【完結】元王子は帝国の王弟殿下の奴隷となる

ぴの

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引越し

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 奴隷になって半年が経った。

「今日あたりでお前の発情期も終わりだろう。」
「おそらく…。」
 散々貫かれて息も絶え絶えのリュートは、何とか答える。

「なら、5日後に俺の王都内の私邸に移る。」
「え?」
「王宮を出るからこれを足首に付けておけ。」
 リュートが渡されたのは、一目で最高級品と分かる藍玉を使ったアンクレットだった。
 手のひらに乗せられてとまどうリュートに、アーディルは、手のひらからアンクレットを奪い、リュートの左足首に装着した。
「外すんじゃないぞ。」
「はい。」
 燭台の灯の光に反射して藍玉がきらめき、リュートの白い足を艶かしく見せていた。
 
「あの、準備するものとかありますか?」
「準備?」
「お引越しの…」
「ああ、ここはこのままだ。私邸に必要なものは揃っている。身一つで良い。」
「あ、あと、ハミルは一緒ですか?」
アーディルは、リュートがどういうつもりなのか定めるようにジッと見る。
「連れて行きたいのか?」
 この国で対等に話してくれるのはハミルだけだ。できることならこのまま側にいて欲しい。
「はい。」
「では、そのようにしろ。」
「ありがとうございます!」
 思いがけず快諾をもらい、リュートは顔が綻び、ふわりと笑んだ顔をアーディルに向ける。
「!!」
 アーディルは息をのみ、噛み付くようにリュートに口づけをした。

「んふっ…んあっ。」
口腔内を弄られ、発情期が完全に終わってないリュートはまた孔からとろりと液体が滲み出るのを感じた。
夕食後から夜明けになろうとする今のいままで抱かれていたのに、まだ欲しい。

 アーディルの陽根にそっと触り、勃ち上がっているのを確認してから、ねだった。
「殿下、もう一度だけお情けをください。」
「発情期のお前には、精も魂も奪われる。」
 呆れたように言いながらも、アーディルは、言われた通り抱き、結局、日が昇ってから、寝台を後にした。



****
「えっ!?僕も殿下の私邸に行くの!?」
 リュートは、王宮からの引越しをハミルに告げる。
「勝手に決めてごめん。」
「ううん、すごく嬉しい!!宦官って王の所有物だから、基本的には王宮から出られないんだよ。だから驚いただけ。」
「そうなんだ…。また私の世話係だけどいいかな。」
「もちろん!!下働きしなくていいし、おこぼれで美味しいもの食べられるし、誰にも殴られないし最高だもん。」
「ふふ、そっか。なら良かったよ。」
「もう殿下に大感謝だね。殿下のために、リュートさんをもっとエロエロな子に育てなきゃ。」
「いや、それは大丈夫…。」
「ダメダメ!恩はきちんと返さなきゃ…。」
 変な方向に頑張ろうとするハミルにリュートはそっとため息を吐くのだった。
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