~初壊~はかい

せろり茶

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~初壊~

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少女は逃げた。

己に課せられたそれが怖くて。


ただ恐ろしくて、逃げたのだ。


それがどんな事を引き起こすのかも少女の中では理解が及ばないのは経験値不足所以の、短慮な行いであると、解ってはいたのだが。

それでも恐ろしく、逃げた。

養い親のクラビスが追っ手を伴い、あっという間もなく取り押さえられ、ひたすらに暴れるも。

少女のか細く弱い四肢で大人の男たちの力に抗えるはずもなく。

連れていかれた先の寝台の上で幾人もの男たちの手によって押さえ付けられ...。








「やッだぁあぁあっ!!やめて!そんな...入らないッ絶対無理ぃッあっあっあっあっあっ!!!やめて!やだやだやだやだぁぁッッ!!助けてッッ助けてぇーっ!」


首筋も顕に短く切られた金色の巻き毛が、バサバサと少女の抵抗の動きに合わせて振り回される。

少女の未成熟な細い手足肩腰を複数の野太い手腕が、暴れる少女を拘束しようと押さえつけ、その複数の衣擦れの音が少女の啜り泣きや細やかな抵抗の音を掻き消していく。

暴れる少女を憐れむ様に見つめるのは、一段高い場所から少女を眺める一人豪奢な衣装に身を包んだ長身の男。


「もう諦めろリリア。ここで暴れようと泣き叫ぼうと誰も手加減はせぬよ。」

長身の男が静かに紡ぐ言葉の残忍さとは裏腹に、声色は優しく響く。


「クラビス様、如何いたしやしょう?」

屈強な中年の男が少女を取り押さえながら、長身の男の顔色を伺う。

この場の指揮は長身の男の元に行われているのか、少女を押さえつけながらまさぐる複数の手は躊躇いはないが、これ以上の指示が下るまでは蛮行には及んでいない。


「これ以上情けは掛けぬ。早々に入れてしまえばおとなしくもなるだろう。...やれ。」


無情な声に少女は一瞬だけすがるようにクラビスと呼ばれた男を見つめて、無数の手にたくしあげられる己の衣服を押さえようと再び暴れだす。


「イやッ!!やめて、お願いッあっあっあっあっあっ!!!やだのっ!やめて、やめてぇぇえぇやだぁぁ!!」


「このっ...!暴れるな!リリア!これもお前の為だ!大人しくしろ!」


「やめて!お願いっやぁ...ッ触んないでッッ...!」


「いつかは皆通る道だ。リリア。お前は今がそうだと言うだけの事。これでお前も大人になるんだ。」

クラビスの声が少しだけ疲労の色を滲ませて、その分少女が暴れている時間の長さを感じさせる。


「お願いクラビス様、止めさせて!怖い!怖いよぅぅ...やだぁ...」


「最初は痛ぇだろうが...一瞬だから、な?大人しくしろって。」

押さえつけている男も、あまりの泣き叫ぶ少女に若干優しい声を掛けるが、少女はそのか細い腕を目一杯振り回す。自身を押さえる荒々しく太い男たちの腕を払おうと我夢者羅に暴れる。


少女を押さえるうちの一人が、何か茶色い小瓶を傾け、少女の肌に塗布しだした。粘液が肌の上でくちゅり、と音をたてる。

男たちの手によって押さえ付けられている状態からでは、自分の体に何をされているのか判らず、少女は慌てながら叫ぶ抵抗をするしかない。

「ひっ...ひゃ...ぁっ...!!冷たいッ何?!やめて!」


「清めただけだ。そら、そろそろ挿れるから大人しくしろよ?」


少女に充てがわれた何か...。

ぐっと押し込むそれが、痛みと熱を持って少女に割り入ろうとする。

本能から少女は痛みを逃そうと「ひッ...くぁ...ッ」と小さく息を吐き、その顔が苦痛に歪む。



「...ん、狭いな...ちょっとじっとしてろよ...暴れるとかなーり痛いからな?」

ぐりっ...。

少女の中で尖端が小さく回されて、馴染ませる様に、探るように、その動きが幾度も繰り返された瞬間。

「い...ッ痛いッッぎッ...ぁああっイギィッッ!!」

自身に入ってくる異物。

尖端が深く挿しこまれ、己を割り開くその異物感にあらんかぎりの声で少女は泣き叫ぶ。

その叫びは喉を開いた大音響を生んで、取り押さえる男たちが一瞬同情する程に痛々しい。


「...もうちょっとだ...全部入れちまえば終わるからな?」

押し込む男が意を決っして、グイッと最後の一圧しを加える。


「やっ...だ...ぁ...何か入ってくる...中で出てるよぉ...やめて、出してこれ!抜いて抜いて抜いて!!」



「悪ぃなッ...途中じゃ終われないってのッ...!」


「やっ...やぁ...ぁッ...抜いてぇ...これやだぁ...」

暴れるのも無駄と知ったか、諦めからか、しくしくと泣き出す少女に男達が痛恨極まりない顔で互いに目線を交わすが、それでもクラビスは小さく首を振って続行せよ、と無言の圧を掛けてくる。


これも掟なのだと、誰しもが年若い少女の身の上に掛かる法の重さを思った。

これも一定年齢に達した少女への重い枷なのだ、と。


「全部リリアの中に出したか?」

「はい、クラビス様。あと一回規則上ありますがまた日を改めてからでも構わないかと。」


取り押さえる一人が答える。

この責め苦がまたあるのか...?!と、涙で顔を歪ませたリリアが驚愕と苦悶の表情でクラビスを振り仰ぐ。


「リリアは初めてか...なら...抜くときも少し痛いぞ?食いしばれよ?」

もう少しだ、と安心させるような言葉とは裏腹に痛みを与えるとの宣言に少女は真っ青になりながら小さく身体を強張らせる。

もうはじめの頃のように暴れる気力もない。

己の中に射し込まれたままのそれ。

痛みがじわじわとそこから全身に回るようだ。

「...早くッ...それ...抜いてぇ...」


涙ながらに訴える少女に、男は小さく頷いて、クラビスをみる。

クラビスも男たちの顔を見回して、小さく頷き返す。


「最後までよく頑張ったなリリア。」

「...やだって言った...のにぃ...酷いよぉ...凄く痛かった...。」

涙声の少女の頭を取り押さえていた一人が小さく撫でてやるのを合図に、ゆっくりとそれは抜かれていった。


「クラビス様、これにてリリアの一時予防接種は完了です。」


「うむ。ご苦労であった。すまなかったね。医師団の皆の衆。また2度めをよろしく頼む。」


「いやー、こんなに暴れる子どもも久しぶりですよ。リリアちゃん、頑張ったな?次は逃げずに頑張れるな。」


ご褒美の大きなペロペロキャンディをかかえて、少女は涙目ながら、少し誇らしげに「リリアも大人になったもん。次は泣かないから、またペロペロキャンディちょうだいね?」とおねだりするのであった。




~完~







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