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※匂い
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「ん…んっ…んあっ。」
リュートは、深い眠りから意識が徐々に覚醒すると、口付けられていることに気づく。
「ん、んっ?」
「ようやく起きたか。」
「殿下…どうして…。」
こんな夜中に来たことがなかったので、疑問を口にした。
「俺がお前を抱くのに理由など必要か?」
「いえ…。」
アーディルは、リュートの首筋に自身の顔を埋めると思いっきり息を吸う。
「この匂いだ。」
「殿下はいつもと違う匂いがします。」
正直、不快な匂いがいつもの匂いと混ざってしていた。
リュートは、いつものアーディルの匂いだけを吸い込もうとするが、匂いを分けることは到底できない。不快な匂いもまとわりつく。
「いつもなら俺のフェロモンを嗅いだだけで、ここはみっともなく膨らむのに、今日は反応が鈍いな。」
アーディルは、きゅっとリュートの陰茎を握る。
「あうっ。」
「俺もこの匂いを我慢したんだ。お前も我慢しろ。」
「あの、浴場に行きましょう。私が匂いを洗い流します。」
「ふん、洗ったくらいでは取れぬ。」
嫁いできた姫は、ベータでアルファやオメガが持っている特別なフェロモンも匂いもない。
そこで、人工的に作られたフェロモンと似た香水を付けて初夜に挑んだのだった。
しかし、その匂いはオメガのしかも番であるフェロモンを毎日嗅いでいたアーディルにとって強烈に不快な匂いであった。
すぐさま香水を落とすよう命じるが、オメガのフェロモンを抽出して混ぜたというその香水の匂いは、完全に取れず、アーディルは、アルファの矜持で何とか初夜を済ませたのだった。
その後、すぐに新婦の部屋を出て、浴場で身を清めたが匂いが移り、取れなくなってしまった。
「お前の匂いで打ち消せ。フェロモンを出すんだ。」
「どうやって、出せば…?」
「簡単だろ。気持ち良くなれば出る。」
リュートの首筋に顔を埋めていたアーディルは、おもむろにリュートの股の間に顔をうずめ、陰茎を含む。
「で、殿下!!そのようなことをしては、あああああんっ!」
口に含まれたのは、初めての夜以来なかった。あの時は何もかもが初めてで緊張して何も考えられなかった。
「そうだ、そうやってフェロモンをたくさん出せ。」
そう言うと再びじゅぼっと口に含まれた。
「ぅんっ…ふっ、んあっ、あああ!」
アーディルの陰茎に比べて可愛らしい大きさのリュートのモノは、余す所なくアーディルの口の中に入り、転がされるかのように舐められる。
「殿下、もう離してくださいっ。出ます!」
自身のモノから離そうと肩を押すがびくともしない。
「いやっ、だめっ!」
リュートは涙目になって懇願する。
奴隷が王族の口の中に放つ訳にはいかない。何も知らなかった頃と違うのだ。出さないように我慢するが、与えられる快感は止まらない。
「殿下ぁ!お願いです、で、出ちゃうっ…ああああっ!」
とうとうアーディルの口の中に白濁液をはきだしてしまう。
「あぁ、申し訳ございませんっ!」
慌てて寝台から降り、リュートは床に額ずいて謝った。
アーディルは、リュートの手のひらを取ってそこに白濁液を出す。
「いいから、それを孔に塗り込んで、こっちに来い。」
リュートがアーディルの口の中に出したことなど気にも留めず次を促す。
言われた通りに自身の白濁液を後ろの孔に塗り込んで滑りを良くし、寝台の上に上がる。
「だいぶお前だけの匂いになって来た。もっと気持ち良くなれ。」
そう言うといつも以上に執拗に口づけをし、滾った陽根をリュートの中に入れ終わりなく抽挿を繰り返す。
朝になり日が高く昇っても終わることがない。リュートは体力も限界だったが、アーディルがまだまだと言ってリュートを求めた。
「殿下…。」
喘ぎすぎて掠れた声で呼びかける。
「せめて水を飲ませてください。」
「ハミル。」
アーディルが呼ぶと心配でドアのすぐ側で控えていたハミルがすぐにやって来る。
「水を。」
ハミルが部屋を出るとそこにはアーディルの侍従が食事と飲み物を用意して待っていた。
「殿下は番様のお側にまだ居られるようですか。」
「はい。お離しになる気配がございません。」
「そうですか。」
侍従は困ったように呟く。
本来なら新婦と共に朝食を取り、陛下に婚礼の御礼に行かなければならない。
しかし、先程までいくら待っても目の前の扉は開かなかった。
もし、途中で声を掛けようものなら、首が繋がっている保証はない。
王宮で宦官以外の側仕えが番様の艶声を聞いてうっかり顔を赤くしたのを見た殿下がその者の首を刎ねたというのは有名な話だ。
侍従は、番様がこの邸に来ると聞いて真っ先に思ったのは、少しでも番様に対して粗相があれば、どんなに忠臣な者でも同じ目に遭いかねないということだった。
そのことは、リュートの身分が何であろうと使用人には、関係ないことになってしまった。
侍従は、今日は諦めるしかないと肩を落とす。
(陛下には殿下が、新婦に無理をさせて挨拶できる状態ではないと伝えておこう。)
ハミルは困り顔の侍従を置いて、カートを部屋の中に運ぶ。
それを見たアーディルは、水以外にパンと果物を要求した。
それらをリュートに手ずから与える。
「まだ終える気はないから、食べておけ。」
と言い添えて。
抱いては少しの睡眠を取り、目覚めると、体を貪りを繰り返し、それは、再び夜の闇が訪れるまで終わらなかった。
リュートは、深い眠りから意識が徐々に覚醒すると、口付けられていることに気づく。
「ん、んっ?」
「ようやく起きたか。」
「殿下…どうして…。」
こんな夜中に来たことがなかったので、疑問を口にした。
「俺がお前を抱くのに理由など必要か?」
「いえ…。」
アーディルは、リュートの首筋に自身の顔を埋めると思いっきり息を吸う。
「この匂いだ。」
「殿下はいつもと違う匂いがします。」
正直、不快な匂いがいつもの匂いと混ざってしていた。
リュートは、いつものアーディルの匂いだけを吸い込もうとするが、匂いを分けることは到底できない。不快な匂いもまとわりつく。
「いつもなら俺のフェロモンを嗅いだだけで、ここはみっともなく膨らむのに、今日は反応が鈍いな。」
アーディルは、きゅっとリュートの陰茎を握る。
「あうっ。」
「俺もこの匂いを我慢したんだ。お前も我慢しろ。」
「あの、浴場に行きましょう。私が匂いを洗い流します。」
「ふん、洗ったくらいでは取れぬ。」
嫁いできた姫は、ベータでアルファやオメガが持っている特別なフェロモンも匂いもない。
そこで、人工的に作られたフェロモンと似た香水を付けて初夜に挑んだのだった。
しかし、その匂いはオメガのしかも番であるフェロモンを毎日嗅いでいたアーディルにとって強烈に不快な匂いであった。
すぐさま香水を落とすよう命じるが、オメガのフェロモンを抽出して混ぜたというその香水の匂いは、完全に取れず、アーディルは、アルファの矜持で何とか初夜を済ませたのだった。
その後、すぐに新婦の部屋を出て、浴場で身を清めたが匂いが移り、取れなくなってしまった。
「お前の匂いで打ち消せ。フェロモンを出すんだ。」
「どうやって、出せば…?」
「簡単だろ。気持ち良くなれば出る。」
リュートの首筋に顔を埋めていたアーディルは、おもむろにリュートの股の間に顔をうずめ、陰茎を含む。
「で、殿下!!そのようなことをしては、あああああんっ!」
口に含まれたのは、初めての夜以来なかった。あの時は何もかもが初めてで緊張して何も考えられなかった。
「そうだ、そうやってフェロモンをたくさん出せ。」
そう言うと再びじゅぼっと口に含まれた。
「ぅんっ…ふっ、んあっ、あああ!」
アーディルの陰茎に比べて可愛らしい大きさのリュートのモノは、余す所なくアーディルの口の中に入り、転がされるかのように舐められる。
「殿下、もう離してくださいっ。出ます!」
自身のモノから離そうと肩を押すがびくともしない。
「いやっ、だめっ!」
リュートは涙目になって懇願する。
奴隷が王族の口の中に放つ訳にはいかない。何も知らなかった頃と違うのだ。出さないように我慢するが、与えられる快感は止まらない。
「殿下ぁ!お願いです、で、出ちゃうっ…ああああっ!」
とうとうアーディルの口の中に白濁液をはきだしてしまう。
「あぁ、申し訳ございませんっ!」
慌てて寝台から降り、リュートは床に額ずいて謝った。
アーディルは、リュートの手のひらを取ってそこに白濁液を出す。
「いいから、それを孔に塗り込んで、こっちに来い。」
リュートがアーディルの口の中に出したことなど気にも留めず次を促す。
言われた通りに自身の白濁液を後ろの孔に塗り込んで滑りを良くし、寝台の上に上がる。
「だいぶお前だけの匂いになって来た。もっと気持ち良くなれ。」
そう言うといつも以上に執拗に口づけをし、滾った陽根をリュートの中に入れ終わりなく抽挿を繰り返す。
朝になり日が高く昇っても終わることがない。リュートは体力も限界だったが、アーディルがまだまだと言ってリュートを求めた。
「殿下…。」
喘ぎすぎて掠れた声で呼びかける。
「せめて水を飲ませてください。」
「ハミル。」
アーディルが呼ぶと心配でドアのすぐ側で控えていたハミルがすぐにやって来る。
「水を。」
ハミルが部屋を出るとそこにはアーディルの侍従が食事と飲み物を用意して待っていた。
「殿下は番様のお側にまだ居られるようですか。」
「はい。お離しになる気配がございません。」
「そうですか。」
侍従は困ったように呟く。
本来なら新婦と共に朝食を取り、陛下に婚礼の御礼に行かなければならない。
しかし、先程までいくら待っても目の前の扉は開かなかった。
もし、途中で声を掛けようものなら、首が繋がっている保証はない。
王宮で宦官以外の側仕えが番様の艶声を聞いてうっかり顔を赤くしたのを見た殿下がその者の首を刎ねたというのは有名な話だ。
侍従は、番様がこの邸に来ると聞いて真っ先に思ったのは、少しでも番様に対して粗相があれば、どんなに忠臣な者でも同じ目に遭いかねないということだった。
そのことは、リュートの身分が何であろうと使用人には、関係ないことになってしまった。
侍従は、今日は諦めるしかないと肩を落とす。
(陛下には殿下が、新婦に無理をさせて挨拶できる状態ではないと伝えておこう。)
ハミルは困り顔の侍従を置いて、カートを部屋の中に運ぶ。
それを見たアーディルは、水以外にパンと果物を要求した。
それらをリュートに手ずから与える。
「まだ終える気はないから、食べておけ。」
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