようで。
私は春一を見る。
詩乃
「にしてもルイスさんの恋路を応援するなんて、意外と良いとこあんじゃん!」
春一
「応援?ンなもんした覚え無ぇよ」
気だるそうに言ってから、春一はにこやかな表情に変わり続ける。
春一
「金と銀の釣竿なんて高く売れそうじゃねぇか!
手に入れないなんてありえねぇだろ?」
あー、やっぱり春一は春一だなぁ。
「ギャオォォォォ!!!」
詩乃
「でぇぇぇぇ!!!???」
驚きと恐怖で謎の発狂をする私。
な、なんじゃこりゃ!?
丸々太ったとんでもない大きさの巨大魚登場に、思わず釣竿を握る手が緩む。
噛まれたら一溜りも無さそうな牙で釣り糸を噛んだまま、赤と青の尾びれを翻し釣り竿ごと白波の中に消えて行った。
しばらく放心状態の私。
まるで何事も無かったかのように静かな湖畔に戻る。
春一
「おいー、お前俺の釣竿どうしてくれんだよ」
詩乃
「……へ?え?まずそこじゃなくない!?な、何なの今の!
魚のサイズじゃなくない?シャチくらいじゃない?いやもっと?
クジラ?クジラか!?てか魚じゃないよねっ!?」
アワアワする私とは真逆で、春一はものすごく冷静だ。
春一
「だから言っただろ、魚以外のもんが釣れる可能性があるって」
詩乃
「でも普通あんな化け物が釣れるなんて思わないじゃない!
常識的に考えて!」
春一
「あのなぁここはファンタジー世界な訳。
お前の常識はここじゃ通用しねぇの。
あんま普通だの常識だの囚われんなよ」
そうか、ここは異世界。
ありえない事が起きても当たり前な世界なんだ。
湖から化け物が出てきて釣竿を持ってかれるなんて、ここじゃ逆に常識な訳ね。
私が1人納得していると、水面がぼわーんと光った。
と思ったら紫色の波紋が広がり、同じく紫色の光と共に湖の底から人が出てきた。
???
「ごきげんよう~!」
銀髪のロングヘアを揺らし、にこやかに手を振る謎のグラマラスな美女。
青いヴェールを身にまとい、頭に緑のビーズと中央に赤い宝石が付いている飾りが乗っかっている。
詩乃
「え、ああ、どうも」
春一
「ちわーっす」
私達の塩対応に美女は少し拍子抜けする。
???
「あ、あら?私が出てくるとみんなビックリ仰天腰抜かしちゃうのだけれど……」
春一
「あんな化け物の後じゃ驚きが薄れちまうだろ」
私も春一に同意し、うんうんと頷く。
あ、綺麗なお姉さん出てきたーくらいな感じだった。
ファンタジー世界だもん、湖から人くらい普通に出てくるよね。
???
「くっ、アイツめ……!まあ良いわ。ゴホン、気を取り直して……」
仕切り直しという事で彼女は初めの笑顔に戻った。
???
「私は湖の女神、貴女が落としたのはこの金の釣竿?
それとも銀の釣竿?」
女神と名乗った彼女は、両手にそれぞれ金と銀の釣竿を持って聞いてきた。
あれ、この話どっかで……。
春一
「お!じゃあ金の方で!」
私は瞬時に春一の口を押さえた。
詩乃
「だぁ!め、女神様!違う違う!今のは違う、取り消し!!タンマッ!!」
私は女神様に背を向け、春一を連れて少し離れた場所に行く。
春一
「何だよ……どうせだったら金って言っといた方が良くね?」
詩乃
「春一バカだな!バカだな春一!
ここでウソついたら、持ってかれた釣竿も金と銀の釣竿も全部手に入らないんだよ!?」
春一
「それって童話の中の話だろ?しかも斧だし。
つーかバカバカ言い過ぎ!」
詩乃
「斧だろうが釣竿だろうが、こういうのは正直に言った方が良いの!
正直者は報われるのがおとぎ話のセオリーなんだから!」
私は女神様に向き直り、水際に近寄る。
そして満面の笑みで質問に答える。
詩乃
「女神様、私が落としたのは金の釣竿でも銀の釣竿でもありません!
春一が買ったただの普通のショボい釣竿です!」
春一
「ショボくねぇし!」
女神
「まあ、貴女はなんて正直者なのかしらぁ!」
春一
「それは何?アンタもショボいって思ってるって事?」
女神
「では、こちらの金と銀の釣竿を差し上げましょう」
詩乃
「わぁ!ありがとうございます!」
感謝を言ってから私は後方の春一に振り向き、得意気な顔をした。
詩乃
「ね?だから言ったでしょ?
正直に言ったら元の釣竿も金も銀も手に入るのよ!」
そう言って私が笑うと、春一は肩を竦めた。
女神
「あのー、大変申しづらいのですけどぉ……。
まだお渡しする訳にいかないんですよねぇ」
詩乃
「はい?」
すっかり貰える気になっていた私は、思わぬセリフに振り返る。
詩乃
「え?だって今差し上げるって!」
女神
「ああ、それはあの化け物から釣竿を取ってきたらの話ですよぉ!」
詩乃
「なんじゃそりゃ!!」
完全にぬか喜びさせられた私。
何その後出しジャンケンみたいなのは!
詩乃
「女神様なんだから釣竿取り返すくらい簡単じゃないんですか!?
だって神様なんだから!」
女神
「こんな廃れた湖のしがない女神にそんな力ありませんよぉ~!
それに怖いしぃ……!」
体をうねらせる女神。
えぇ、じゃあアイツ倒さないとどの釣竿も手に入らないって事かぁ。
春一
「じゃあ元々の釣竿いらねぇからさ、その2つだけくれよ!」
女神
「無理ですよぉ~!元の釣竿とセットでのお渡しなんですからぁ!」
春一
「チッ、神のくせしてケチだな」
春一のボソッと発したひと言は女神様に届いていたようで、こめかみの血管がピクっと引きつった。
女神
「私だってねぇ……意地悪であげないって言ってる訳じゃないのよ!
いきなり現れたあの化け物のせいでこっちだって迷惑してるんだから!
私の金の道具シリーズ欲しさにこの湖は活気溢れてたのにぱったりと全然人来なくなったし!
『あの化け物を倒して道具持って帰って来たらあげますよ~』って言ってるのに『あ、怖いんでやめときます』って言われるんだから!
おかげで道具の在庫全然捌けなくて家中ダンボールで溢れ返ってんの!
汚いお部屋は彼氏に呆れられそうだし、振られそうで怖いし!
人が集まらないから掃除も忘れられて荒れ放題な感じになってきたし!
今まで当番制で来てくれてたのにどうなってんのよ!
それもこれもみんな、あの化け物のせいよっっ!!」
ゼェハァと、肩で息をする女神様。
随分と溜まってたんだな、鬱憤。
あと、金の道具ってダンボールに入ってるんだ。
女神
「……という訳で、化け物退治してくれると女神とっても嬉しいなっ!」
何が『という訳で』なのか分からないけど、私達は頷くしかなかった。
私達はひとまず2人の所に戻り、事情説明。
そして2人を連れてここにまた戻って来た。
クロード
「事情は聞かせてもらった。
その化け物を討伐し、取られた釣竿を持ち帰れば釣竿は頂けるのだな?」
クロードの言葉に女神様は両手を合わせて喜ぶ。
女神
「まあ!倒してくださるのですね!逞しい殿方、素敵!
……乗り換えちゃおうかしら……」
最後のひと言にルイスさんの眉間に皺が寄る。
ルイス
「倒さなくて良いんじゃない?釣竿なんてどこでも買えるし。
金の道具って言ったってどうせ金メッキでしょ?」
女神
「ハァ!?言い掛かりはやめてくださいー!」
ルイスさんを睨んだ直後、上目遣いでクロードに近寄る。
と言っても水際までで、決して陸には上がってこない。
女神
「女神の事、助けてくださいますよね、旦那様ぁ?」
女神様の言葉でゴングの音が聞こえたような気がした。
ルイス
「ちょっと!クロードさんの事気軽に旦那様だなんて呼ばないでよ!
この尻軽女!」
女神
「何ですって!
女神に対して無礼な言動とは……天罰下すわよ!」
ルイス
「やってご覧なさいよ!
金の道具渡すしか脳が無い女神のくせに!」
女神
「渡すだけじゃありませんー!
発注もしてますぅー!」
ルイス
「ただの業者頼みじゃないのよ!
とにかくクロードさんは渡さないわっ!」
女神
「別にアンタの物じゃないでしょ!」
2人の女(?)に板挟み状態のクロードは困ったように私を見た。
私に聞かれても……と苦笑いを返す。
春一
「ルイス、ちょっと来い」
女神様とギャーギャー言い争っていたルイスさんは春一に呼ばれ、側に寄る。
春一はコソッと話す。
春一
「アイツがあんな女になびくと思うか?」
ルイス
「思わないけど……」
春一
「だろ?だったらもっと自信持って堂々としてろよ。
ここでやっぱやめるってなったらクロードのメンツ丸潰れじゃねぇか。
好きな男立ててやるくらいの余裕見せつけろ」
ルイス
「な、なるほど!」
ルイスさんはいそいそとクロードに寄る。
ルイス
「クロードさんの手に掛かればそんな怪物瞬殺よねぇ?」
クロード
「瞬殺かどうかは分からないが、やるだけの事はやるつもりだが?
どうやらお困りのようだしな」
ルイス
「もう!ホント優しい~!誰にでも優しいんだから~!
こんな見ず知らずの女相手にも!」
ニッコニコの笑顔から瞬時に女神様をグッと睨む。
ルイス
「だから十二分に感謝なさい!」
女神
「ええそうねぇ、クロード様には感謝致しますわ、クロード様にはっ!」
笑顔だけどこめかみの血管は完全に浮き上がっている。
怖すぎる……2人の間にはバチバチと火花が散っているようで。
私は春一を見る。
詩乃
「にしてもルイスさんの恋路を応援するなんて、意外と良いとこあんじゃん!」
春一
「応援?ンなもんした覚え無ぇよ」
気だるそうに言ってから、春一はにこやかな表情に変わり続ける。
春一
「金と銀の釣竿なんて高く売れそうじゃねぇか!
手に入れないなんてありえねぇだろ?」
あー、やっぱり春一は春一だなぁ。
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