604 / 761
604腕試し
しおりを挟む
朝早く、テントを片づけ馬車の準備をしていると
「「「おはようございます」」」
昨日来た、獣人の冒険者達がやって来た。
「今回、俺達が案内させてもらいます。」
昨日の代表のネコ族の男と犬族の男が2人前に出て自己紹介
トウさん、バンさん、ジャンさんだ。
運転席に兵士とトウさん達が乗り込み、遺跡に向かって出発する。
地元だけの事があり、休める場所を把握していて、まる1日掛かる移動行程だったが疲れは少なかった。
安全の為、遺跡よりかなり手前で馬車を止めテントを用意する。
獣人の3人はマントに包まり寝るつもりだった様だが、テントを用意させてもらった。
次の日、俺達は遺跡周辺の調査へと出発した。
クリスティーヌさん、兵士の4人とトムさん達はここで俺達が調査から戻って来るまで待機してもらう。
身支度を終え、俺達が出発しようとすると
「ちょっと待ってくれないか。
口出しして申し訳ないが、か弱い女性や子供を連れて行くのか。」
トウさんがそう言うと、ジェニファーさんが「か弱い女性だなんて」と喜んでいる。
ラグテルの町やマクニス王国だとAランク冒険者として顔が売れているのでか弱いなんて言われる事は無く、トウさんよりジェニファーさんの方が強いだろう。
「心配してくれるのは嬉しいが、大丈夫だ。
拓、トウさんと手合わせしてもらえるか。」
ガラが俺に話を振ってくる。何でと思ったが
『良い判断じゃな。奴も拓に負ければ実力を認めるじゃろう。
この場を収めるなら、一気に決めるのが一番じゃぞ。』
成程、一番弱そうな俺が実力を見せるのが最善という事か。やってみるか。
探検の前に無駄な魔力の消費は抑えたいので、一気に行かせてもらう。
「トウさん、拓、準備は良いか。先に一本取った方の勝ちとする。始め。」
ガラの合図で、俺は闇の魔力で気配を消し一気にトウさんの懐に入った。
そして、トウさんの喉元を剣の柄で軽く叩く。
「そこまで。」
ガラの言葉で試合は俺の勝ちで終了したが、トウさんが愕然としている。
「一体、何者なんだ。闇の魔力を纏って気配を消したんだよな。
1対1の試合で、気配を全く掴むことすら出来ないなんて・・・Aランク冒険者なのか。」
「いえ、俺はCランクの冒険者です。
ただ、気配を消すのと逃げ足の速さなら自信が有ります。
とりあえず、斥候としてなら役に立てますよ。」
「実力を疑ってすまなかった。是非、この原因を突き止めてくれ。」
どうやら、トウさんも納得してくれたみたいだ。
『我輩が聞いた話にゃら、小細工無しの実力による打ち合いの場面だったにゃ。
拓の早さに相手が付いて来れないにゃら分かるけど、気配を消すのはどうかと思うにゃ
そろそろ拓は、主人公っぽい戦いをした方が良いにゃ。』
このデブ猫は勝手なことを言ってくれる。
小細工無しで勝てれば苦労はしない。俺にそれだけの剣術が有る訳無いだろう。
うっそうと木が茂る丘を越えると窪地になっていて、この先に湖に浮かぶ遺跡がある。
過去の記録を見ると、窪地の中の方が魔獣が多く生息している可能性が高い。
安全を考慮し、俺達は窪地の淵に沿って、初めに魔獣が目撃された北側に向かう。
「嫌な風だ。これは一雨来るな。」
レオが天気の崩れを感じると、北側の斜面に着く頃には土砂降りの雨になっていた。
「この雨の中を動くのは危険だ。タープを張って天気が回復するのを待とう。」
ガラに指示され、木々の間にタープをセットし休憩。
今の内に、おにぎりと味噌汁で腹ごしらえをする。
雨で体が冷えていたのか、味噌汁の温かさが体にしみる。
食事をしながら、ここまで歩いて来る間の探索魔法の結果を話した。
「周囲を調べながら歩いて来たけど、結構魔獣が居るね。
特に窪地の下の方、闇の魔力も下の方が濃くなっている。」
遺跡が関係しているのか、リッチの様な強力な闇の魔力を纏う魔物が住みついたかといった所だろうか。
下へ降りる前に休んでおいた方が良いだろう。
俺はいつの間にか寝てしまい、起きた時には雨も止み木々の隙間から青空が覗いていた。
北側を調べてみたが、特に気になる物は何も無かった。
ガラの推測した通り、魔獣が北側に広がる森よりやって来たのを目撃したのだろう。
そうなると、ここから先が本番だ。
魔獣が集まる窪地の底、湖に向かって移動を開始した。
******(クリスティーヌ)
姫様とヨハン王子から手紙を受け取りました。
「クリスティーヌ、私達に何か有った時にはこの手紙をそれぞれの王国に届けて。」
封筒には王族の印が施してあり、宛先は国王様。
「今回の遺跡探索は王族命令で私達が冒険者を強制的に案内をさせた事にします。」
自分達に何か有った時、皆様に迷惑を掛けないようにの配慮。
必ず、使命を果たさせて頂きますが、この様な手紙が必要の無いことを願います。
どうか、皆様がご無事に戻って来られますよう心よりお祈りいたします。
「「「おはようございます」」」
昨日来た、獣人の冒険者達がやって来た。
「今回、俺達が案内させてもらいます。」
昨日の代表のネコ族の男と犬族の男が2人前に出て自己紹介
トウさん、バンさん、ジャンさんだ。
運転席に兵士とトウさん達が乗り込み、遺跡に向かって出発する。
地元だけの事があり、休める場所を把握していて、まる1日掛かる移動行程だったが疲れは少なかった。
安全の為、遺跡よりかなり手前で馬車を止めテントを用意する。
獣人の3人はマントに包まり寝るつもりだった様だが、テントを用意させてもらった。
次の日、俺達は遺跡周辺の調査へと出発した。
クリスティーヌさん、兵士の4人とトムさん達はここで俺達が調査から戻って来るまで待機してもらう。
身支度を終え、俺達が出発しようとすると
「ちょっと待ってくれないか。
口出しして申し訳ないが、か弱い女性や子供を連れて行くのか。」
トウさんがそう言うと、ジェニファーさんが「か弱い女性だなんて」と喜んでいる。
ラグテルの町やマクニス王国だとAランク冒険者として顔が売れているのでか弱いなんて言われる事は無く、トウさんよりジェニファーさんの方が強いだろう。
「心配してくれるのは嬉しいが、大丈夫だ。
拓、トウさんと手合わせしてもらえるか。」
ガラが俺に話を振ってくる。何でと思ったが
『良い判断じゃな。奴も拓に負ければ実力を認めるじゃろう。
この場を収めるなら、一気に決めるのが一番じゃぞ。』
成程、一番弱そうな俺が実力を見せるのが最善という事か。やってみるか。
探検の前に無駄な魔力の消費は抑えたいので、一気に行かせてもらう。
「トウさん、拓、準備は良いか。先に一本取った方の勝ちとする。始め。」
ガラの合図で、俺は闇の魔力で気配を消し一気にトウさんの懐に入った。
そして、トウさんの喉元を剣の柄で軽く叩く。
「そこまで。」
ガラの言葉で試合は俺の勝ちで終了したが、トウさんが愕然としている。
「一体、何者なんだ。闇の魔力を纏って気配を消したんだよな。
1対1の試合で、気配を全く掴むことすら出来ないなんて・・・Aランク冒険者なのか。」
「いえ、俺はCランクの冒険者です。
ただ、気配を消すのと逃げ足の速さなら自信が有ります。
とりあえず、斥候としてなら役に立てますよ。」
「実力を疑ってすまなかった。是非、この原因を突き止めてくれ。」
どうやら、トウさんも納得してくれたみたいだ。
『我輩が聞いた話にゃら、小細工無しの実力による打ち合いの場面だったにゃ。
拓の早さに相手が付いて来れないにゃら分かるけど、気配を消すのはどうかと思うにゃ
そろそろ拓は、主人公っぽい戦いをした方が良いにゃ。』
このデブ猫は勝手なことを言ってくれる。
小細工無しで勝てれば苦労はしない。俺にそれだけの剣術が有る訳無いだろう。
うっそうと木が茂る丘を越えると窪地になっていて、この先に湖に浮かぶ遺跡がある。
過去の記録を見ると、窪地の中の方が魔獣が多く生息している可能性が高い。
安全を考慮し、俺達は窪地の淵に沿って、初めに魔獣が目撃された北側に向かう。
「嫌な風だ。これは一雨来るな。」
レオが天気の崩れを感じると、北側の斜面に着く頃には土砂降りの雨になっていた。
「この雨の中を動くのは危険だ。タープを張って天気が回復するのを待とう。」
ガラに指示され、木々の間にタープをセットし休憩。
今の内に、おにぎりと味噌汁で腹ごしらえをする。
雨で体が冷えていたのか、味噌汁の温かさが体にしみる。
食事をしながら、ここまで歩いて来る間の探索魔法の結果を話した。
「周囲を調べながら歩いて来たけど、結構魔獣が居るね。
特に窪地の下の方、闇の魔力も下の方が濃くなっている。」
遺跡が関係しているのか、リッチの様な強力な闇の魔力を纏う魔物が住みついたかといった所だろうか。
下へ降りる前に休んでおいた方が良いだろう。
俺はいつの間にか寝てしまい、起きた時には雨も止み木々の隙間から青空が覗いていた。
北側を調べてみたが、特に気になる物は何も無かった。
ガラの推測した通り、魔獣が北側に広がる森よりやって来たのを目撃したのだろう。
そうなると、ここから先が本番だ。
魔獣が集まる窪地の底、湖に向かって移動を開始した。
******(クリスティーヌ)
姫様とヨハン王子から手紙を受け取りました。
「クリスティーヌ、私達に何か有った時にはこの手紙をそれぞれの王国に届けて。」
封筒には王族の印が施してあり、宛先は国王様。
「今回の遺跡探索は王族命令で私達が冒険者を強制的に案内をさせた事にします。」
自分達に何か有った時、皆様に迷惑を掛けないようにの配慮。
必ず、使命を果たさせて頂きますが、この様な手紙が必要の無いことを願います。
どうか、皆様がご無事に戻って来られますよう心よりお祈りいたします。
23
あなたにおすすめの小説
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!
日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」
見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。
神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。
特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。
突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。
なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。
・魔物に襲われている女の子との出会い
・勇者との出会い
・魔王との出会い
・他の転生者との出会い
・波長の合う仲間との出会い etc.......
チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。
その時クロムは何を想い、何をするのか……
このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる