DEAD END 〜『神』と名乗るおっさん系女子は、定期的にお賽銭を要求してくる〜

じゃがマヨ

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悪霊退治

第12話

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 【獅子王和茶視点】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 戒名、童子切弘宗。


 神と契約を交わし、「神器」として従えるようになった者は皆、名を変え、“日本刀”へと姿を変える。

 私と契約を交わした赤羽ヒロは、どこにでもいる少年の1人だった。

 取り柄らしい取り柄もない平凡な男。

 こう言ってはなんだが、私の右腕となるには少し頼りがない部分があった。

 
 だが、仕方がないのだ。

 神には信仰する人間が必要で、存在するための“道理”が必要になる。

 この道理というのは、いわば存在するものと存在を必要とするものの相互関係のようなものである。

 どちらかが欠けては、「神」という概念は存在できない。

 ヒロがいなければ、今頃私は「廃神社(はいしゃ)」の無名神となり、地上を彷徨うところだった。

 やむを得なかったのだ。

 人気のない森の中で、迷い込んだようにトボトボと歩いてきた、小さな少年に頼るしか——


 「戒名」とは、ヒロに与えた名だ。

 神と契約を交わした者は、神の力を得るために新たな「名」を授けられなければならない。

 戒名の構成は、現世の名前(俗名)から1文字、経典から1文字が基本である。

 私の右腕となるべく、彼は神器となり、悪き魔物どもを切るための「刀」になった。

 最初はただの鈍(なまくら)だった。

 切れ味も悪く、悪霊を切ればすぐに刃こぼれが起きていた。

 修練に修練を重ね、少しは頼れるようにはなってきたが、それでもまだ刀としての「質」の良さには程遠かった。

 元々根が優しい人間だから、“殺傷力“という点において尖った側面を持てずにいた。

 刀としての頑丈性や柔軟性は平均程度。

 使い回しの良さはまあまあ。

 刀身は少し重く、小回りがききにくい。

 まあ、使えるだけマシであり、出会った当初に比べればかなり改善したほうなのだ。

 契約を交わしてまだ間もない頃は、悪霊に遭遇しただけで怯えていた。

 まだ子供だったから仕方のない部分でもあったが、戦いの場ではそうも言ってられず、色々と苦労した経験がある。

 今では立派な口の聞き方ができるようになった。

 一丁前に「お前」や「こいつ」などと、契約の主である私に向かって、よくもまあずけずけとモノが言えるようになってしまった。

 成長のためならば、多少のことは目を瞑ろうと思っている。

 出会ってもうすぐ6年になるが、まだまだ子供であることに変わりはない。

 色々経験をさせてやらなければならん。

 いつまでも幼稚なことばかり言うやつだから困っているのだ。

 ろくに毛が生えていない男のくせに、あーだこーだと口だけが達者で。

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