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というわけで

第99話

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 バシィィィィィッ!



 鼻で笑った俺を見るなり、女はハリセンをフルスイングしてきた。

 俺の頭を思いっきり叩いてきたんだ。

 何事かと思った。


 「イッタ!何すんねん!」

 「何すんねんやないわ!今笑ったやろ!」

 「そりゃ笑うわ!甲子園てなんやねん。現実見ぃや!」

 「何が現実や!あんたらそれでも男か!」


 入部早々、何を言ってるんだ?

 甲子園なんて夢のまた夢。

 まず、目指してすらいない。

 俺たちが目指してるのは、楽しい高校生活を送ることだ。

 それ以上でもそれ以下でもないんだよ。

 普通に考えてわかるだろ?

 甲子園を目指していい高校と、目指しちゃいけない高校があるってこと。

 俺たちはその後者だ。

 考えるまでもなくな。


 すると女は、また全力でハリセンぶつけようとしてきた。

 やめろそれ…!

 どっから持ってきたんだ!

 普通に痛いし!


 「何くだらんこと言うとんや!」

 「言っとらんし、人の話を聞け!」

 「なんやねん」

 「そもそも目指せると思うんか?人数やって揃っとらんし、まともに野球やってきたやつはおらん。「趣旨」が違うんや「趣旨」が。『同好会』。わかる?この意味」
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