異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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615サリナ姫の三文芝居

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「魔道具はこちらで引き取らせてもらえないでしょうか。」
「その魔道具をどうするつもりだ。」
「知り合いに、優秀な練成術師がいますので調べてもらおうと考えています。」
「その練成術師の名前を伺っても。」
「トリス練成術師です。」

ガラがトリス練成術師の名前を挙げると、今まで黙って聞いていたギルドマスターが俺達の顔を凝視する。
それもアークとクリームに対して・・・

「トリス練成術師とは、あのブルネリ公公爵領のトリス練成術師か。
 もしかしてお前達は冒険者パーティのアークとクリームではないのか。」

ギルドマスターがアークとクリームに気が付いたみたいだ。
Aランクの冒険者は少ないので、ギルドマスターならある程度は知っているのかもしれない。

「それは本当か。そうするとブルネリ公爵と繋がりが有って当然か。
 今回の調査も、これだけのAランクの冒険者が居るからこそ成功したのか。
 申し訳ないが、ギルドカードを見せて貰えないか。」

ユーケル侯爵にアークとクリームが自分達のギルドカードを見せると納得していた。
そして俺の方を見ている。いや後ろにいるサリナ姫を凝視している。

「失礼ですが、そちらの方はサリナ姫ではないでしょうか。」

この変装で良く分かったな。
それにしても、サリナ姫は往生際が悪い。
この状態でキョロキョロと誰のことを言っているのか分からないアピールをしてどうするつもりだ。
それも、クリーム並みの酷い三文芝居。
そんなサリナ姫にヨハン王子が一言

「サリナさん。もう、隠していても仕方がないですよ。」

そう言われて、やっとサリナ姫が立ちあがり、眼鏡を外した。

「ユーケル侯爵、この様な姿で失礼します。
 おっしゃる通り、私はマクニス王国第3王女サリナです。
直接話すのは初めてなのに、この姿で良く分かりましたね。」

あれだけの酷い演技の後できちんとした態度が取れるのは、さすが王女・・・なのだろうか。
それに対し膝を付いて対応するユーケル侯爵とギルドマスター。
誰も突っ込みを入れずに話が進むのはさすがだと思う。

「はい、何度かパーティで拝顔させて頂いていますので。
 この度は、我が領地の為にありがとうございます。」

「礼はこの者達に。私だけでは何もできませんでした。
 侯爵、魔道具の件はもう一度検討してもらえないでしょうか。
 その魔道具は危険なのです。今回の様な魔力の暴走をさせないように対応しないといけません。
 この者達が、決して悪用しない事は私が保証します。」

サリナ姫に言われて、ユーケル侯爵が俺達と魔道具を見て暫く考えると

「賢者様の遺跡から出て来たものです。
 我々が調べてから回答させて頂いても宜しいでしょうか。」

サリナ姫の事が簡単にばれてしまったが、考えて貰えるだけ良かったか。
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