異世界に行きたい?バカですか、帰りたいんです!

大和 皐

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0章

プロローグ2

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「.....おかしい」

 今までに感じたことのない気配がした。胸がざわつく...
 
「何なのだ、は?!」

 我が目を向けた先。遊びに向かう優太達の数メートル先。
石階段に、アレがあった。

 神になってから、初めて恐怖を知った。
 自分が危ないという恐怖ではない。
 が危機に迫っているという恐怖に……

「おい…気がついておらんのか?」

 焦っていた。優太達が、アレに気がついていないことに……
 今まさに、アレに向かって進んでいることに……
 
「行ってはならぬ」

 叫んだ。人間でもあげないような大声を―――
 人間には、神の声はとどかない。
 そんな事は、理解しておる。
 なら、どうしろと……
 力は使う事は許されておらぬ。いや、実際は我より高位の神に力を制限されておる。

「気づけ!行くでない」

 飛んだ。使える力を全て使い切る勢いで―――
 どうか届いてくれ。強く願った。
 どうか聞いてくれ。強く叫んだ。

 闇が優太達を飲み込み始めた。そこで、ようやく優太達は、置かれれいる状況に気がついたようだ。
 慌て、ざわめいているのが見て分かった。
 
「(あと少しで、もう少し―――)」

 

…………追いついた。

優太ユーター、手を伸ばせ――!」

 必死で叫び、手を伸ばした。
 気が付かないことを理解していながら―――
 何かが手に触れた。

「………えっ!?」

 それは、我に向けられた優太の手だ。
 離すものかと、我の手を握った優太がそこにいた。
―――――――――――――――――――――――――

 次の瞬間、闇が我ら4人を飲み込んだ。

ぞ……」

 我は、直感でそう感じた。何か、懐かしいような気がした。
 考えるのは後だ。

 翔也と桜を護らなければ…...
 気絶した優太の肩を担ぎ、手を伸ばそうとした。

 2人を確保した直後、違和感があった。
 我はすぐに気づいた。この異変に…

「魂が抜けておる?!」

 驚きのあまり、声をあげた直後―――
 
 闇が眩しい光の空間へと変わった。
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