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バックストーリー集
バックストーリー No.9「シュバルゼ」
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NO.9 並行世界線0051
圧倒的力と完璧な力の制御。
この二つを完璧に操れる様になった時、シュバルゼは美しく、妖艶な魅力を備えた女性となっていた。
『強化人種』
シュバルゼはそうとも呼ばれていた。何かしらの特別な力を保有し、現代の技術ではなし得られない様な力を生み出す為に始められたこの計画。
2054年に計画が始まったこの研究は、非常に興味深い結果を残していく事となった。
◇◇
『被検体番号:21』
人体への特殊エネルギー薬剤の投与による人外的身体能力、投与されたエネルギーの具現化による武器の形成。
被検体番号:21
それが彼女、シュバルゼに与えられた番号であった。
彼女に齎された力は、非科学的であり魔力的特殊エネルギーの投与であった。
投与された特殊エネルギーである『EMB』の力により、彼女はエネルギーそのモノをレーザーカッターや刀の様な武器として形成したり、人間の限界を簡単に上回る程の身体能力等と言った人外的能力を手に入れた。
しかし、圧倒的な力を手に入れた。その代償として彼女はその心も肉体も全て管理される事となった。
24時間、決して自分だけの時間を得る事は出来ず、研究者達によって狭く絶対に出る事の出来ない部屋の中で監視され、力の研究に加担され続けていた。
無論、束縛される事を全くと言って良い程好まない彼女はそんな日々には非常に嫌気が差していた。
出来るのなら、力を制御しながら平穏に誰にも邪魔されない様な自由な生活を送りたいと感じていた。
―――ワタシは、誰にも縛られない…。
ならばこそ、自由を手にして誰にも邪魔されない様な世界に出向くのならば、やるべき事は一つしかなかった。
彼女の力は、研究者達が思う何歩も先を行っている。
この程度の壁を破壊して、外の世界へと逃げる事等造作でもない。
シュバルゼは、己の肉体の中に山の様にして秘めていたEMBの力を全開放。
今まで自身を縛り付けていた空間を、自身を絶えず見ていた監視用カメラを、自身の事を研究していた人間共を、全部破壊していく。
人間共を斬り裂いて、血が飛び散って滝の様な返り血を浴びようとも、破壊に破壊を重ねて研究所が消えていこうともシュバルゼは止まる事を知らなかった。
自由、もうソレは目の前に存在していた。
自分を縛っていた愚者共を全て片付けて、自分が得るべきモノを得る。
口元は布に隠れ、生足が見えてしまうハイレグ風のやけに扇情的な衣装に身を包んだシュバルゼは、その力を持って全てを破壊し続ける。
血の匂いが漂う、あの霧に巻き込まれるまでは…。
気が付けば、手に入れたのは自由ではなく。
新たな束縛であった。そこに自由は存在しない。
あの霧に呑まれた時から、彼女の運命は確定していた…。
圧倒的力と完璧な力の制御。
この二つを完璧に操れる様になった時、シュバルゼは美しく、妖艶な魅力を備えた女性となっていた。
『強化人種』
シュバルゼはそうとも呼ばれていた。何かしらの特別な力を保有し、現代の技術ではなし得られない様な力を生み出す為に始められたこの計画。
2054年に計画が始まったこの研究は、非常に興味深い結果を残していく事となった。
◇◇
『被検体番号:21』
人体への特殊エネルギー薬剤の投与による人外的身体能力、投与されたエネルギーの具現化による武器の形成。
被検体番号:21
それが彼女、シュバルゼに与えられた番号であった。
彼女に齎された力は、非科学的であり魔力的特殊エネルギーの投与であった。
投与された特殊エネルギーである『EMB』の力により、彼女はエネルギーそのモノをレーザーカッターや刀の様な武器として形成したり、人間の限界を簡単に上回る程の身体能力等と言った人外的能力を手に入れた。
しかし、圧倒的な力を手に入れた。その代償として彼女はその心も肉体も全て管理される事となった。
24時間、決して自分だけの時間を得る事は出来ず、研究者達によって狭く絶対に出る事の出来ない部屋の中で監視され、力の研究に加担され続けていた。
無論、束縛される事を全くと言って良い程好まない彼女はそんな日々には非常に嫌気が差していた。
出来るのなら、力を制御しながら平穏に誰にも邪魔されない様な自由な生活を送りたいと感じていた。
―――ワタシは、誰にも縛られない…。
ならばこそ、自由を手にして誰にも邪魔されない様な世界に出向くのならば、やるべき事は一つしかなかった。
彼女の力は、研究者達が思う何歩も先を行っている。
この程度の壁を破壊して、外の世界へと逃げる事等造作でもない。
シュバルゼは、己の肉体の中に山の様にして秘めていたEMBの力を全開放。
今まで自身を縛り付けていた空間を、自身を絶えず見ていた監視用カメラを、自身の事を研究していた人間共を、全部破壊していく。
人間共を斬り裂いて、血が飛び散って滝の様な返り血を浴びようとも、破壊に破壊を重ねて研究所が消えていこうともシュバルゼは止まる事を知らなかった。
自由、もうソレは目の前に存在していた。
自分を縛っていた愚者共を全て片付けて、自分が得るべきモノを得る。
口元は布に隠れ、生足が見えてしまうハイレグ風のやけに扇情的な衣装に身を包んだシュバルゼは、その力を持って全てを破壊し続ける。
血の匂いが漂う、あの霧に巻き込まれるまでは…。
気が付けば、手に入れたのは自由ではなく。
新たな束縛であった。そこに自由は存在しない。
あの霧に呑まれた時から、彼女の運命は確定していた…。
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