異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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310パレード

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音楽が鳴り響き、パレードが始まった。
門が開くと領民の歓声が起こる。
目の前でロダン領の人達が光る衣装を着た男性陣の迫力ある演武、女性陣の可愛らしい舞い
馬車の中段には光る鎧を身にまとったAランクの冒険者が光る剣、斧、杖をカッコよく振り回し
そして上段では同じく鎧をまとったブルネリ公爵、サリナ姫、バラン将軍がライトアップされ、同じ光る剣をかざしている。
防御を考えての衣装だったが、客観的に見てもカッコいい。
前回以上の華やかなパレードは大成功と言える。
見ている人達からは「カッコいい」「素敵」の声ばかりが聞えてくる。
ブルネリ公爵、サリナ姫、バラン将軍が手を振ると歓声が上がっている。

先頭馬車で、同じくライトアップされた着ぐるみ姿の俺と浩司

『拓の作った、剣君と斧ちゃんは全く受けとらんな。』

『それどころか、見向きもされてないにゃ。ここまで来ると、笑えるにゃ』

『その分、しっかりと周囲の監視が出来るじゃろう。良かったな。』

何も良くない。
グリムとヤマトが言う通り、全ての視線は皆に取られている。
多分、座っても誰にも文句は言われないだろう。
俺のプライドだけを壊して、パレードは順調に進んで行く。

おかしな気配は全く感じられず、屋敷が近付いてきた。
そんな時、一瞬嫌な魔力を感じたと思うと、観客の空気が一気に代わった。

「こんな遊びをしているなら、税金を安くしろ。」

「ブルネリ公爵の遊びに付き合っていられるか。」

「王族の人間なんて良い気なものだな。」

そう言い始め、観客を整理している冒険者に襲いかかり始めた。
それどころか、一部の冒険者も襲う側に回っている。

『拓、これは呪いじゃ。さっきの気配が観客の意識を改変したんじゃな。これなら解除できるぞ。』

俺は魔力を高め、解除の光魔法を周囲に放つと、呪いに掛かっていた観客が意識を失い倒れて行く。
その中で5人の男が状況を理解できずに立っている。

「ダークバインド。」

俺がダークバインドで動きを封じると、OZのメンバーが男達に飛びかかり身柄を取り押さえた。

「浩司、倒れた人を吹き飛ばして屋敷までの道を確保。
 そのまま馬車を屋敷に入れてたら、倒れた人の介護だ。急げ。」

浩司の風魔法で倒れた観客を道の両サイドへ吹き飛ばすと馬車を走らせる。
倒れた観客の奥に、女に向かって何かを言っているバラキエ侯爵が姿が見えた。
そして、その女は黒い髪を束ね、眼鏡を掛けていたがナターシャだった。
ダークマインドで捕まえようとしたが、気付かれ逃げ出した。

「ロウガさん、後は宜しく。」

俺と浩司は闇の魔力で気配を消して着ぐるみのままエアウォークで追いかけようとすると

『吾輩も一緒に行くにゃ』

ヤマトが俺の着ぐるみに張り付いて来た。
そして、ナターシャを人気の無い広場に追い詰めた。

「女1人をこんな場所に追い込んでどうするつもりかしら。拓さん、浩司さん。」

「何を言っている。」

何処から俺達の名前を知ったんだ。それに、着ぐるみのままなのに完全に俺達だとばれているみたいだ。

「貴方達が黒死病の治療をしているのを見て驚いたわ。
 その知識に魔力・・・一体何者なのかしら。」

見ていたと言う事は、この女が黒死病をばら撒いて村の人達を殺したのか。

『拓、落ち着くんじゃ。頭を冷やせ。良いか、ナターシャを必ず捕まえるんじゃ。逃すんじゃないぞ。』

頭に血が上った俺にグリムが声を掛けてくる。

「何の事を言っているのか分からないな。俺達は只の一般市民だよ。
 それより、黒死病を広められるお前こそ何者だよ。」

「それこそ、只の一般市民よ。黒死病を広めるくらい簡単な事よ。特別な事じゃないわ。
 混乱を起こして注意を逸らそうとしたら、こんなに面白い事になるなんてね。」

「簡単って、どうやったんだ。」

「私が教えると思う。でも貴方なら教えなくても出来るんじゃないかしら。」

全く、いけ好かない女だ。
怒りを抑えて対峙していると、ヤマトが信じられないリッチの言葉を伝えてきた。

『その女は、ムーサーにゃ。リッチの昔の仲間だった女だそうにゃ。』

アブラムとムーサ。この2人は地下にあるモハメの神殿にいるリッチの昔の仲間だ。
リッチ達が勇者を裏切る行動を起こした時に、勇者を追って去って行った2人。
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