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毒キノコでも食った?

第389話

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 残念そうな顔を浮かべる亮平を尻目に、坂道を下った。

 接骨院の隣にある貼り紙だらけの塾。

 神港学園高校の4階建ての校舎。

 さぞかし大富豪が住んでるんだろうと思われるような日本庭園が、坂道を降っているときに見えた。

 庭園の竹垣フェンスの下にぽっかりと空いた広い車庫が、おしゃれなガーデンライトの奥に建てられていた。

 ここらへんは瓦式の家がわりとある。

 山の斜面は神戸市内とは思えないほど緑に溢れてて、山肌に建つ背の高い鉄塔が、じっと蹲っているようにも見えた。

 摩耶山の頂上にあるロープウェイの駅と、山道に点々と灯る小さな外灯。


 草の生えた空き地。

 落ち葉のぎっしりと埋まった砂利道。

 赤いスーパーカブが置いてある防火水槽近くの家には、カラカラと音のする室外機が鳴っていた。

 いい加減修理すればいいのにと思うが、家の人は気づいてるんだろうか?

 カーブミラーの奥に立つ『摩耶ケーブル』と書かれた看板。

 手書きのようなフォントで書かれた赤い文字の横には、矢印が。

 坂道の上を指さすようにそれは向いていた。

 地元すぎて行ったことがないんだけど、どんな景色なんだろうね?

 友達が言うには紅葉の時期に行くのがおすすめらしいが、そういうのにあんま興味ないんだよね。

 高いところの景色なんて、ビルの上からでも見えるし。
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