喫茶店《シェリ・ランコントル》〜虚構少女原案小説コンテスト応募作品〜

十六夜 龍

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一期一会

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 喫茶店《シェリ・ランコントル》には、毎週たくさんのお客さんがご来店されます。いつも来てくださる常連さんも何人もいます。この喫茶店は出会いが豊富で、お客さん同士もこの喫茶店で出会って仲良くなったという方もいらっしゃいます。

 私自身も様々な人とここで出会いました。まずは、店長さんご夫妻と先輩ウェイターさん。そしてバイトの男の子。あとは常連さん方。この前マフラーを忘れていった彼もその1人です。

 彼はどうやら起業家のようです。何度かお話を伺ったのですが、コンピューターのプログラムに関連する職務のようですが、詳しい話は企業秘密に関わるので話せないそうです。かっこいい方で、いつも落ち着いた茶色のコートを着ています。暑くないのかな?

 他にも沢山の常連さんがいます。今店内に入るのは…3人かな。

 1人目は今年大学四年生になる見目麗しい女性。既に大企業で内定が決まっている才女です。丁度私の専攻と分野が被っているので、ちょくちょく分からないところを教えてもらっています。もちろん仕事の合間に、ですが。教え方が分かりやすく、聞いてみると私くらいの頃には家庭教師をやっていたとのこと。彼女に教えてもらった子は幸せでしょう。

 彼女はいつもブレンドのコーヒーとスパゲティを注文します。スパゲティはカルボナーラだったりナポリタンだったり、時にはシーフードだったりと様々です。食べ終わったあとはコーヒーを飲みながら、何やら小難しそうな本を読んでいます。どうやらミステリーやホラーの類です。私もオススメの本を何冊か教えていただきました。やや難解でしたが面白かったです。

 2人目は、社会人の男性です。起業家の彼とは違い中企業の管理職ですが、こちらも気のいい大人です。《シェリ・ランコントル》にきては、会社の様子や社会人の心得、人生の先輩としてのアドバイスを話して下さいます。たまには世間を賑わす出来事について討論したりもします。その時はその時店内にいた他の常連さんも集まって来て、大いに盛り上がります。

 そんなおじさんですが、最近体型が気になってきたとぼやいて、健康に配慮しているそうです。毎回注文は違いますが、大抵はお茶とサラダを頼みます。サラダと一概に行っても、ミモザサラダ、シーフード、フルーツサラダにハネムーンサラダと様々です。どれも店長さんご夫妻が作るので絶品です。そういえば以前に、「ここは、冷たい風が吹き荒む社会の中の、ポカポカとした陽だまりのような場所だ。」と言っていました。当店のお客さんは素晴らしい方が多いので、そんな社会の様子はよく分かりませんが。

 最後の1人は現在進行形で青春真っ盛りの女子高校生です。彼女は逆に私に色々と聞いてくれます。私も社会経験が豊富とは言いがたいので、2人して起業家の彼やおじさんにお話を伺いに行くことも多々あります。どうやら最近、バイトの男の子のことを憎からず思っているようです。彼の方も好意的なので、もしかしたらもしかするかもしれません。

 彼女はドリンク片手に、学校の宿題をしています。この街では有名な進学校に通っていて、1人目の彼女に質問する様子がよく見られます。そちらの彼女も、家庭教師をしていた頃を思い出すのか、笑顔で教えてあげています。

こんな風に、当店《シェリ・ランコントル》では様々な出会いがあります。私はその出会いの1つ1つが楽しみで仕方ありません。

カラン、コロン

男性2人のご来店です。片方は常連さんですが、お連れさんは初めて見ます。また新たな出会いがあるかな?
そんなことを思いながら入り口へ向かいます。

「いらっしゃいませ、喫茶店《シェリ・ランコントル》へ。」


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