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116オリバー隊長
******(オリバー隊長)
結婚して、念願の子供も授かった。
騎士団でも実力が認められ、充実した日々を過ごしていた。
しかしある日、子供が高熱を出して寝込んだ。
「貴方、こんな時にまで仕事に行かないで子供の側に居てあげて。」
妻に言われたが、今日は王族の護衛の為、休むわけにはいかなかった。
そして妻とはいえ、仕事の内容を話す事は許されていない。
「赤子は少しの事で体調を崩す。そこまで心配しなくても大丈夫だ。」
子供の事が心配だったが、俺は仕事に出かけた。
仕事が終わり急いで家に帰ると、泣いている妻と冷たくなった息子の姿。
俺が家を出た後、息子の様子が悪化し、医者に見せたが遅かったそうだ。
それからは家に居ると妻とは少しの事でも口論となり、分かれるまで時間は掛からなかった。
1人になった俺は、酒に逃げる生活が続けた。
毎晩1人で酒場で酔い潰れていた。
そんな状態で1年も経てば、降格され俺は新兵と城壁の外の見回りをする毎日だ。
俺は年下の新兵にも笑われるような腑抜けだったが、
その時の俺には、もうどうでも良いという感情しかなかった。
ある日、何時もの様に見回りをしていると子供の冒険者がダークウルフの集団に襲われていた。
腑抜けた俺や、新兵で助けられるだろうか。
自分の子供が病気でも騎士団の仕事を優先したにも関わらず、今の腑抜けた状態はなんだ。
こんな時になって、酒浸りの自分を呪った。
「俺が前に出て、ダークウルフの注意を引く。
その間に、冒険者を助けてくれ。」
今の俺にどれだけ時間稼ぎが出来るかは分からないが、叫んでダークウルフへ切り込んでいった。
俺に合わせて新兵の1人もダークウルフに切り込んで行く。
結果、冒険者は助けられ、俺はかすり傷程度の怪我しかしなかった。
「オリバーさんが注意を引いてくれたので、何とか倒す事が出来ました。」
そう言って手を差し出す新兵。
この男なら、俺なんかが居なくても討伐が出来ていたはずだ。
見回りの中に、これ程の腕の立つ男が居る事すら俺は知らなかったのだ。
その日から、俺は今までのブランクを埋める為に訓練を行った。
時間は掛ったが腑抜けた前の状態にまで戻る事が出来た。
その頃には、俺を助けてくれた男は秀でた武術で騎士団でも注目される存在となっていた。
彼は平民の出身だったが昇級し、自分の隊に入らないかと俺を誘ってくれる。
俺は彼の隊に入り、自分を鍛え続けた。
彼は将軍となり、何時の頃からか「最強の武人 バラン将軍」と呼ばれるようになっていた。
そして俺は彼の右腕となるべく大隊長の地位を与えられた。
サリナ姫の護衛でブルネリ公爵邸に伺った時に、拓殿と会った。
事前にバラン将軍から活躍を話を聞いていたが、サリナ姫と話す姿は普通の子供だった。
いや、王族や公爵と普通に話すなんて普通ではないのだろう。
息子が生きていれば、拓殿と同じくらいの年齢になっていただろう。
つい息子の姿を重ねて、構ってしまう。
イルミネーションの点灯が行われ、俺はサリナ姫、ブルネリ公爵の後ろで周囲を監視していた。
そして魔力暴走が起きた時、拓殿がシールドを張って守ってくれた。
全員が気を抜いた時、魔力暴走をさせてブルネリ公爵を襲う奴に気が付き俺は体当たりをして防いだ。
手も足も全く感覚が無い。シールドを張ったがあの爆発で手足が駄目になったのだろう。
気を失いそうな中、誰かが薬を飲ませてくれるが俺の体は薬外だ。
薬を飲んでも助かるはずが無い。
「皆を守って欲しい」と言葉をだすと怒鳴る声が聞こえたが、もうその言葉を聞き取ることができなかった。
このまま、死んで行くのか。
急に自分が光に包まれて、痛みも無くなり中に浮いた感じがする。
死ぬというのは、こういうものなのか。
こんなに心地良いとは思わなかった。
そのまま光の中で記憶が途絶えた。
次に気が付いた時には、俺はベットの上だった。
自分に何が起きたのか分からない。
次第に、魔力暴走を防いだ時の記憶が蘇って来て、自分の手足を確認すると怪我も無く自由に動く。
あの時、確かに手足がもう駄目になったはずなのにどうして・・・。
「一体、どうなっている。何故、俺は生きている。」
俺が起きた事に気が付いた部下が拓殿やOZが俺を助けてくれた事を話してくれた。
「拓殿は、拓殿は大丈夫なのか。」
薬外なのにどうやってという疑問より、拓殿の安否が気がかりだった。
部下に連れて行かれた部屋で見たのは、昏睡状態の拓殿の姿。
更に、俺を助けようとしたピース医師も全身が麻痺してしまっていた。
俺の為に、2人をこんな目に合わせてしまった。
俺の為に、何故こんな子供が傷付かなければならい。
そして、ピース医師まで麻痺で体を動かせないなんて。
ピース医師の生活を手伝い、拓殿の様子を伺う日が続く。
俺はどうなっても良い、どうか2人を助けてくれ。
拓殿の意識が戻ったと聞いて直ぐに部屋に行った。
良かった、本当に良かった。
2人とも治ると聞いて涙が流れた。
結婚して、念願の子供も授かった。
騎士団でも実力が認められ、充実した日々を過ごしていた。
しかしある日、子供が高熱を出して寝込んだ。
「貴方、こんな時にまで仕事に行かないで子供の側に居てあげて。」
妻に言われたが、今日は王族の護衛の為、休むわけにはいかなかった。
そして妻とはいえ、仕事の内容を話す事は許されていない。
「赤子は少しの事で体調を崩す。そこまで心配しなくても大丈夫だ。」
子供の事が心配だったが、俺は仕事に出かけた。
仕事が終わり急いで家に帰ると、泣いている妻と冷たくなった息子の姿。
俺が家を出た後、息子の様子が悪化し、医者に見せたが遅かったそうだ。
それからは家に居ると妻とは少しの事でも口論となり、分かれるまで時間は掛からなかった。
1人になった俺は、酒に逃げる生活が続けた。
毎晩1人で酒場で酔い潰れていた。
そんな状態で1年も経てば、降格され俺は新兵と城壁の外の見回りをする毎日だ。
俺は年下の新兵にも笑われるような腑抜けだったが、
その時の俺には、もうどうでも良いという感情しかなかった。
ある日、何時もの様に見回りをしていると子供の冒険者がダークウルフの集団に襲われていた。
腑抜けた俺や、新兵で助けられるだろうか。
自分の子供が病気でも騎士団の仕事を優先したにも関わらず、今の腑抜けた状態はなんだ。
こんな時になって、酒浸りの自分を呪った。
「俺が前に出て、ダークウルフの注意を引く。
その間に、冒険者を助けてくれ。」
今の俺にどれだけ時間稼ぎが出来るかは分からないが、叫んでダークウルフへ切り込んでいった。
俺に合わせて新兵の1人もダークウルフに切り込んで行く。
結果、冒険者は助けられ、俺はかすり傷程度の怪我しかしなかった。
「オリバーさんが注意を引いてくれたので、何とか倒す事が出来ました。」
そう言って手を差し出す新兵。
この男なら、俺なんかが居なくても討伐が出来ていたはずだ。
見回りの中に、これ程の腕の立つ男が居る事すら俺は知らなかったのだ。
その日から、俺は今までのブランクを埋める為に訓練を行った。
時間は掛ったが腑抜けた前の状態にまで戻る事が出来た。
その頃には、俺を助けてくれた男は秀でた武術で騎士団でも注目される存在となっていた。
彼は平民の出身だったが昇級し、自分の隊に入らないかと俺を誘ってくれる。
俺は彼の隊に入り、自分を鍛え続けた。
彼は将軍となり、何時の頃からか「最強の武人 バラン将軍」と呼ばれるようになっていた。
そして俺は彼の右腕となるべく大隊長の地位を与えられた。
サリナ姫の護衛でブルネリ公爵邸に伺った時に、拓殿と会った。
事前にバラン将軍から活躍を話を聞いていたが、サリナ姫と話す姿は普通の子供だった。
いや、王族や公爵と普通に話すなんて普通ではないのだろう。
息子が生きていれば、拓殿と同じくらいの年齢になっていただろう。
つい息子の姿を重ねて、構ってしまう。
イルミネーションの点灯が行われ、俺はサリナ姫、ブルネリ公爵の後ろで周囲を監視していた。
そして魔力暴走が起きた時、拓殿がシールドを張って守ってくれた。
全員が気を抜いた時、魔力暴走をさせてブルネリ公爵を襲う奴に気が付き俺は体当たりをして防いだ。
手も足も全く感覚が無い。シールドを張ったがあの爆発で手足が駄目になったのだろう。
気を失いそうな中、誰かが薬を飲ませてくれるが俺の体は薬外だ。
薬を飲んでも助かるはずが無い。
「皆を守って欲しい」と言葉をだすと怒鳴る声が聞こえたが、もうその言葉を聞き取ることができなかった。
このまま、死んで行くのか。
急に自分が光に包まれて、痛みも無くなり中に浮いた感じがする。
死ぬというのは、こういうものなのか。
こんなに心地良いとは思わなかった。
そのまま光の中で記憶が途絶えた。
次に気が付いた時には、俺はベットの上だった。
自分に何が起きたのか分からない。
次第に、魔力暴走を防いだ時の記憶が蘇って来て、自分の手足を確認すると怪我も無く自由に動く。
あの時、確かに手足がもう駄目になったはずなのにどうして・・・。
「一体、どうなっている。何故、俺は生きている。」
俺が起きた事に気が付いた部下が拓殿やOZが俺を助けてくれた事を話してくれた。
「拓殿は、拓殿は大丈夫なのか。」
薬外なのにどうやってという疑問より、拓殿の安否が気がかりだった。
部下に連れて行かれた部屋で見たのは、昏睡状態の拓殿の姿。
更に、俺を助けようとしたピース医師も全身が麻痺してしまっていた。
俺の為に、2人をこんな目に合わせてしまった。
俺の為に、何故こんな子供が傷付かなければならい。
そして、ピース医師まで麻痺で体を動かせないなんて。
ピース医師の生活を手伝い、拓殿の様子を伺う日が続く。
俺はどうなっても良い、どうか2人を助けてくれ。
拓殿の意識が戻ったと聞いて直ぐに部屋に行った。
良かった、本当に良かった。
2人とも治ると聞いて涙が流れた。
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