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アナザーワールド

第168話

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 冗談でもなんでもない。

 それだけは信じてほしかった。

 それに、冗談でこんなこと言うわけないだろ?

 どうせ嘘をつくなら、もっとまともな嘘つくし


 「その、“大坂楓”って子はどこにおるん?」

 「そうそう、誰やそいつ」

 「…いや、それが俺にもわからんのや。電車に乗って、目の前から急にいなくなった」

 「あんたの妄想ちゃうん??」

 「そんなわけないやろ」

 「須磨高の女子高生?なんよね?」

 「う、うん。ってか俺もやけど」

 「…いやぁ。ますます意味わからんわ。ナンパでもしてフラれた?」

 「はぁ?!」

 「それでショックすぎて精神が崩壊したんやろ?」

 「あのなぁ」

 「調べてみる?」

 「なにを?」

 「須磨浦高に、その“大坂楓”って子がいるかどうか」


 アイツが、在籍してるかどうか…?

 そりゃ在籍してるんじゃないか?

 …よくわからんけど。

 …でも、よくよく考えたらアイツ編入してきたんだよ。

 それにここは「別の世界」なわけだろ?

 ってことは、実際問題どうなってるかなんてわからないんじゃないか?


 「その子が“超能力”を使えて、しかも「未来」から来たなんて、想像もできん。でも亮が言うようにもしその子が何か関係しとるんなら、会いに行くのが正解なんやない?」

 「コイツの片想いに協力せんでもええで?姉ちゃん」

 「片想いやないって言うとるやんけ!」

 「ほら、見てみぃ。この焦りようを。確信犯やんけ」


 
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