異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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298空飛ぶ自転車

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ブルネリ公爵領でのイルミネーションに合わせて移動が始まった。
馬車の前で俺と浩司が自転車に乗っている。
俺の自転車の前に籠を付けてあり、ヤマトが乗っている。

『気持ちが良いにゃ。ほら拓、もっと振動が無い道を選ぶにゃ』

籠にクッションを引いてあるが、道が悪く振動を吸収しきれず飛び跳ねている。
それ以外は好調で、全く問題は無い。
少し街道を外れた所に小さな高台が有るので、周囲に人が居ない事を確認し浩司と登りスピードを出して飛び出す。

「エアウォーク」

エアウォークの効果を自転車まで広げて空を駆ける。
駆け抜けると言っても、飛び出した時のスピードで進みながら除所に下降しているだけだが気持ちが良い。
浩司に向かって手を振ると、浩司がサムズアップで答える。

『これは気持ち良いにゃ。もっとスピードを出すにゃ。』

ヤマトの希望に答えて、シールドを張り、その上を自転車で走り抜けスピードを上げる。
並行して走る浩司にもシールドを張って、一緒に空を走り抜ける。

『素晴らしい。全く素晴らしい魔法じゃ。風を受けられる様にすれば、完全に空を飛べるじゃろう。』

グリムが興奮している。空を飛ぶって気持ちが良い。
何度か行い、馬車を大きく引き離してしまったので街道に下りて皆を待つ事にした。
街道脇に座りお茶とケーキを取り出す。

『リッチが言うには、ガイアの門が開く前は、人は空を飛んでいたらしいにゃ。』

ヤマトが、耳に付けている魔道具で地下にあるモハメの神殿に居るリッチの言葉を伝えてくれる。

『先に言っておくにゃ。勇者から聞いただけで、空を飛ぶ魔法や魔道具については知らないらしいにゃ。』

俺が聞く前に答えられてしまった。
どうやら、リッチも俺の考えが読めるらしい。

「なぁ、拓ちゃん。ハングライダーで飛んでも良いんじゃないか。
 風魔法で補正をかけるだけなら、魔力消費も少しで済むしな。」

「ハングライダーか。椅子付きのやつも有ったな。
 風魔法にエアウォークが有れば、あり合わせの知識でもなんとかなるかな。」

『気を付けるんじゃ、愚かな考えをする人間もおる。下手をすると戦争の火種になるかも知れんな。
 これなら、拓や浩司位にしか出来ぬ魔法じゃから問題ないじゃろうが
 空を飛ぶ技術を持っている事も知らせない方が良いじゃろう。』

「確かにそうだな。しかし、俺も闇の魔力を持っていれば、もっと長い時間楽しめるんだけどな。」

『何を贅沢な事を言っておるんじゃ。普通なら、こんな風に飛ぶ事も出来んぞ。
 拓、そのハングライダーを作る時は他に知られない様にするんじゃぞ。』

グリムが止めろと言わないのは、ハングライダーに興味が有るんだろうな。
とりあえずは、模型で構造の確認でもしてみようか。

『それより、これからの対応を考えておいた方が良いんじゃないか。
 まぁ、魔力の訓練にもなるから問題は無いじゃろう。』

グリムは何を心配、いや楽しそうにしているんだ。
今回のメンバーは全員エアウォークの事は知っているし問題は無いと思うが・・・
馬車が合流すると、中からトリス練成術師が飛び出してきた。

「拓殿、浩司殿、何時の間に空を走る魔道具に改造をしたのですか。」

エアウォークとシールドを使って空を走っていたと教えても暫く興奮していた。
最後に自分も乗せて欲しいとお願いするので、後ろにトリス練成術師が立ち乗り出来るようにしてエアウォークで空を走ってみる。
その後が大変で、皆が乗りたいと言い始め、俺も浩司も魔力が続く限り空を走り続けさせられた。
俺達が疲れ切った後は、地上では皆が交代で自転車に乗って楽しんでいる。
お陰で自転車の性能の確認も行う事ができたが、皆の分も作る事になってしまった。
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