異世界遺跡巡り(改)

小狸日

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007OZ

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「新しいパーティーに乾杯!」

直ぐにパーティ登録を行い、発足祝いで居酒屋に来た。
ここは、獣人達が多く集まる店で、客は圧倒的に獣人が多い。
店によっては獣人というだけで嫌がる所も少なく無いらしい。

改めて自己紹介をすると、ガラとレオは2人とも21歳だった。
獣人を見るのは初めてなので良く分からないが、拓はガラを30代だと思っていた。
年齢を聞いた時、思わず驚きを口に出してしまったが笑って許してくれた。
逆に2人は俺の見た目と中身にギャップを感じているそうだ。
実際に、中身は47歳で一番年上だから仕方ないだろう。

既に亡くなっているガラの父親は男爵だった。
過去に手柄をたて貴族の称号をもらっていた。
但し、一代だけの称号で引き継ぐ事は無く、独り立ち出来るようにガラは父親に徹底的に剣術を叩き込まれたらしい。
母親も早くに亡くしていて、男爵の称号が無くなってから幼馴染のレオと2人で冒険者パーティとして活動を続けてきた。

「本当に良かったのか。俺なんかとパーティを組んで。」

レオが申し訳なさそうに話して来る。

「それなら何で昨日パーティに誘ったんだよ。」
「それは、一緒に行動していて良いと思ったから・・・でも俺がいると足を引張る。」

俺はギルド会館での事を思い出して嫌な気持ちになる。

「別に勢いだけでパーティを組みたいと言った訳じゃない。
 2人とは気が合いそうだし、4人で戦った時のバランスも良いと思ったんだ。
 浩司と2人で戦っていた時より、ずっと安定した戦いが出来ていた。
 それに、2人と出会えたのも縁だと思う。」
「拓ちゃんの言う通りだ。攻撃パターンを増やせば、絶対に良いチームになる。
 人族は瞬発力、獣人は持久力を生かした戦い方を組み立てれば良い。」

俺の話に浩司も賛同する。
そして、パーティ名を決めることになり、俺がOZ(オズ)という名前を提案する。
竜巻に巻き込まれて知らない国にやって来た女の子が、そこで出会った仲間と一緒に冒険する物語の名前だ。
ガラもレオも仲間と一緒に冒険する物語だと聞いて受け入れてくれた。

「良いかもな、じゃあOZに決定だな。改めてOZに乾杯!」
「「「OZに乾杯」」」

浩司の音頭で、皆で乾杯をする。

『儂の事は紹介してくれんのか?』

頭の中にグリムの声が聞こえてくる。

「あっ、紹介が遅れたけど実は仲間がもう一人居るんだ。」
「その人は何処に居るんだ?」

ガラが不思議そうに拓を見る。

「腕輪に収納している本に、グリムという昔の魔導師の意識が宿ってる。俺達の師匠なんだ。
 グリムの声はガラやレオに通じないけど、2人の声はグリムに通じてるよ。」
「信じられないが、2人が言うなら本当なんだろう。」
「そうだな。グリムも宜しくな。」
『任せるがいい。』

グリムの言葉を伝えて、改めて5人として乾杯を行った。
そうしている内に、俺と浩司が楽しみにしていた異世界料理が出てきた。
炒め物に煮物、そしてサラダにスープ
塩で味付けを行っただけで不味くは無いが、美味いとも言えない。
しかし、凄い発見があった。
ふっくらとしたナンの様な物とチャーハンの様なのが出てきた。

「拓ちゃん、これって」
「柔らかいパンと米が有るんだ。」

思わず、拓と浩司がハイタッチ。これで一気に食生活が改善される。
後、醤油や味噌があれば大満足なんだが、使われていないみたいだ。
食材について色々と尋ねていると、明日はバザーが有るそうなので、連れて行ってもらう約束をした。
グリムは魔法の知識は凄いが食べ物に関しては無頓着で、マジックバックに保管されていたのは主食の固いパンと適当にかき集めた食材。
俺が有るもので何とか料理を作って形にしていたが、本当に辛かった。

俺と浩司が今日泊る宿を探そうとすると、ガラが家に誘ってくれた。
親が残した建物を管理し続けるのは難しく、売った財産で倉庫を購入したそうだ。
放置して変な奴等が居つかない様にする目的も有ったみたいだ。
2人は一緒に住んでいて、家は獣人達が多く住んでいる区域にあった。

「広いだけで何も無いが、作りはしっかりしてる。」

元々は穀物用の倉庫兼従業員の簡易宿泊所。
この付近は農場だったらしいが、戦で畑が荒らされ、人々が住みつくようになり倉庫だけが取り残されたらしい。
1階は今は居間と稽古場として使っていると言うが、端の方に台所と水回りがあり、広い空間にテーブルとイスがポツンと置いてあるだけだった。
2階は広い部屋が4つ。
昔の従業員はここで集団生活でもしていたのだろう。
古いが中は奇麗にしてあり、元倉庫と言う事もあり建物自体もしっかり出来ている。ただ、広過ぎて寒々しい。。
周辺の道が狭く倉庫として使い難く、生活するには住みずらい。
壊すにしても頑丈すぎ、放置すると変な奴等の溜まり場になってしまう。
更に獣人達の住んでいる地区という事も有り超激安物件、まともな人が住んでくれるのなら有難いと思われる程だった。
明日2部屋を掃除すると言うので、今夜は一階で寝させてもらう。

広間にマットを取り出し横になると、ギルド会館での事を思い出す。

「なあグリム、グリムの時代も獣人の差別なんてあったのか?」

俺がグリムに話かけると、浩司が抱きついて来る。

『残念ながら儂の時代にも、魔法を重要視する一部の人族が差別をしていた。
 しかし、他は差別なく暮らしておったぞ。
 獣人は魔法が使えない分、身体能力が優れているからな。
 儂の時代、戦いでは魔道具も使いながら各々の特性を生かして連携しておった。
 それなりに魔道具も有ったしな。』

昔と今では随分と変わってしまったみたいだ。
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