俺は絶対に男になんてときめかない!~ときめいたら女体化する体質なんてきいてない!~

立花リリオ

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89「佐々木先生のお時間」

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「……なぜ、佐々木先生のお部屋に?」
「そりゃあ君、補給のお時間だよ」

昼食後、佐々木先生に呼ばれついてくるように言われたので先生たちと教員寮までやって来た。
正直色んな記憶がまだ鮮明に蘇るから教員寮にはあまり来たくないのだけど。
佐々木先生の部屋は昨日ぶり…だ。

泣く俺の事を辛抱強く宥めて、背中を撫でてくれたり頭を撫でてくれたり……。
…んん!……思い出すだけでじわりと顔が熱くなる。
迷惑を掛けた自覚があるから、しんどい…。

「足りてないからね、全然。…身体どう?しんどいんじゃない?」
「…ま、まあ…そうですね…すこし」

確かに言われる通り、薬が抜けてから更にしんどくなっている気がする。

「俺も覚悟決めたし、今日はしっかりするよ」
「し、しっかり…?…え、えと…先生?」
「んー?」

覚悟、とかしっかりとか…不穏な単語が…。
なんだか、すごく嫌な予感がする。

戸惑う俺の腰にするっと腕が回る。
過剰に驚いてびくっと肩を揺らすと佐々木先生が顔を傾げてふっと笑った。

「ひっ……さ、触る必要は…」
「ないよ、でも…俺も心配したからね、多少はご褒美がないと」
「ご、ご褒美?」

触る事のどこがご褒美なんだ?

「俺さー…相当頑張ったよ?…君の拒絶にも耐えながら精気分けたり、行きたくなかった実家にも行ってさ……」

腕にぐっと力が込められて佐々木先生の胸元に引き寄せられる。
頭を俺の肩に預けて、くっついたまま佐々木先生がぽつりと呟く。
じ、実家?
実家がどうしたんだろう…。今回の件とは関係ないと思うけど…。
考え事をしているとふいに佐々木先生がすり、と肩に頭を擦り付けてきた。

「…ね、夏目くん…俺の事きらい?」
「え?…きらいでは…」

何だ急に。
嫌いかと聞かれれば別に嫌いではないけど…。

「じゃあ、好き?」
「…き、きらいじゃないです…」
「って事は好きってことだ」
「いやいや、そういう事では」
「…じゃあきらい?」

だから、別に嫌いじゃないし…。
と思いながら、堂々巡りみたいなやり取りにめんどくさくなって眉を寄せた。

「…な、なんなんですか、さっきから…っん……」

頭は俺の肩に預けたまま、背中に回った掌がするっと着ているシャツの隙間に潜り込む。
素肌を触れるか触れないかのタッチで指先が撫でて、上擦った声が出てしまった。

「やー…俺もさ、心狭いと思うよ?でも、君にきらいって言われたの訂正してもらわないと…気が済まなくて」

佐々木先生は会話を続けながら、背中を緩く撫でたりズボンの隙間に指先を入れたりと好き放題している。
俺はその動きに気を取られて会話どころじゃない。

動きがいちいち、えっちだ!
そういう色沙汰には詳しくないけど、いやらしい仕草だという事はさすがの俺でも分かる…!

「…っ………は、……っ♡」

え、えっと…なんだっけ…?

きらい、そうだ…。
あの時言った。
薬のせいとはいえ、面と向かって思いっきり言った。
…そうだ、そのこと…佐々木先生は気にしてたってこと…?
俺も口に出した後しばらく引きずったし、あの時すぐにでも謝るべきだったと思っている。
謝って欲しいのかもしれない、確かに有耶無耶になってその件については言及しなかったし。

「…す、すみませんでした…酷い事言って……」
「…ちがうよ、謝罪がほしいんじゃない」

ぱっと身体を離して間近で顔を覗きこまれる。
背中で遊んでいた指先が今度は頬に触れ、ゆっくりと俺の顔を包み持ち上げる。
強制的に目を合わせるように、逸らすことを許さないという意思を感じた。

「ちゃんと教えて」
「………や、だから……きらいじゃ、ないです………」
「違うって言ったでしょ」

な、なんで言わせようとするんだ?
嫌いじゃないなら…そりゃ…。
だけど、目を合わせてこんな間近で言うとなんかただ言うのとは色合いが違う気がする…。

包まれた頬は痛くはないけどしっかりと固定されていて離してくれる気配はなく言うまでこのままなんじゃないかという気さえした。
ていうかたぶんそう、佐々木先生の目は静かにこちらを見つめたまま動かない。
この状況でその言葉を口にするのはすごく恥ずかしいんだけど俺は観念した。
きゅっと唇を噛んでから、ゆっくり口を開く。

「………す、すき………」

俺の言葉を聞いてするっと頬を撫でてからゆっくりと手が離れていく。
にこっと笑ってうんと頷くと着ていたシャツのボタンを一つプチっと緩め首元を晒す。

「ん、そっかー、…だよね?」

その一連の動きが様になっていてとても色っぽかった。
大人の仕草だ。
…いや、なぜ、ボタンを外した?

「さ、仲直りもしたし、…しっかり補給しようか」

な、仲直り?
今のってそうなの?
よくわかんないけど…上機嫌な佐々木先生が今度は上着を脱ぎだしたので思わず距離を取った。

「な、なんで脱いでるんですか…?」
「なんでだろうね?」

楽しそうに笑わないでくれ…!



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