異世界遺跡巡り(改)

小狸日

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004異世界転生

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「拓ちゃん寝たか?」
「いや、未だ起きているよ。色々あって寝付けない。」

俺達は初めて出会った異世界人がガラとレオで良かったと思っていた。

『どうするつもりじゃ。自分達の事を話すのか?』

俺の頭の中で男の声がする。

「グリムが話しているのか?俺も話に混ぜてくれ。」

浩司はそう言って俺を後ろから抱きしめると、大きな体に俺の小さな体はすっぽりと納まってしまう。
俺の頭は、浩司の厚い胸板に押し付けられる。
浩司が俺に触れると、浩司の頭の中にも男の声がする様になった。

グリムは400年前に存在していた魔導士。
今、話しているのは魔道具の黒い本に移したその意識の一部。
その魔道具の本は、俺のアイテムボックスの中に保管されている。
何故か俺とは直接意思疎通をが出来るが、浩司は俺に触れないと声が聴こえない。

そして俺と浩司は異世界人。この世界の人間では無い。
俺と浩司は元の世界で事故に遭い、気が付けば目の前に神様が・・・という設定はなく、深い森の中の一軒家で目覚めた。
その地下に描かれた魔法陣によって魂が呼び込まれ肉体が再構築された。
本来、グリムが自分の転生の為に構築した魔法陣だったが、何故か俺達2人が召喚された。
浩司は元の姿で復活した。
しかし、俺は元の世界では46歳のサラリーマン。
それが今では・・・子供の姿になっている。

俺と浩司、そしてグリムの魔力は全く同じらしい。
指紋の様に人によって魔力の波長とでもいえる物が異なるらしいが、全く同じというのは奇跡のような事らしい。
そしてこの奇跡によって、俺と浩司の魂が魔法陣に呼びこまれ、魔力が足らずに俺が子供になったと考えていた。
あくまでもグリムの推測で、確かな事は分からない。
そもそも、異世界の存在なんて知らず、この転生の魔法陣もグリムのオリジナルで他に例がない魔法だった。

「森の中で魔導士に育てられた設定のままで良いんじゃないか?
 その魔導士が世間ずれしていて、俺達も一般常識がズレているって感じで。」
「俺は、拓ちゃんの考えで良いよ。」
『まぁ、良いじゃろう。しかし、吾輩がズレているのではなく、人族が愚かなだけじゃぞ。
 魔法についてはどうする?』

この世界には9属性の魔法と、それとは別に固有魔法というのが存在する。
俺が使える魔法は光、闇、土(金属)、木の4属性
浩司が使える魔法は火、風、水、雷、氷の5属性
光と闇魔法の2属性を持っていれば特殊魔法と呼ばれる錬成術が使え、物質の変形や組成の再構築、ある程度の原理さえ分かれば化学反応も促進出来る。
そして雷と氷は上位魔法と言われ他の属性魔法より強い力を持っている。

ガラとレオに隠す気は無いが、一般的では無いのなら あえて話すのは止めておく。

「しかし、やっと異世界の冒険が始まったな。」

この世界に来てからグリムの猛特訓を受け言語や魔法を使えるようになってから近くの村へ行こうとしたのだが、道中は不安で仕方なかった。
グリムの知っている地理とは悪い意味で違っていた。

「グリム。本当にこの辺りに村が在ったのか?」
「何故、こんなに森が深いんじゃ。もしかすると、400年の間に無くなってしまったのかも知れんな。」

こんな会話を何度も繰り返していた。
見つかったとしても、草木に埋もれた廃墟の跡。
今なら戦争によって無くなったと推測できるが、一時は人類が絶滅したのではないかと心配しながら森を彷徨っていた。

「これから向かうのは、どんな町なんだろうな。」
「技術が衰退していると言っていたから、期待はしない方が良いかもよ。」
「まぁ、美味い物が有れば、俺はとりあえず満足するよ。」

2人で町での生活について話していたが、

『儂が探索魔法で周囲を監視しておくから、そろそろ寝た方が良いじゃろう。』

グリム自身は魔法を使うことは出来ないが、俺の魔力を使って周囲の探索を行うことは可能だ。
3人で旅をしていた時も、寝るときはグリムに周囲の見張りをお願いしていた。

******

ガラは拓に用意してもらったデッキチェアに横になり空を見上げていた。
隣で同じように横になっているレオに話しかける。

「あの2人は何者なんだろうな。あれだけの力を持っていて世事に疎い。
 このまま、俺達とチームを組んでくれたら良いのにな。」

今が何日かも知らず、子供でも知っている様な歴史も地理も知らない。
それに、レオにも同じ様に接していた。
それどころか、獣人を始めて見た様な反応。
本当に他の人との交流が無い中で生きて来た様だ。

「俺にも、あんな凄いポーションをくれるとは思わなかった。
 しかし、彼等が現状を知ったらどうするかな。皆がガラの様に考えられるとは思えない。
 俺だって、逆の立場ならどうするか自信が無い。それに、あれだけの魔法が使えるのなら引手数多だろう。」
「そうだよな、俺達にはもったいない位の腕だよな。しかし、まるで俺が変人みたいじゃないか。」

笑った後、そのまま黙り2人は空を見上げていた。
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