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白いパンツ

第8話

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 「…なんで、そのことを…」


 そのことを知ってるのはアイツと、俺だけ。

 他に知るやつなんていないはずだ。

 それを「言葉」にしたことはないのだから。


 「真剣勝負や。あんたが負けたら、住む場所と食べるもんを用意せぇ」


 …へ?

 住む…場所?

 食べるもの?

 何言ってんだこいつ。


 「甲子園に行くんやろ?せやったら、こんなところで私に負けるわけない」


 …いやいやいや、待て待て

 一旦区切らせてもらってもいいか?

 なんで知ってるんだよ?

 大体、勝負ってなんだ?

 勝手に話を進めんな!


 「何者や、お前」


 女は答えなかった。

 勝負するのか、しないのか、単純な質問をぶつけてくるだけで。


 …言っておくが、女に負けるほどヤワじゃない。

 ましては、勝負が野球とあっちゃ、尚更だ。

 こう見えても、小学校から6年間も野球をやってるんだ。

 本業はピッチャーだが、結果は目に見えてる。


 「そうやって油断しとると、痛い目見るで?」


 やけに自信満々だ。

 野球やってんのか?

 素朴な疑問が湧いた。
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