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失恋?

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マリエ視点


初めて恋をした

生徒会の役員になり、初めて参加した一般の進学校との交流会。

役員の皆さんが部屋に入って来た時、一人の青年に、目が釘付けになった。

淡い茶色の髪に綺麗な澄んだブルーの目。
顔が整いすぎて見てる私が赤くなるくらい。
背もスラッと高く目立つので、どうしても視線がそちらへ向いてしまう。

議題がはじまり、発言を聞いていると女性徒が皆、見惚れていのではないかと思う。

しっかりした話し方に、皇子も気に入ったらしく、平民だが文官の試験を突破して側近になって欲しいと伝えたらしい。

私は見てるだけで幸せと思っていたのに、ある時ミョーイ君の方から話しかけられた。

「こんにちは。いつも綺麗な字で書類を書いてあって助かるよ。
名前聞いてもいいかな?」

「あっ、私はマリエ、ドレスデンです。」

「そう…僕はミョーイ。
僕は平民だから………そっか!貴族院の子だもんね。平民なら良いなと思ったけど当たり前だよね」

「えっ?」

「いや、なんでもない。
これからもよろしく!」


何でもない会話だけど、とっても嬉しかった。
それから、会えば話すようになり……


「僕にはね、母さんだけなんだ。
でも、母は強しで大事に育てられた。
母は、刺繍が得意で、(そよ風)という店の刺繍職人をやりながら僕を育てた。
オーナーがまた良い人で、僕らを助けてくれて、今は僕を後見人として見てくれているんだ。
帝都にも進出して店があるのだけど、知ってるかい?」

「もちろん。素敵な刺繍小物があるので、私も行ったことがあります」

「嬉しいな。今度店に来たら僕を呼んでよ。」


ミョーイ君とは、それからどんどん仲良くなり、私を好いてくれてるような気がした。

お父様にも嬉しくて話したら
「恋愛は自由だよ。好きな人と一緒になれるのが1番だよ」

「お父様、ありがとうございます」

お父様には、長年ずっと捜している人がいる
結婚の約束までしていたが、ある日突然いなくなってしまった。
ずっとずっと、今でも時間があると捜している。

「僕の想い人は生きているのだろうか……」

この頃は寂しいことまで言うようになった。

「ミョーイ君と言ったか?
今度会いたいな。そうだ、店に行けば会えるなら父さんも一緒に行くよ。父さんの恋人も刺繍が大好きで、凄い腕前だったんだ。

いなくなった後も刺繍をしてるならと、色々な店にも行ったが、刺繍が置いてあるのを見てはサリーの名前を出しても知らないと言われてね」シュン

「マリエは、ミョーイ君が好きなら頑張れよ」



お父様は私の母親のせいで……ごめんなさい。
そして、私まで産まれてしまいごめんなさい。





明日はお父様と一緒にお店へ行く。
ミョーイ君がいたら良いな。







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