異世界遺跡巡り(改)

小狸日

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002ファーストコンタクト

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俺と浩司はタランキュラスに近付くと、魔力を込める。

「俺が先手をきる。2人をサポートするから、浩司はタランキュラススの牽制を頼む。」
「任せろ、2人を助けるぞ。」
「行くぞ、ロックランス」

タランキュラスの足もとに土の槍を発生させるが、飛び跳ねてよけられる。
巨体のくせに、想像以上に動きが素早い。
奇襲で1体も倒せないのは予定外だったが、後は浩司に任せる。
1人が最も大きい個体に向かって走り始め、同時にもう一人が後ろに隠れるようにして同じ個体に向かっていた。


******

タランキュラスが飛び跳ねると同時に、ガラを狙って糸を吐く。
避けようとしたが体が限界で、動きが間に合わない。
しかし糸は空中に出現したシールドに阻まれ届くことは無かった。
ようやく、2人は魔導師に援護されている事を知る。
他のタランキュラスが寄ってこないのも魔導士の力だと。

「一気に行くぞ。」

ガラが声を掛けタランキュラスのボスに向かって一気に走り抜けた。


******

俺はシールドでタランキュラスの糸を防ぎ、2人をサポートし続ける。
後は、あの個体の動きを封じ込めれば彼等が止めを刺すと考え魔法を発動。

「ダークバインド」

地面から伸びた影の触手がタランキュラスを捕まえ動きを封じ込める。

『一人の時に、魔法名を叫んでも意味が無かろうに。これがお主らの言う中二病ってやつか。』

再び俺の頭の中に男の声が聞こえる。

「戦いの最中に、余計な事は言うなよ。」

俺はその声に文句を言いながらも、タランキュラスが動けない様に固定した。


******

タランキュラスの動きを完全に封じ込めるのを見て、ガラとレオは驚きながらも走るのを止めない。

「頭を叩き潰すぞ。」

一気に走り抜けガラが剣を振るう。しかしまだ浅い。
しかし、ここまで傷つければ問題無かった。

「これで終わりだ~。」

切りつけた場所にレオの大剣が根元まで突き刺さり、タランキュラスは動きを止めた。
2人はタランキュラスの動きが止まると直ぐに剣を引き抜き身構える。


******

俺が浩司の方を見ると倒せたのは1体だけと苦戦していた。
タランキュラスは大きさに似合わない動きで魔法をかわし攻撃の機会を伺っている。
一番大きな固体が倒されても、逃げるそぶりは無い。

「そっちは片付いたみたいだな。こっちを手伝ってくれ。」
「任せろ。ダークバインド」

影の触手でタランキュラスの動きを封じ込めた所に

「ライトニング」

浩司から雷がほとばしりタランキュラスの頭にめがけて放たれる。
確実に1体づつ。そして最後の1体を倒した。

「何とかなったな。」
「俺達のコンビは最強だな。さて、あの2人に会いに行こうぜ。異世界人とのファーストコンタクトだ。」

浩司は嬉しそうに助けた男達の方へ歩ていく。
俺はこれで浩司との2人旅も終わってしまうと残念に思いながらも、人と会えたことに安心していた。


倒したタランキュラスの側にいた2人も俺達の方へ近づいてきた。
俺は目に光の魔力を込め相手を確認しながら様子を伺っていると、銀髪で無精ひげの男が声をかけてきた。

「さっきは助かった。俺はガラ。こっちは相棒のレオだ。」
「俺は浩司。こっちが相方の拓ちゃん。」

レオが相棒と紹介された時の表情が一瞬陰ったように見えたが気のせいだろうか。
ガラとレオは戦闘で傷だらけだ。服が血で滲んでいる。
この先の事を考えると魔力は温存しておきたいので、俺は腕輪型のアイテムボックスからポーションという魔法薬を取り出し2人に渡す。
アイテムボックスは空間と時間を捻じ曲げ、入れた物を入れた時の状態で保存できる魔道具だ。
ただし、光属性と闇属性の魔力が有って使える特殊な魔道具だ。
闇属性の魔力で覆って収納し、光属性の魔力で収納した空間から引き出す。
正確には分からないが、俺が身に着けているのは感覚的に大きな体育館2個位の容量だろうか。

何故かレオが俺のことを不思議そうに見ながら受け取るが、飲むと2人の傷が治っていく。
2人は自分達の傷のあった所を確認していた。

「すごい良質なポーションだな。それに不味くない。」

俺もこのポーションを飲んだ事が有るが、ハッキリ言って不味い。ガラの味覚は壊れているとしか考えられない。
浩司も同じことを考えていたのだろう。ガラの言葉に微妙な顔をしていた。

「ありがとう、お陰で問題無く動ける。
 それにしても、拓はアイテムボックスを持っているんだな。
 その力は人に見せない方が良い。余計なトラブルに巻き込まれる。」

俺は自分の腕にはめてあるアイテムボックスを見ながら、教えてくれたことに礼を言う。

話を聞くと、ガラとレオは2人でパーティを組んで冒険者をやっていた。
今回は薬草を採取の依頼を受けたのだが、採取した場所が悪くタランキュラスに遭遇してしまった。
俺と浩司は隠居した魔導師の弟子で、師匠が亡くなり初めて町に行く途中で迷子になっていたと説明する。
俺と浩司は、レオの事を意識してしまい、ガラとレオは俺の事が気になっているみたいだ。

町まで4人でパーティを組むことにし、歩きがてら色々と教えてもらう事にした。
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