私は貴方に嘘をつかれていた。

瑠渡

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ナタージュ様の家でお世話になって1ヶ月が過ぎた。

1か月過ぎても。うううっ、うまくいかない!

なかなか自分の思うようにできない。

組紐編みを簡単かな?なんて思っていた自分を叩きたいくらいだ。

力の入れようで大きさも異なり難しい。

師匠のティガ様は元々器用なのか、構図を考えながら編んでいく。

来た時も思ったが、ナタージュ様のお兄様のティガ様は色気のある美男子だ。

お弟子の中にも恋している人が何人かいる。

だから突然来た私の風当たりは強い。

ディガ様が私に気を遣うと、キッと睨まれるしディガ様がいない時は、

「良いわね、ツテのある人は突然弟子になれるのだから」

「あまりいい気にならないで」

「早くここを片付けなさいよ」

「あーあ、誰かさんのせいで私達が遅れをとりそうだわ」

「まだそんな優しい編み方もできないの?」

クスクスクスッ

「……………」

(何を言われても仕方ないけど、性格悪っ!特に弟子歴長いカトリーヌさんは露骨だ。ディガ様が私に教えてる時なんて、ひしひしとカトリーヌさんの圧がわかる。)


ディガ様が戻って来ると、途端に態度が変わる

「お師匠様、ここはどうすれば良いですか」皆が急に猫なで声になる。

「師匠、このテーブルナフキン、商会の納期までに間に合いそうですわ」

「上手にできてるね。カトリーヌ。
どんどん上手くなって、元々カトリーヌは器用なんだね」

「そんなことありませんわ!これも師匠……ディガ様の教えがお上手だからです。ふふっ」

「そうかな?」



(弟子中でも、カトリーヌさんは抜き出て組紐編みが上手だ。ナタージュ様の話だと、カトリーヌ様の家からディガ様に縁談も持ちかけているらしい。)


「こんなに上手に出来るのなら、僕のと所で弟子をしてないで、1人でやった方が良いだろうね。もう弟子を卒業だね」

「そんなっ、私なんてまだまだです。
ずっと師匠の側で頑張りますわ」


(うわっ!告白だよね?)



(でも………ナタージュ様にナイショで聞いたら、
「お兄様は、女に興味がない……ら……しい。」そう言ってたのよね。ウホッ

これは、お弟子さんに知れたら大変だわ。)


教えてもらってあるからか?美男子のティガ様と至近距離で手を持たれて教えてもらっても、緊張しないで安心して教えてもらえてる。
こんなに眉目が良い人に接近されたら誰だって。お弟子さんの気持ちもわかるわ。

お弟子さんがディガ様に近くで教えてもらってる時は、顔が赤くて目がとろんとして仕事にならなくなっちゃうけど。


私は組紐編みを早く覚えて、両親に任せっぱなしの仕事に早く戻らねば!
仕事にプラスになる為に来てるのだから……






そんな風に考えていた私に驚くことがおきた。

その事で国に帰るのが、何年か後になることになった。









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