5 / 106
4「クラスメイト」
しおりを挟む入学式を無事に終え見慣れぬ校内を先行く生徒たちのあとについて行った先には”1-C”と書かれた教室があった。
俺の前何人かの生徒を挟んだ先に壮馬もいる。良かった同じクラスで。
しかし見事に男ばっかだな…。まあ男子校だから当たり前だけどさ。
チラッとクラスメイトの顔を見回したが壮馬以外に知っている顔はいなかった。
ていうかあれだ、なんかみんなモブっぽい…。
モブっぽいという言い方は語弊があるかもしれない、一見するとイケメンとか女子受けしそうな可愛い感じの子などなど色々なタイプがいるんだがなんとなくこの人はメインキャラクターだ!って思えるような人はいなかった。
だが俺に見る目がない可能性もある。
俺男だし野郎の顔なんて気にせんよ…。
このクラスには攻略キャラがいるのかスマホを見て確認したいが、あいにく今はHR中で触れそうにもない。
入学にあたって担任の挨拶や教材の受け取りなど済ませるとその日は解散となった。
ちなみにC組の担任は藤堂という若くて顔面に頓着しない俺から見てもイケメンな奴だった。
一言で表すと爽やかスポーツイケメンだ。
短めの髪と程よい筋肉が似合う男性で生徒たちともフレンドリーな感じがして印象も良かった。
先生はかっこいいけどさすがに違うよな…?
なんだか疑心暗鬼になって誰も彼もが攻略対象キャラなんじゃないかと疑ってしまっている。
非常に良くない…精神的に。
HRを終え教室を出ていくクラスメイト達や知り合いなのか集まってしゃべっている者もいた。
家路を急ぐ者もいてふと自分はこれからどうすればいいのかと考える。
俺はどこに帰ればいいんだろ…?
いや、待てよ俺そういえば寮生だった…。
なんかオープニングで言ってたはず。
寮生活ってどんな感じなんだろう。
男だらけの寮…。
不安になっていると壮馬が俺の机の前までやって来ていた。
「律、お前は保健室だったな。待ってるから行ってこい」
「あーそういえばそうだった。…って保健室どこだろ」
そうだ、寮の前に保健室に寄らないといけないのだった。
この学校に来たばっかでまだどこに何があるかわかんないっていうのにどうしよう。
むやみやたらに探すのもなあ。普通に迷いそう。
「お前さんたち寮組の桂木と夏目であっちゅうか?」
ふたりして困っていたら、クラスメイトに話しかけられた。
でけえ‥。
のっそりした熊みたいな男子が目の前にいる。
ぼさっとした髪に少し長い後ろの毛を無造作にひとまとめに縛っているのが特徴的だ。
「寮組?」
「俺はこのクラスの委員長の西夏樹や。クラスの寮生たち全員で寮に来るよう言われちゅうけんどお前さんたちもう行けるが?」
言われていることはわかるが方言が強めだ。どこの訛りなんだろう。
でもなんだか大柄な彼とその言葉遣いはとても合っていた。
寮組について説明している西の後ろに何人か生徒がいた。寮に行くの生徒たちのようだ。
なんとなしに見ているとふとその中で少し距離を取って離れてぽつんと立っている青年を見つけた。
青年は身長は俺と同じぐらいかちょっと上くらいで長くてもっさりした前髪の隙間から釣り目がちなくりっとした瞳が覗いていた。落ち着かなさそうに荷物をぎゅっと抱えている。
話している俺たちを見ようともせず床へ目を落としている。全く俺たちに関心がなさそうだ。
なんとなくその身構え方が警戒しているように見えて、ちょっとでも声を掛けようものなら距離を取られて素早く逃げられてしまいそうだななんて思った。
懐かない猫?犬?みたいな。
気が張った状態で立っているが特に帰るわけでもなく荷物を持ったままここにいるところを見るにこの少年も寮生なのだろう。
「あ、あの…俺保健室に用があって…」
「そうか、んじゃあ俺ら待っちゅうから行ってこい」
西と名乗った男子はのっそりと持っていたカバンを机に置くと空いていた椅子に座りなおした。
他の生徒たちにも声掛けしてくれている。
どうやら待っててくれるみたいだ。
待っててくれるのはありがたいが、問診って時間どのくらいかかるんだろあまり待たせたくはないな。
「クラス委員長って、いつ決まったんだ?」
壮馬が不思議そうに西に聞いた。
確かにそう言われればHRではクラス委員長なんて決めなかったぞ。
「ああ、お前さんたちは持ち上がり組じゃないき知らんか。俺は中学からこの学校やき事前に先生に頼まれちょったと」
「持ち上がり組っていう事は保健室の場所は知ってるか?」
壮馬がさりげなく尋ねてくれた。ありがとう壮馬。
「ああ、知っちゅう。保健室はここを降りて…」
西が保健室への道順を教えてくれたおかげで何とかたどり着けそうだ。
「あ、ありがとう。西くん」
「呼び捨てでええが。くん付けはなんかむず痒いき」
照れたように笑う顔が少年のように砕けて親近感を感じた。
のっそりしてて大きいから威圧感があるけど、接してみたら頼りがいもあっていい奴っぽいぞ…。
仲良くなれるといいな。
…。
恋愛的な意味じゃなく!
場所もわかったし今は保健室へ急ごう。
俺の秘密のこともあるし、みんなを待たせるのも悪いしな。
よし!いざ保健室へ!
(本当は不安でいっぱいだ…)
73
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる