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好きっていうかなんていうか

第175話

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 「どうしても大事なことがあって」

 「だからなんやねんそれ」


 視線が痛い。

 言葉がないというかなんというか。

 アイツを探さなきゃいけない。

 だけどそれを説明するには無理がある。

 まじでどうしよ…

 学校に行くっつっても、神戸高に行ったことなんてないぞ?

 制服も学生証もあるから、ほんとに在籍してるってことなんだろうけど


 「会いたい人がおるんや」

 「会いたい人ぉ?!誰???」


 この際なんでもいいやと思い、「友達」と答えた。

 知人とか言うとまたややこしくなりそうだったから。


 「学校が終わってからでもええやん」

 「色々事情があって…」


 もっともすぎて反論の余地がない。

 “学校を休んでまで”っていうのがネックすぎる。

 おとなしく学校に行った方がいいんだろうか…?

 と言ってもなぁ


 「急ぎの用があってやな」

 「詳しく聞かせて?」

 「…それは、無理」

 「なんかやましいことでもあるんか」


 ないない。

 “やましさ”なんてこれっぽっちも。

 むしろ助けて欲しいくらいだ。

 まさかこんな状況になるなんて思ってもみなかった。

 誰も思わないだろ?

 “別の世界に飛ぶ”なんて。


 「夕方まで待ってられんのやって」

 「どうして??」

 「…どうもこうも、どうせ信じてくれんやろし」

 「せめて理由くらい話しぃや」

 「嫌や」
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