異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
156 / 761

156出版

しおりを挟む
「オリバーさん、それにクリームの皆さん、お久しぶりです。」

オリバーさんとクリームのメンバーが馬車でラグテルの町にやってきた。
ブルネリ公爵からレオ宛ての積み荷が搭載されている。

「これって、もしかして、」

「そうです。今度、レオ殿が出版される本です。」

周りへの影響を配慮し、内容をブルネリ公爵にも確認し修正を行っていた所
ブルネリ公爵領でも販売する代わりに、製本をブルネリ公爵側で格安でやってくれることになった。
来年からオープンするエチゴさんの支店で扱う事にしたらしい。

「凄い、本当にレオの本が出来上がったんだ。何だか感動するな。
 あれ、レオどうしたの。」

俺が喜んでいる間、レオは荷台の本を見て固まっている。

「いや、勿論嬉しいが、こうして見ても現実感が無くてな。」

「何を言っている。ほら、早く自分で中身を確認しろよ。」

ガラに背中を押され、震える手で本のページをめくっていく。
丁寧に、1ページづつ、しっかりと目を通している。

「本当に良く出来ています。ありがとうございました。」

エチゴ屋では明日から本に合わせてピーラーとスライサーも販売するらしい。
レオ、エチゴさん、アルは馬車と一緒に店に行くことになった。
店を閉めてから準備を行い、明日は店頭で販売を行うため今日は店の方に泊まることになっている。

エチゴ屋のオープンは5:00と早い。
これは、冒険者が出発する時間に合わせているからだ。
俺と浩司とガラは店の前でオープン1時間前から待っている。
10分前にはニックさん、オリバーさん、アークやクリームのメンバーもやってきた。
店を開けようとエチゴさんが出てくると、俺達を見て驚いたが、直ぐに笑って

「今店を開けますので、もう少しお待ち下さい。レシピ本は左側に置いてありますよ。」

売場には、レオとアルが既に待機していて俺達の姿を見ると本を1冊づつ取って手渡ししてくれる。
昨日、レオは本を渡そうとしてきたが、俺はどうしても店に並んでも1番に買いたかった。
俺も浩司もガラも1人1冊づつ。他に孤児院の分として3冊。
オリバーさんは騎士団仲間から頼まれていたらしく11冊購入していた。
わざわざ、ここで買って荷物を増やさなくてもと思ったが、レオが出す本はきちんと購入したかったそうだ。
本自体は軽い雑誌くらいで銀貨3枚。
普通なら、この3倍でも十分売れると言っていたが、広く知ってもらうため安く設定している。
初めの構想についてはレオと一緒に検討していたが、ブルネリ公爵との話で最終的にどうなったかは知らない。

「当初の予定から結構削られているな。丁寧に書かれているけど基本的なことばかり。
 本当に銀貨3枚で売れるのか?」

「拓から見たらそうかもしれないが、一般公開するのは画期的なんだぞ。
 エチゴさんや、ブルネリ公爵までチェックを入れたんだ、大丈夫だろ。」

夜は、ニックさん、オリバーさん、アークやクリームのメンバーを呼んでレオの出版記念パーティだ。
ダリウスさんも店を早く切り上げて来てくれた。
エチゴさん、アル、ダリウスさんの3人が揃っているのを見るのは久しぶりだ。
さっきから、アルとダリウスさんが嬉しそうに言い合いをしている。
ガラが前に出で手を叩くと静かになった。

「今日は、レオの為に来て頂きありがとうございます。
 身内自慢となりますが、レオの料理は本当に美味い。
 そんな料理上手のレオが、本を出版する事が出来たのも皆様のお陰だと思っています。
 では早速、今日の主役から一言。」

ガラが下がり、レオが前に出ると全員が拍手を送った。

「今日は、本当にありがとうございます。
 俺は、拓ちゃんに教わった事を本にしただけです。
 本来なら、拓ちゃんが受け取る拍手を俺が受け取っても良いのかな。」

急に場がしんみりしてしまい、俺に視線が集まる。何か言った方が良いよな

「俺が教えたのは基本だけです。後は、全てレオが考え努力して身に付けたレオの技術です。
 この本も随所にレオの工夫が盛り込まれている。
 もっと胸を張って皆の拍手を受けるべきだよ。改めて、おめでとう。」

「拓ちゃん、ありがとう。
 出来れば、人属、獣人属に関係なく、多くの人に料理が広まれば良いと思っています。
 そして、この様な本を出せた事を誇りに思います。
 本当に、ありがとうございます。」

レオが頭を下げると、全員から凄い拍手を受けていた。俺も手が痛くなるくらい拍手をした。
拍手が治まった所で、ガラがグラスを持ってレオの横に立った。

「では、皆さん、グラスを持って下さい。
 これから美味しい料理が広まってくれる事を願って、乾杯」

「「「乾杯」」」

ガラの音頭で食事会が始まった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...