Sランクパーティーを追放されたネクロマンサーの僕は魔王軍最強の幹部になる~

ネコオカ【面白い漫画毎日更新中】

文字の大きさ
9 / 27

最強ネクロマンサー、英雄に真の主と認めらる

しおりを挟む
「なんということだ…レイン様が復活している。しかも完全な状態で…」

「シオンさん達がでていってからすぐに、氷塊がすごい勢いで溶けだして、そこのお姉さんが出てきたんだよ!」

「出てきて、すぐに私に紅茶を出すように要求してきたです。…態度でかいです」

「まさか、この私を復活させるネクロマンサーが現れるとはねぇ…しかも、こんな可愛いぼうやとは…」

 レイン様が僕を見つめながら言った。綺麗な人なので、照れてしまう。

「なんと! では最初のあれでネクロマンスは成功してたというのか! 魔王様の本にも不可能と書かれていたのに…シオン殿はやはり…天才だな! 今日はご馳走を用意してお祝い! …いやもう夕食は食べた後だったか…夜食は太るからな…スタイルがくずれる…」

 黒騎士さんが何かを思案しているようだ。

「あの、レインさん…」

 僕には、レインさんに確認しておきたいことがあった。

「何かね、あるじ様」

「貴方は英雄だって聞きました、それなのに僕なんかが貴方のマスターになっていいんでしょうか?」

「…どういうことだね? 」

「僕が貴方にふさわしいのかなって…僕は別に英雄でもなんでもない普通のネクロマンサーなので」

「ふさわしいも何も、私を蘇らせたということで君のマスターとしての資質は証明されているよ。どうやら、あるじ様はずいぶんとおくゆかしい方のようだな。私を復活させるほどのネクロマンサーなのに偉ぶったところがまったくないとは…気に入った。あるじ様なら、私が従うにふさわしい」

 何故か気に入られた。正直な気持ちを話してるだけなのに。

「シオン殿…貴方は自分がどれだけの偉業をなしとげたのかわかっていない! 竜人レイン様は魔王軍ならば子供でも知っている大英雄だ。そのレイン様の復活させたシオン殿の功績は計り知れないのだぞ…おそらく、この事が知れ渡れば、大騒ぎになる」

「…そんな大事なんですか」

「そうだとも。だからこそ、この偉業をまずは魔王様に報告せねば…! 魔王様もきっと喜ぶぞ! レイン様がいれば王国との戦いも一気に有利になることは間違いない…!」

「喜んでもらえるなら良かったです」

「よし! では私は魔王様のもとに報告へ行ってくるので、シオン殿はぜひ、レイン様と親交を深めてくれ!!」

「親交ですか」

 英雄と親交を深めるって…。

「私はあるじ様に興味があるな…一体どこでネクロマンサーとしてそれだけの実力を身につけたのだね? 」

「どこと言われても…ネクロマンサーで冒険者になってからはがむしゃらにこき使われてただけだから…あの時は地獄だったけど、もしかしたらあの経験が僕を成長させてたかなぁ」

 僕はレインさんに冒険者だった時のことを話した。【クロスオブゴッド】が僕のアンデッドなのに、ネクロマンサーの僕を追放したことには、そんなことがあるのかと驚いていた。

「なるほど…シオン殿は苦労されてきたのだな…天性の才能もあるのだろうが努力家だったのだな。そんな状況を耐えることができる人間がどれだけいるか…」

「いえ、僕なんてましですよ。冒険者なんて、命があるだけでラッキーなんですから」

「…しかし、その者たちはよほど実力がなかったのだな。ある程度の魔力感覚を持つものならば、シオン殿が自分の主であることに気づけたはずだ」

「そうなんですか」

「うむ。低級アンデッドの中には調教をしないと、自分の主を理解することができないこともあるのだよ。その者たちもきっとそのパターンだろうな」

「そういえば、あの三人今頃どうなってるんだろう…」

「アンデッドが主から離れれば、魔力の供給がなくなって、普通ならその体をまともに維持できずにすぐに腐っていくだろう。今頃は理性も失って、野良のアンデッドとしてモンスター化しているはずだが…何分シオン殿は規格外だからな、意外といまだに本人達はアンデッドであることを気づかずに冒険しているかもしれないな」

「そうなんだ…可愛そうだな」

「…彼らが憎くないのか?」

「そりゃパーティーから追い出されたときは、恨んだけど。今は魔王軍にさそってもらって、僕なんかじゃもったいないほどのいい人たちに囲まれてるから…むしろ追放してくれてありがとうって感じなんだよね。だからできればあの三人も元気に生きてくれればいいなと思ってるよ…」

「あるじ様…あなたは底なしの善人だな…そんな心の持ち主だからこそ、これほどまでにネクロマンサーとして実力を持つことができたのだろうな。ネクロマンサーの資質は『優しさ』だといわれている。優しいがゆえに人の死を悲しみ、【死】という万人に降りかかる理不尽を認めることができない。そんな者がネクロマンサーとして目覚めるといわれている。私も生前、何人かネクロマンサーと会ったことがあるが、彼らも優しい者ばかりだった…ただ、君はそんな彼らと比べて特別だな。普通ならそんな目に遭わされて恨むどころか、相手の幸せを願うなんてことはできることじゃないよ」

そんな風に言われると、恥ずかしい…。しょうじき、あの三人のことなんて、どうでもいいぐらい今が幸せなので、向こうのことも考える余裕があるだけで、もしも状況が違ったら今でも恨んでいたかもしれないんだから。

「いや、正直レインさん相手だから格好つけたというか、それなりに恨んではいるんですよ? 追放されたときは不幸になれって思いましたから。僕はそんな善人じゃないですって」

「…そう恥ずかしがるな。私は嬉しいよ。こんな素晴らしいあるじ様に仕えることができるのだから…かりそめの命ではあるが…私の誇りにかけてあなたを守り抜く事を誓おう…たとえ、かの邪神と敵対することになったとしてもな」

「邪神って…あの有名な追放された女神…」

「そうだ。そういえば、かの邪神も考えようによってはシオン君と似たような境遇の女神だな…シオン君と違って、やりすぎなぐらい復讐をしてるが」

 邪神アルケミアは、この世界を創った女神の一柱だといわれている。なぜ彼女が邪神とよばれているか。それは彼女が仲間の神の多くを葬った神殺しの神だからだ。それには同情すべき事情があるのだけど。

 そんなことを考えていたら、ミミがレインさんの傍によって、翼を見上げながらこう言った。

「ねぇ、レイン様ってやっぱり竜人だから飛べるの? どれぐらい高く飛べるの?」

「ん? そうだな…どれぐらいだろうか」

「姉様の質問に1ミリの狂いもなく正確に答えてあげてほしいです」

「それはさすがに無理だな…はかりをもって飛んだことがあるわけではないから…、まぁ空気があるところならどこまでも高く飛べるはずだ。実際にはある程度までいくと神界の領域で結界が張られているから、そこから先はわからないがな」

「神界かぁ、普通に生きてたら意識することもないけど…実際にあるんだよね」

「神は殆どが下界に興味のないが、極まれに干渉する者が降りてくることがある…迷惑な連中だよ

「そうなんだ…会ったことないからわかんないや」

「…神様なんてきまぐれなもんです。姉様を生み出したこの世界を作ったことだけは褒めてやってもいいです」

「ミミとタマといったね。もしも空に興味があるなら、私の背に乗って空でも飛ぶかね? 主様もどうだね?」

「えぇ!? いいの?」

「あ、僕高いところはちょっぴり苦手なんですよね…」

「…あるじ様は高所恐怖症かね、…本当にかわいいな。さすが私のあるじ様になっただけある」

 …かわいさはネクロマンサーに必要なのだろうか。
しおりを挟む
感想 111

あなたにおすすめの小説

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた

黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。 名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。 絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。 運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。 熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。 そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。 これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。 「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」 知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

処理中です...