異世界に行きたい?バカですか、帰りたいんです!

大和 皐

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0章

プロローグ1

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 ここは、街から離れた山にある小さな神社である。
 時は夕刻。 

「今日も来たな!」

  そう言って喜びの声を漏らした、そこには、黒髪ロングの巫女服を着た少女がいた。

 我にとって、この事はの次に喜ばしいことであった。
 
 我は神である。今からちょうど10年前に、この地に顕現したのである?

 というのも、10年前以前の記憶が無い。

「(まぁ、気にしたことはないがのぅ…)」

 さて、話を戻そう。

 この神が見つめていた先には、神社の石段を上がる2人の高校生の男女がいた。

 彼らは、この神社の宮司ぐうじの息子、優太ゆうたの親友である。

 我の記憶が確かな時以前から、3人でよく遊んでおったらしい。

 ガタイがよく、短髪の男が翔也しょうや
 落ち着きのある、茶髪ロングの女がさくらという。

「(今日も、優太を遊びに誘いにきたのだな)」

 本殿から少し離れた裏に、優太の住む家がある。

「(さて、今日は何をして遊ぶのだろう)」

 本殿の屋根からソワソワと、楽しげにインターホンを鳴らす2人を見ていた。

「.......ん!?」

 ふと、桜がこちらを
 確かに目が合った気がした。

 人間には神を目視できない、出来るはずがない。

 「(少なくとも、では見える人間はいない)」

「―――とはなんだ?まるで、他の世界があるみたいではないか…」

 我は神だ、この世界のことはよく理解できている。

焦りながらも、思考を巡らせているうちに、家から優太が出てきた。

 平凡そうな容姿だが、中身はコミュニケーション能力の塊の様な男だ…それに優しい。

「つい考え込んでしもうた…」

 ポツリと呟いた。
 気になる事があれば、長く考え込んでしまうのは悪い癖だ。

「あやつらは何処に行った?」

 辺りを見渡した。
 
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