2 / 3
ツノが生えてる!?
第2話
しおりを挟む町の静けさが、そばにあった。
山の麓を走って行く車の音が、街のいちばん低いところを走っていた。
急いでたんだ。
その日たまたま起きるのが遅くて、朝のホームルームに間に合うか間に合わないかの所だった。
昨晩降った雨の影響か、道路がまだ湿ってた。
濡れた地面にタイヤが掬われて、ハンドルがガクンッてなったんだ。
気がついたら世界が反転してた。
青い空が、回転する視界のそばに見えた。
ガサガサッ
という音と一緒に、全身に激痛が走って。
しばらく起き上がれなかった。
自転車でずっこけたことは何度かあったが、転けた先が、掘りの深い田んぼの上にある畦道だった。
斜面が急すぎるせいで勢いよく下に落っこちていく感覚が、頭の中を駆け巡った。
相当高かったんだと思う。
一瞬死んだかと思ったんだ。
あまりの衝撃で、自転車のフレームがひん曲がってたし。
カラカラと車輪が鳴る音。
変な方向にひしゃげてしまったカゴ。
カロリーメイトとか教科書とか、勢いのあまり中身の飛び出たカバン。
イテテ…
すりむいたおでこをさすっていると、「おーい」と呼んでくる声が聞こえた。
声!?
ここらへんは潮崎のおばちゃんくらいしかいなくないか…?
田植えの時期でもないのに、朝から人がいるなんてことが…
見上げた視線の先にいたのは、“女の子”だった。
俺の認識が正しければ90%くらいの確率で。
なんで“100%”じゃないのかって言うと、ひとつだけおかしいフォルムがあったからだ。
見たこともないフォルムが。
頭部から突き出ている得体の知れない物体。
…なんだあれ?
…ツノ?
いや、仮装の時期じゃないよな?
文化祭だって、こんな時期にやってるわけがない
でも制服を着てるってことは…
制服はうちの学校のものだったが、ここらへんに住んでいる女子高生なんていなかった。
綺麗な髪。
袖の下から見えるニットカーディガン。
すらっと伸びた足に、白いパン…
…いやいや!
別に見ようと思って見たわけじゃないッ!
声がした方向を見たら、たまたまその角度だったわけであり…
って、ええ!?
不可抗力で視界に映ったものを頭の中から消そうとしていると、タンッと、その女子高生が飛び降りてきた。
…嘘だろ?
かなり高い場所だったんだが…?
「何してんの?」
鋭い視線を感じた。
冷え切った目というか、どこか、殺気を帯びたような瞳。
…いやッ、だから、見ようと思って見たわけじゃないんだ!!
大体君誰!?
なんでこんな場所にいるんだ??
それにその…、頭から生えてるものは…?
目の前の女子高生は、スッと近づいてきた。
俺は弁解しようと必死だった。
持ち上げた手を顔に近づけようとしてきたから、絶対に殴られると思い。
「違う違う!誤解だって!!」
0
あなたにおすすめの小説
チート魔力を持ったせいで世界を束ねる管理者に目を付けられたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
あなたはダンジョン出禁ですからッ! と言われた最強冒険者 おこちゃまに戻ってシェルパから出直します
サカナタシト
ファンタジー
ダンジョン専門に、魔物を狩って生計を立てる古参のソロ冒険者ジーン。本人はロートルの二流の冒険者だと思っているが、実はダンジョン最強と評価される凄腕だ。だがジーンはある日、同業の若手冒険者から妬まれ、その恋人のギルド受付嬢から嫌がらせを受けダンジョンを出入り禁止にされてしまう。路頭に迷うジーンだったが、そこに現れた魔女に「1年間、別人の姿に変身する薬」をもらう。だが、実際には「1歳の姿に変身する薬」だった。子供の姿になったジーンは仕方なくシェルパとなってダンジョンに潜り込むのだが、そんな時ダンジョンい異変が起こり始めた。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜
Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。
だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。
赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。
前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、
今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。
記憶を失ったふりをしながら、
静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。
しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。
――これは復讐でも、救済でもない。
自由を求めただけの少年が、
やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。
最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。
重複投稿作品です
小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる