私は貴方に嘘をつかれていた。

瑠渡

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公爵エミリー様の手紙には

訪問したい事と、ヒャンライン国デリモット公爵閣下クリスフォード殿にも会いたい。
ミャンタ国へは入国禁止になっているクリスフォード殿が、入国禁止を解除できるように国に頼み、了承され解除になったと書いてある。

後、訪問したい日時が書いてあり、その日に訪ねさせてもらいたい。すでに、ヒャンライン国のデリモット公爵家にも通達済みとあった。


クリス様が我が国に?私の家に来れるの?

国王も退位され王太子が新たに国王になられたし、クリス様とは以前から顔見知りなんだろう。
国王は、今までの入国禁止の事にどのように考えられたのか………だが、今回妹のエミリー様(公爵)の希望が通ったと言うことか。

(エミリー様の恩着せがましい上からには、少々ムッと来るが、家族としてはありがたい)





クリス様がミャンタ国に入ったと連絡があった。

後、数日で我が領地へ来る


「奥様~、馬車が見えてきましたよー」


「みんな、お父様の馬車が見えてきたわよ!!」

「「お父様来たの?」」「おとと」

我先に出ていく子供達

あぁ、10何年ぶりだろうか?

クリス様が馬車の中から手を振っている

嬉し涙で視界が見えない

馬車が到着して、子供達が走って行った。

子供達は大騒ぎして馬車に飛びかかる勢いで……

ほら、おりてきたクリス様に叱られてる。(笑)

「アラン!サーシャ!マリン!
ダメじゃないか!馬が興奮したら危ないのだぞ。
2度としてはいけない!わかったね?」

「「はい、すみません」」「はぁい」


「さぁ、3人ともおいで」
そう言って3人を抱きしめるクリス様。

「ミニョン」クリス様が私を呼ぶ

私は4人をギューと抱きしめる

これは、会えた時の我が家のいつもの光景

そして、それを見てマイルスがまた……
ドバーッと涙と鼻水をだしてる


マイルス、いつも優しい涙をありがとう

久しぶりに家族皆で、それも我が領地に来て顔見知りの従者などに会えてクリス様も嬉しそうだ。

「アラン様のお顔を拝見した時、絶対クリス殿が父親だと、確信しておりました」


「アランは僕の子供の時にそっくりなんだ。父上も母上も会えばそう言ってる」

楽しそうに会話してて私も嬉しい。

本当は私の両親も会いたがっていたが、
ティガ様と一緒に王都へ行ってしまっている。




そして、いよいよエミリー様が訪ねて来る日になった

クリス様と私は到着されたエミリー公爵を迎えた。


馬車から降りてきたエミリー様は、
私達(多分クリス様だけれども)
会えて安心したように微笑まれた。


そして、エミリー様の隣には男性が一緒にいらっしゃいました。


「ようこそいらっしゃいました。公爵様」
クリス様の言葉で一緒に頭を下げる私


「クリス様、そして奥様のミニョン様。会いたいと我が儘を言ってごめんなさい。今日クリス様に会えて、とてもホッとしております。
そして奥様、はじめまして。
長く私のせいで申し訳ありませんでした。
今回伺ったのは、お2人に会いたかったのです。そして今日は私の旦那様のイザムが一緒に来てくれました。」


「そうでしたか……よき伴侶を得ておめでとうございます。
イザム殿、はじめまして、クリスフォードです。」

「はじめまして………でも、僕はそうではないのですよ」

「?何処かでお会いしましたか?」

「はい。貴方が傷をおって意識がない状態で収容された大学で」

「えっ?」

「ずっと教授と貴方を診ていました。
意識が戻ってもクリス殿は誰も見ようともなさらなかったので、僕の事は気がついていませんでしたね。」

「それは悪いことをしました。……助けて頂きありがとうございました。
あっ、こんな外で長く話をしてしまいましたね。どうぞ、中へお入り下さい」





応接間にお通しし、侍女がお茶など出し終わり部屋から退室してから、エミリー様が話された

「今日は今までのことを謝りたくて来ましたの。
私は若い頃からクリス様が我が国を、王宮を訪ねて来ると嬉しくて。
いつの頃からか恋に代わり、お父様にクリス様と結婚したいと伝えていました。
婚姻の打診をした時、好きな人がいると言われても、私は我慢できなかった。自分を押し通すことしか考えられませんでした。
ヒャンライン国から断られ、このままでは断られると思い、ヒャンライン国の為にはならないぞと、半ば脅すような形で婚姻の許可をとってしまいました。
クリス様と婚姻が叶った時は、もう嬉しくて幸せでした。
まさかクリス様に嫌われてるなんて思いもしないバカな女でした。
でもクリス様に冷たい目で見られ、焦った私は、クリス様との子供さえ出来ればと……子供さえ出来ればクリス様と仲良くなれる。そう勘違いしてしまっていていました。
うまくいかない私は、寂しさから知り合いの人と浮気をしてしまいました。
クリス様にその現場を見られた時は、恥ずかしくて死にたい思いでした。
自分からダメにしたのに、謁見で離縁が決まった時は、もう何もかも嫌になり私から離れようとしているクリス様を憎らしく思えました。
離縁が決まった次の日、お父様が何かを指示しているのがわかったの。クリス様に危害を加えようと話しているのだろうとわかったけれど、私から離れようとしているクリス様はどうにでもなれば良いと、何もかも嫌になっていた私は、それを止めもしなかった。 ……申し訳ありませんでした。
クリス様が助かってくれたこと、本当に良かったと、今は心から思ってる。

私は今、イザム様と婚姻いたしました。私なんて幸せになってはいけないと思っていたのですが、こんな私をイザム様は幸せにしてくれています。
好きな人と一緒にいられるのが、こんなにも満ち足りているなんて。イザム様と日々を過ごせる事が今の私の宝なんです。

好きな人と一緒にいられることが、こんなにも……うっ。話しながら涙を流すエミリー様
どんなにクリス様とミニョン様が辛かったか………イザム様と婚姻してわかったと話された。


「私達には、子供が2人います。

あの……お二人に申し訳なくて………。
クリス様、ミニョン様、私は2人に償っても償いきれないことをしてしまいました。
クリス様は……その体調はどうでしょうか?あの、あの精神的な苦痛のせいでお2人に子供がまだ「エミリー、やめなさい」」

「でも、私は迷惑かけてしまって」

「それでも、そこまで立ち入ってはいけない。今日は謝りたくて来たんだろ?」

「はい。そうでした。私はいつもこんなんだから迷惑かけるのよね」


ずっと私とクリス様はエミリー様の話を聞いていたのだが、私達は顔を見合わせ、お互い同じ意見と気がついたので従者を呼んだ。


従者に子供達が部屋に来るように伝えた。
子供達が部屋に入ってきたらエミリー様は驚きで固まってしまった。


クリス様が子供達の所へ行き、
「紹介します。私達の子供達です

アランとサーシャ。この2人は双子で12歳になり、そしてこの小さな子はマリン。今2歳です」

「クリス様は……」

「ミニョンが上の子供達を、1人で育てているなんて知らなかったのです。
傷をおった事で何もかも諦めていた僕に、ミニョンと子供達が会いに来てくれて、僕を正気に戻してくれました。
今でもあの時の事を思い出すと、幸せで泣けてきます」



「私はあの、クリス様と離れてから、子供がお腹にいることがわかったのです。クリス様には、もう会えない。だからせめてと思い、クリス様にはナイショで産みました」

「あぁ、私は……私は、何と言うことを。お2人に子供がいたのに離ればなれにしてしまい……」


「おとと~、なんであの人泣いてるのぉー?」

「ふっ、君達に会えたからかな?
さぁ、挨拶が済んだから部屋へ戻って良いぞ」

「「はい」」「はぁい!」




「下のマリンは授かったのは、奇跡だったと思う。
もう子供は無理だと思っていたんだ。
だから自分でも驚いた」


「そうなんですね。私といる時は全然でしたものね。あら、変なことを言いましたわ。申し訳ありません」

「いや、公爵様には申し訳なく思っています。だが……」

「わかっています。私では愛せませんでしたね。
後、ずっと入国禁止の措置をしていましたが、解除させてもらった事をお伝えします。私もイザム様と幸せになったのに、理不尽にいつまでも。
兄が国王になり、私の思いを伝えましたら、ずっとクリス様に迷惑をかけていると思っていたと言っておりました。
ただ、私の事があるので措置を解除するのはどうかと思っていたらしく、私が伝えたことでホッとしておりました。
これからは、いつでもこのミャンタ国へいらっしゃってくださいね。
クリス様、ミニョン様、今日は会ってくださってありがとうございました。」


エミリー様は最後は笑顔で帰られた。
もしご縁があったら、是非マリン様を我が息子へ……なんて怖い事を言われたが、
クリス様が勘弁してくれと言っていた。




長くわだかまりを抱えてたクリス様。
さぞやホッとしていることでしょう。


「ミニョン、僕は幸せだよ。ありがとう。」

「私もです。クリス様、ありがとうございます」

そう言いながら2人口付けをした。






私達はこれからも、ずっーと離れない。





     終




………………………これにて完結です。

あと、後日談を書こうと思っています


読んでくださり、ありがとうございました



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