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話が違くね!?

第204話

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 どうすればうまく伝わるだろうと考えながら、色々と話を組み立てていった。

 彼女は信じてるような、信じてないような曖昧な顔をして、時々頷いたりしている。

 俺は必死だった。

 さっきまではどうにでもなれと思ってたけど、なんとなく“申し訳ない”って気持ちが先行してきたからだ。

 だって映画見に行くって、それこそ大事件じゃないか!

 よくよく考えたらそんなビックイベント、俺の人生にはなかった。

 もし隣に健太がいたら、超ドヤ顔で「デートに行ってくる」って言ってやったところだ。

 こんな俺でも女子と2人でいちゃつけるんだって騒いだら、アイツはどんな顔をするだろう。

 きっと悔しがるだろうな。

 先を越されたとかって言って。


 …でも、正直、なんでそんなことになってるのか不思議でしょうがなかった。

 俺には好きな人がいる。

 ずっと昔から。

 彼女なんて想像できなかったし、他の女子には興味なかった。

 そりゃもちろん、ドキッてすることは時々あるよ?

 俺だって男だ。

 話が合う人が隣にいたら、それこそ仲良くなりたいって思う時がある。

 ただ、その先のことは想像できなかった。

 付き合うとか付き合わないとか、そんなのはよくわからない。

 それでも、千冬のことしか考えられなかったんだ。

 同じ夢を追いかけられるのは、千冬しかいないって感じてたから。
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